ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

いば昇 @名古屋市中区・栄

2024年03月26日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋市の有名な鰻屋「いば昇」。でも一般的には錦三丁目の「いば昇」を指すことが大半で、メディアに出るのも大抵そっち(混同している人も多い)。今回訪れたのはプリンセス大通沿いにある「いば昇」(”いば”は変体仮名)。暖簾をくぐって戸を引くと店内はやや暗めの照明で、昭和そのままといった風情。テーブル席が6つ程あり、小上がり席もいくつもある。高齢の給仕女性(女将?)に案内されテーブル席に腰掛けた。栄のど真ん中に居ることを忘れるような、何の音もしない静かで落ち着いた店内で卓上の品書きを眺める。まずは「特選酒」と「うまき」をお願いした。燗をつけるか訊かれたが、気分でひや(常温)にする。

徳利に入った「特選酒」と猪口が用意された。徳利はやや小さめなので正一合は無さそう。にしても「特選酒」(特級酒⇔一級酒、二級酒)って、昔はよくそういう分け方をしていたなァと懐かしい気分に。ほんのり温かい「うまき」はちゃんと鰻の身の入ったのが2切れ(当たり前か)。大根おろしが付いていて、玉子焼きの味付けは甘め。「もう1本」と言うのを躊躇するくらい酒の値付けは高めなのに、この「うまき」の値付けは随分安い。あっという間に酒が無くなったので、ここで「鰻丼」を追加した。

しばらくして小振りで銘の入った蓋付きの丼で運ばれた「鰻丼」は、糸底の部分まで熱々。蓋を開けると鰻は4切れ。もちろん焼きはカリッとした地焼き。備長炭で焼いているのだそう。かなり濃いめのたれをくぐっていて、ご飯にも白いところがほとんど無いくらいたれの量は多め。これで甘かったらアレだが、きりっとしていていい感じ。旨い(でも個人的にはご飯の白いところはもう少し残っていた方が好み)。海老と三つ葉と柚子皮の浮いた吸物と、白菜、きゅうり、大根の漬物を挟みながら綺麗に平らげ、勘定してもらった。

錦三(きんさん)の「いば昇」はHPで創業が明治42年(1909)と謳っている。もちろん何らかの関係はあると思うが、あちらのHPにはきっぱりと「姉妹店はございません」との記述もある。以前、錦三の方は戦後の暖簾分けという記述を見たことがあったはずだし(未確認)、ネット上にはこちらが「いば昇本店」との表記が見られるが、店内にそう書かれたものは何も見当たらず。果たしてどういう経緯があったのか気になるな。(勘定は¥3,500程)

 

 

 

専門うなぎ いば昇

愛知県名古屋市中区栄3-8-121

 

( 名古屋 なごや さかえ いばしょう 以ば昇 いば昇本店 鰻 うなぎ 鰻丼 櫃まぶし ひつまぶし )

コメント (2)
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