無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

5月分

2021年06月04日 10時56分10秒 | 感想
5月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3707
ナイス数:67

にっぽん怪盗伝 新装版 (角川文庫)にっぽん怪盗伝 新装版 (角川文庫)感想
三大シリーズ書く前に、習作では決してないんだけど、ネタ被りのプロトタイプみたいなの結構池波先生はやってて。何なら「え、スターシステムなの?W」くらいのことはやってて、コレは鬼平のプロトに近いのかな。鬼平が出て来るのはそういう役職やひとがいるという間接描写なのは、主人公が盗賊側だから、彼らのドラマがメインなので、あくまで舞台設定の対比としてって感じ。まぁ基本池波調丸出しではあるんだけど、後期作品とはちょっと雰囲気が違って、ソレがまた作品とよく合ってたかな。しかし、池波先生はつくづく大女フェチだな!w
読了日:05月04日 著者:池波 正太郎
いびき女房: 大江戸落語百景 (徳間時代小説文庫)いびき女房: 大江戸落語百景 (徳間時代小説文庫)感想
落語そんな聞かないからよく分からんので、サゲでもオチでもまぁいけど、一応オチてはいるけど、残念ながら正直そんな面白くなかった。普段のフツーの風野小説の方が面白いよね。これ噺家が身振り手振り語り口でやったら面白くなるのかしら?あとがきで本人が語ってる、作品の源流に落語があるってのは、宮部さんと同じで、はぁなるほどねというのはった。
読了日:05月05日 著者:風野 真知雄
ふたつぼし (1) (角川文庫)ふたつぼし (1) (角川文庫)感想
んー、コレは新三郎&魁シリーズの悪いトコが前面に出ちゃってる感があるのかなぁ。こう、設定も話もキャラも悪くないんだけど、ドラマに説得力がないっていうか。この後、2巻で第一部完終了みたいな終わり方してるから、それを思うとドラマの構築よりもお話を急ぎ過ぎたってことなのかもだけど、故に説得力がないんだよね。主人公の仇討ちへの想いとか、師匠の執念みたいなのが一応の説明だけで終わっちゃってるというか。残念ながら沁みて来ない感があったのかな。動機が弱いから、イマイチ応援出来ないというか。
読了日:05月07日 著者:中谷航太郎
潜入 味見方同心(三) 五右衛門の鍋 (講談社文庫)潜入 味見方同心(三) 五右衛門の鍋 (講談社文庫)感想
この前に読んだ「いびき女房」がイマイチだったんで、平常運転の風野節が安定で面白かったw 一応シリーズの縦糸になるはずの将軍暗殺と大奥を巡るなんじゃかんじゃは現状メインの謎ではあるけど、風野さんの場合サクッと終わらせちゃったりもするからw割と気にしてはいないんで、まぁお静との仲がどうなるのかってことのが中心なのかなぁ。劇的なイベントでもないと、もし兄貴がいなければ魚之進と上手くいったかもしれない相性も、ちょっと乗り越えられないハードルが高過ぎんのよな。そういう意味なら、お静がダメだからおのぶってのは、
読了日:05月09日 著者:風野 真知雄
ふたつぼし (2) (角川文庫)ふたつぼし (2) (角川文庫)感想
んー、まぁ1巻があーだったんで、2巻もこんな感じなのかなぁって。本来エピローグ的なエピソードなんよな。かと言って一冊にまとめるよりは、分冊した方が話が物理的に区切られるので時間経過が盛れたってのが大きいのか。この後に、0巻てのがあるみたいだけど、蛇足な感じもするにょねぇ。主人公も今一ノレなかったけど、この双子の兄貴の方も見事に支離滅裂だよなぁwなんてね。ちょっと残念。
読了日:05月12日 著者:中谷航太郎
陰陽師 女蛇ノ巻陰陽師 女蛇ノ巻感想
安定のマンネリBLよっぱらい面白スポット一緒に「ゆこう」物語w 面白かったけども、本来的なこのシリーズの位置として、仏教説話集的なオチの今昔とか日本霊異記みたいなそういうのもいいんだけど、やっぱり短い。懐石料理なんよ。もっとこう、エロスとバイオレンスはどうしたと。ぎとぎとに脂光りしたたまらねぇ話が欲しいんだ!w そういう意味では獏ちゃん先生枯れたなぁって。枯淡な味わいなんよな。長編はアレとして、1巻に4話くらいの長さは欲しい。
読了日:05月16日 著者:夢枕 獏
惣目付臨検仕る 抵抗 (光文社文庫 う 16-43 光文社時代小説文庫)惣目付臨検仕る 抵抗 (光文社文庫 う 16-43 光文社時代小説文庫)感想
前シリーズからの続きのシリーズ一発目心機一転って部分と、こっから読む人のための仕切り直し感で、まぁこういつもの上田さんのアレで、序章以外の展開は説明コピペ盛り過ぎでしょwみたいな。そんでシリーズの主人公は一応聡四郎なのに、ほぼほぼ上様メインで、惣目付臨検仕らないで、暴れん坊将軍レッツゴー享保の改革!って感じw 前のが繋ぎのシリーズでその前が大奥改革(失敗はしてないけど成功でもないw)、今期はいよいよ政治の表舞台の改革なのかなぁ。あ、でも、この巻ではちょっと逆に小物伊賀マン闇伝説への野望編も気になってきたw
読了日:05月17日 著者:上田秀人
乱麻 百万石の留守居役(十六) (講談社文庫)乱麻 百万石の留守居役(十六) (講談社文庫)感想
倅デビューの策を散々引っ張ったのに、ボンクラグループの黒幕がヘタレ野郎過ぎてサクッと藩内のクーデター陰謀終了ってどうなのw ソコまで爺の読みが凄いってのがやりたかったのはわかった。じゃあもう青二才の教育お使いものじゃなくて、ハナから本多正信の書けばいいじゃんw とか言ったりして。まぁでも、家康&弥八郎は影武者徳川家康があるからなぁ。まぁ上田さんなら家康の影武者とかにしないで、そのまま書くんだろうけど、そういう大河然としたのってはどっちか言うたら軍記物になるから、やっぱ政の権と謀が描きたいのかなぁ。
読了日:05月20日 著者:上田 秀人
勘定侍 柳生真剣勝負〈二〉 始動 (小学館時代小説文庫)勘定侍 柳生真剣勝負〈二〉 始動 (小学館時代小説文庫)感想
お得意の権謀語りの冗長さはもうアレとして、やっぱり主人公が主人公してる話は面白い。お使いと説教ばっかとか、話のメインが上司の活躍になっちゃうのはもうね!wって。 周囲にお得意の上田ワールドが拡がってるとはいえ、主人公がきっちり難波の商人魂を武器に動いてるといい感じで話も進みそう。だけども、まぁ、どのシリーズも作中の時間経過は数年もないので、その短いスパンでどこに落着させるかっつーと、一応会津騒動の布石(その陰に陰険な柳生のスパイ活動があったw)を打つくらいまでしか行けないんじゃないかなぁ。
読了日:05月22日 著者:上田 秀人
高家表裏譚2 密使 (角川文庫)高家表裏譚2 密使 (角川文庫)感想
まぁちょっとこう、主人公が若いっつーか、まだ幼い感じなので、公家と武家の友達ものというか、幼い日の約束的なジャンプっぽい感じはちょっと新鮮だった。だったんだけど、まぁ高家ってアレでしょ、クソマナーぼったくり陰険講師なんでしょ?w感ある上に、やっぱ青さや理想はあっても結局、あの吉良になるワケで~とか考えたら、いつまでシリーズが続くか分からないけど、まぁ数年程度の物語スパンでの、この時期のヤングキラで何描きたいの?ってのがあるんだよね。オチのない話ってゆーか。
読了日:05月22日 著者:上田 秀人
裏用心棒譚一 茜の茶碗 (徳間文庫)裏用心棒譚一 茜の茶碗 (徳間文庫)感想
上田さんの武士=虚業のタカリ屋=ロクデナシ論の延長戦の浪人ものは、幾つかシリーズはあるけど、メインの物語が盗人ってのは初めてかな。新鮮味があって面白かった。この際初見では楽しめたであろう蘊蓄コピペは作家読みしてるというので仕方ないとしても、政の権と謀語りは主人公の浪人の立場を語る上で必須だったけどそれでもやっぱり冗長ではあったと思うw シリーズ化されてるみたいだけど、初期作の雰囲気と一巻完結ってのが読みやすくていいかな。今後の問題は、盗人を、いつもの武士と商人ほど語れるかどうかなのかなぁw
読了日:05月23日 著者:上田秀人
国防特行班E510 (小学館文庫 か 53-1)国防特行班E510 (小学館文庫 か 53-1)感想
「カミカゼの邦」と同系列の作品。あっちよりは、アクションはともかく、バイオレンスは低い。エロスはなかったw どちらかというと主人公の内面のどろどろが低い分、アクションのエンターテイメントに徹してる感じで、国家というものへのシニカルな視点はハードボイルド的にはよくあるものだけど、語られる思想信条などの描写の少なさも含めて、今作は大藪春彦ではなく菊池秀行に近くなった感じ。尺が少ないせいもあって、主人公に一応の決着がつく向こうと違って、こっちの主人公にはもう一波乱ありそうな、あるいは癒しが訪れそうな第一部完感
読了日:05月26日 著者:神野 オキナ

読書メーター