無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

6月中

2019年07月03日 06時55分33秒 | 感想
6月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:5836
ナイス数:89

表御番医師診療禄12 根源 (角川文庫)表御番医師診療禄12 根源 (角川文庫)感想
何となく終わりに向かってるのか、また随分遠回りした感じがするのは、コピペ取説の重複は上田作品のデフォなんで仕方ないにしても、まぁアレだよねw 一応雨降って地固まる体で家禄も上がって家内安全一家団欒てまとまりを見せて、最終的に公職を辞する感じはするけど、将軍暗殺の根っこが2代秀忠の遺言でしたじゃどうにも出来ないので、一蓮托生な部分を高位の女三人が上手く運んでくれるような気もするけど、さてどうなるのか。まぁなんかクライマックスは今後あるけど何となく軟着陸の様子は見て取れるのか。
読了日:06月02日 著者:上田 秀人
町奉行内与力奮闘記七 外患の兆 (幻冬舎時代小説文庫)町奉行内与力奮闘記七 外患の兆 (幻冬舎時代小説文庫)感想
前回のお使いがソツなくこなせたので、もう少しグレードアップしたお遣いになれというのはまぁ成長したってことなのかw 奉行所内がこのあと20年近く続く曲淵システムに切り替わってくにしては急な改革って気はするけど、どう考えてもこのシリーズはそこまでは描かないので、適当なところで終わらせるにしても、公式史実イベントの発生がないなら亨の結婚てことなのか。ならまぁ多少は使えるやつになって、小物の暗躍、カス林のボンクラ作戦と南町奉行の頭を抑えて終了なのかしら。しかし主人公の仕事ってもう内与力じゃないよねw
読了日:06月03日 著者:上田 秀人
御家人無頼 蹴飛ばし左門(4)-富突吉凶- (双葉文庫)御家人無頼 蹴飛ばし左門(4)-富突吉凶- (双葉文庫)感想
小物の三竦みが終わって、黒幕は隠したまま一応の中ボスとして轡田派とのバトルが開始された前巻からの引き。前の話で懲らしめた轡田派のマヌケ相手が前半、その流れの女難話wも絡めて。後半が3分の1くらいが、タイトルの富籤エピソード。そこで、轡田派と敵対する派閥で新たな三竦みの構図が出来るけど、対立派の剣客はサクッと轡田に斬殺されて、中ボスの風格を示して、対左門の勝負の暗澹さの暗示。対決モノとしていいヒキかな。
読了日:06月03日 著者:芝村 凉也
御家人無頼 蹴飛ばし左門(5)-落花両断 (双葉文庫)御家人無頼 蹴飛ばし左門(5)-落花両断 (双葉文庫)感想
前巻引き続きVS轡田戦はシミュレーションの結果も悪しでさてどうなるのかと引っ張っておきながらも、メインのエピソードはクソ札差の悪辣な銭設けに翻弄される不幸な旗本遊女カップルって感じ。クソ札差が轡田派に転向した所で、まとめて一気に成敗。正義の裁きというよりもなんか気まぐれって感じもあるのが若干もやっとするけど、まぁソコは主人公が無頼故ってことなのかなぁ。一応ヒキはあまりないので、新展開&バトル拡大って流れではあるのかな。クソ札差はバッサリ行った方がスッキリはしたよねw
読了日:06月04日 著者:芝村 凉也
峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)感想
最初が嫁入り直前の娘がレイプの挙句自死するとかとんでもなくムナクソの悪い話からスタートしたから、もうあれだ、このシリーズはシンドイ話を、解決もしない大団円になりそうもない展開を尻切れトンボのラストで明るく情緒あるように見せる雰囲気でぶった切る話と考えるしかw つまらなくはない。つまらなくはないけど、まぁシンドイw 「峠」ももうちょと読みやすくならなかったのかとかね。雰囲気は京極風ではあったけど、あっちの方が登場人物のごちゃごちゃした感情を説明してるけど、全然わかりやすいよね。まだもう少しねばってみようw
読了日:06月05日 著者:北原 亞以子
新地橋 (講談社文庫)新地橋 (講談社文庫)感想
んー慶次郎シリーズとほぼ同じ。あっちよりは、狂言回しの夫婦が陽性、ワイフの方が、なんでちょっと明るめっちゃあ明るいのかな。でも基本の話構成として、雨降って地固まるって体だけど、何も解決してないし大団円でもなく、希望的観測を匂わせて明るめのエンディングにしてるだけで、多少笑兵衛お捨て夫婦の影響でその場凌ぎの慰めって感じだから、遠からぬ先にまた感情も捩れて縺れて関係も険悪になってって、語られぬ未来も話の時系列の拡大再生産な流れになるんだろうなって。まぁその積み重ねが人生だって言われりゃそうかって気もするけどw
読了日:06月09日 著者:北原 亞以子
異郷のぞみし-空也十番勝負 青春篇 (双葉文庫)異郷のぞみし-空也十番勝負 青春篇 (双葉文庫)感想
何が醒めるって、ぼくの考えたヒーローが実在の強者を片手でやっつける的な誇示だよね。松浦静山を鼻くそほじりながらいなすみたいな、早駆けの馬と併走して息も乱さないとか、あれか、クリプトン人かw スペック盛り過ぎも大概にしろwww まーそっちはもうアレとしてね、ヒドイよね、もう。江戸の尚武館の描写が増えるのはシリーズ読破した人は嬉しいよね!
読了日:06月10日 著者:佐伯 泰英
耳袋秘帖 眠れない凶四郎耳袋秘帖 眠れない凶四郎感想
秘帖シリーズ外伝て感じ。殺人事件でも妖談でも、坂栗、わんみゃおコンビが動いても根岸が中心だったけど、これはもうそっちのシリーズキャラは完全に脇で、タイトルロールの凶四郎が主人公。名前も必殺技もあのひとのリスペクトでふざけてるwけど、話はいつも通りの構成だけどちょっと新鮮な気がして楽しめた。話の流れは、身内の殺人事件の犯人探しがシリーズの縦糸みたいだから、味見方同心と同じか。これはこれで面白いけど、わんみゃおコンビのみではもう秘帖シリーズは出ないのかしら?ってのはあるかなw
読了日:06月13日 著者:風野 真知雄
御首級千両-御家人無頼 蹴飛ばし左門(6) (双葉文庫)御首級千両-御家人無頼 蹴飛ばし左門(6) (双葉文庫)感想
前巻で負傷した左門が、傷を癒しつつ無聊を慰めるためにヤクザ一家からの又聞きで安楽椅子探偵を決め込む話で、各エピソードが最後にタイトルの話にまとまって、無頼御家人復活ってところで終了。ただまぁ、このシリーズは勧善懲悪じゃないのが、たまに引っ掛かる時があって、主人公のグレーさが気まぐれに起因する読み難さにあるってのが中々難しいところとも思う。
読了日:06月15日 著者:芝村 凉也
能面検事能面検事感想
構成はヒポクラテスや毒島やカエル男(ちょっと違うかw)と一緒。青臭い正義観を振りかざす稚拙な熱血タイプと曲者の現場強者との組み合わせが事件を解決。各章の小エピソードが最期のメインエピソードになるってあたりは、ほぼヒポクラテスか。相変わらず現場の細部の設定や読ませるパワーは凄いけど、メイン以外のキャラ造形がいつもながら杜撰という気も。犯行の動機は分かるし、トリックもよしとして、じゃあそれをなぜそんなバレるように?ってあたりが、アポロン、ドクターデスなんかでもそうなんだけど、そんなバカな話ないでしょって。
読了日:06月16日 著者:中山七里
乙ヶ淵哀話-御家人無頼 蹴飛ばし左門(7) (双葉文庫)乙ヶ淵哀話-御家人無頼 蹴飛ばし左門(7) (双葉文庫)感想
前巻で叩き斬ったボンクラ旗本の辻斬りカス若様の件が尾を引いて、そこのお家騒動とバカ母親のボンクラ旗本実家のお家騒動を左門がサックリと無頼流解決といけばいいけど、まぁそんな巧くは運ばないw 後味も微妙に悪しw まぁタイトル通りの遣る瀬無い世間から来世に逃げるように心中って流れはある意味時代劇のテンプレ。そこを左門がどう関わるかで、最初の青砥家みたいにいけばいいけど、スーサイドの救いの無さが、左門が無頼儲け話をフイにした原因なんだろうけど、まぁシンドイw
読了日:06月17日 著者:芝村 凉也
修羅の契り 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)修羅の契り 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)感想
前巻で斬人のしがらみから二人の子供を引き取ってほんわり義父人生を歩みつつのそろばん侍パートは、ボンクラ旗本のイケ好かない胡散臭い家宰懲らしめて旗本バカ家族に灸を据えてさっぱり読者の溜飲を下げるスナック感覚w 後半は前の巻での暗殺屋の親玉がなぜか市兵衛に子供の父親の復讐とか、トチ狂った修羅の契りw 肩入れしてた有望株の殺し人やられたから面子のためにってんなら、これも時代劇のテンプレパターンでよく分かるけど、個人的に勝手な思い入れがあったから、二人の子供も自分の子供に引き取るみたいなのは(゚Д゚)ハァ?よねw
読了日:06月19日 著者:辻堂魁
深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)感想
しみったれた人生のシンドイ局面にスポットを当てて、そこに主人公夫婦を絡ませることによって雨降って地固まるというそこはかとない明るい未来を暗示するというスタイルは、このシリーズや慶次郎シリーズと一緒。3巻先に読んじゃってたwんで、慶次郎よりはマシかなと思ってたくらいだったのが、1巻だと全然マシ。一時的な慰めの雰囲気を匂わす慶次郎よりも、ちゃんと明るいちょっと先の人生まで他のエピソードで描写されてる。ただし、主人公夫婦のシンドイ感じは、慶次郎と一緒。
読了日:06月20日 著者:北原 亞以子
銀花 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)銀花 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)感想
前巻で片が着いたと思ってたのに、子供が爺婆に引き取られたらソコに更にお家騒動再燃みたいな感じで、市兵衛がわざわざ地元まで足を運んでの解決編て感じなのかな。いつも通り、クズとカスばっかの敵なのはともかくw 祖父母や叔父や家族がいいひとだから安心じゃないのはコレで明白って感じの時代観てのは、このシリーズでずっと一貫してて、市兵衛いなくても本当に大丈夫の下地が出来ないと、真のエピソード完結はないのかなーとか思ったw しかしお主は本当にフラグクッシャーだなというおまけwww
読了日:06月23日 著者:辻堂魁
耳袋秘帖 眠れない凶四郎(二) (文春文庫)耳袋秘帖 眠れない凶四郎(二) (文春文庫)感想
シリーズ2巻てことで、構成はまぁいつもの感じで、前からの流れで小エピソードを解決しながら、シリーズの縦糸の太いエピソードが解明されてくってスタイル。今巻は妻殺しの謎がまたちょっと明かされたというか、方向性が暗示されたというか。でも、う~ん、正直風野さんのよくある神信心関係のアレはあんまし好きじゃないんだよなぁという思いもあるw
読了日:06月23日 著者:風野 真知雄
抜刀不斬-御家人無頼 蹴飛ばし左門(8) (双葉文庫)抜刀不斬-御家人無頼 蹴飛ばし左門(8) (双葉文庫)感想
ジェットストリームアタックかw それはともかく、赤鞘組の復活はよりえげつない爺頭目の復活という感じなのはともかく、明らかに黒幕の老中ですら持て余してる感アリアリなんで、クライマックスが爺ブッコロ&黒幕失脚くらいまでの流れなのかしらね。今巻は巻き込まれの大名のお家騒動でひと稼ぎと洒落込みたいところが、爺の介入で獲物かっ攫われてまんまでしてやられた上に、面白コンビニにも不戦敗で、いいところなし。お家騒動で知り合った先生と不和にならずが救いかな。巻き返しを図る無頼魂は未だ健在でw
読了日:06月26日 著者:芝村 凉也
雷火一閃-御家人無頼 蹴飛ばし左門(9) (双葉文庫)雷火一閃-御家人無頼 蹴飛ばし左門(9) (双葉文庫)感想
擬宝軒ショボw まぁ轡田と違って、ハナから腕には全く自信がないから警護してくんなきゃお仕事しないもんとダダ捏ねてはいたけども、ちょっとなぁって。結局左門にまんまと裏をかかれて自滅したけど、ジェットストリームやっつけたついでに、破れかぶれになった主人公がカチ込みかけたらどうするつもりだったんだw まぁ、ソレはやらなかったし、そういう性格じゃないと見抜いた上で動いてたのかもしんないけど、しょもない爺だった。勝負は痛み分けっぽく、甲府に山流しになったとはいえ、御前の先も見えたよなぁw
読了日:06月27日 著者:芝村 凉也
閻魔裁き(三) 吠えろ閻魔 (ハルキ文庫 か 14-3)閻魔裁き(三) 吠えろ閻魔 (ハルキ文庫 か 14-3)感想
打ち切りだったね、こりゃ。耳袋と同じ感じだったけど、何かが足りなかったのかな。いつもの感じで読めてはいたんだけど。とはいえ、このペースで行ってたら、史実の大奥のアレにぶち当たるのは相当後にはなったはずだから、その意味ではラスボスとの対決匂わせて終わるというEDは予定通りといえば、そうだったのかも。
読了日:06月29日 著者:風野真知雄
天下頽弊-御家人無頼 蹴飛ばし左門(10) (双葉文庫)天下頽弊-御家人無頼 蹴飛ばし左門(10) (双葉文庫)感想
ラストを飾るには若干弱い感じして、エピローグっぽいエピソードだったのかなぁ。御前も老醜って感じの自滅なのかな。面白いかったし、芝村さんの作品はどんどんエンターテイメント性が高くなっていってるとは思うけど、忠兵衛、半四郎、左門てちょっと主人公像が難しいのか説明が足りないのか、ピントがボケちゃってる感じはするんだよね。ソコが魅力でもあるんだろうけど、「わからない」ってのはやっぱり感情移入を仕切れないという弱みでもあるんだとも思うかなぁ。
読了日:06月30日 著者:芝村 凉也

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