無駄記

徒然なるままにモニタに向かひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば死ねばいいのに。

7月分

2020年08月09日 12時58分46秒 | 感想
7月の読書メーター
読んだ本の数:25
読んだページ数:8419
ナイス数:160

妖談へらへら月 (文春文庫)妖談へらへら月 (文春文庫)感想
大江戸カルトの怖さってのは人の心の弱みの付け入る神の言葉もそうだけど、ソコと自分の欲望が混然一体となって自分こそが善であり正義であるという傲慢な思い上がりが権力者、選ばれたものという幼稚な承認欲求ですら肯定しちゃうところよね。さんじゅあんの怖さはわかってやってるところ。
読了日:07月01日 著者:風野 真知雄
おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)感想
時代ホラーというジャンルではあるんだろうけど、ホラーというよりはファンタジーに近いのかな。宮部さんがキングファンだって先入観があるからか、かなりキングっぽい癒しのホラーになってるなって。初期のクロスファイアあたりはもうあーファイアスターターだなw感がすごかった(パクリという意味でなく)けど、これはさすがにキングの風味は感じ取れるけど宮部さんらしいストーリーテリングになってると思う。ジョジョの特に4部のそこここに感じ取れるキングっぽさみたいな感じというか。
読了日:07月02日 著者:宮部 みゆき
あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)感想
前巻はシリーズ一冊目で宮部さんがいかにベストセラー作家とはいえ、やはりシリーズとなると1作目の数字が重要で、そういう意味でちゃんとその1冊で収まるように話の構成をしてた(各章の話が最終的に主人公の話に収斂して一応の終わりが設定されてる)んだけど、今巻はシリーズ決定してたので、文字通り分量的にも好きな話を好きなように語り倒しました!って感じなのかなw ホラー半分ファンタジー半分、トトロというか、あぁ多分宮部さんまんが日本昔ばなし見て育ったんだなwって感じがした。ホラーとかファンタジーでなくて、昔ばなしw
読了日:07月05日 著者:宮部 みゆき
泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)感想
3作目。宮部さんのはいくつか読んだけど、このシリーズは好きだな。前巻に思った昔ばなし感は間違いなかったw ホラーもファンタジーも昔ばなしなんだよね。あと、このほっこりカバー絵に反して内容がアレだった泣き童子は、多分その昔読書少女だった宮部さんが漱石の夢十夜読んだ時に、コレは!って思ったのが数十年の時を経て宮部フィルターから抽出されたのねwって思った。まぁアレ読んだ物書きはみんなやりたくなるんだろうなってw シリーズの縦糸になりそうな謎の商人との対決?はどうなんだろうね。
読了日:07月06日 著者:宮部 みゆき
別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪感想
結&エピローグ、そして日常wは続く って感じ。まぁどの道当時の慣習考えれば呪いwの効果はともかく、今はまた戻って来たけど現状コレの維持が長く続くワケはないんで、遠からず離別の時は必ず来るんだけど、今はまだ、ってあたりが大団円とちょっとした寂しさを感じさせてはいるのかな。杢太郎は別シリーズの太一郎と巳之助を合体させた感じだったねw
読了日:07月08日 著者:輪渡 颯介
耳袋秘帖 四谷怪獣殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 四谷怪獣殺人事件 (文春文庫)感想
この巻は、殺人事件シリーズのシリーズメインエピソードになった、暁星右衛門の担当になってる栗田坂巻チームとは別動隊で動いてる、しめ梅二チームの話って感じだったのね。同時期に椀田宮尾はさんじゅあんエピソードで動いてるわけだから、ちょっと箸休め的な部分でもあったのかしらね。
読了日:07月10日 著者:風野 真知雄
三鬼 三島屋変調百物語四之続三鬼 三島屋変調百物語四之続感想
前の巻あたりから、宮部版むかし橋という設定になってるので、時たま地の文やおちかやお勝なんかは脳内再生時に市原さんの声で、おしまは常田さんかとか思いながら読んでたw おちかの婚約者惨殺事件のトラウマもいよいよ溶けてって感じなのか。何とか屋の若旦那の件もなくなり、手習い屋の若師匠とも切れ、シリーズの狂言回しの位置としては別にどうでもいいwのだけど、若いヒロインとなるとやっぱり時代的には嫁摂り的なハッピーエンドに向かわざるを得ないのが、時代設定故なのか宮部さんの少女漫画的趣味なのかってちょっとしたクリフハンガー
読了日:07月11日 著者:宮部 みゆき
あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続感想
おちか寿退社かよwって。いや、そんなにあっけなく行っちゃうもんですかね。そんなロマンス育ってたかい?とか、各エピソードは楽しく読ませてもらったけど、ソッチの方はまー色々思うこともあり。次巻から第二部富次郎-その誇り高き血統-なのは、まぁ正直百物語の聞き手が変わっても読者には何も変わらないシステムなので全然いいんだけど、物語内の設定としては、見目麗しい妙齢の娘さんに話が出来ると思いきや、何で出戻りの小旦那なんだよって思うひともいそうだけど、さてどうなのかw 謎の狭間商人の件は百物語の最期の怪異なのかなw
読了日:07月12日 著者:宮部 みゆき
耳袋秘帖 品川恋模様殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 品川恋模様殺人事件 (文春文庫)感想
役人とのコンビでなく、内与力じゃないけど根岸家の家来コンビってのはココで初なのか。彼らが普段何話してるかとか想像するのは、二次創作的には楽しいかもねw つか、クリフハンガーってちょっとこのシリーズには珍しい。
読了日:07月13日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 目黒横恋慕殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 目黒横恋慕殺人事件 (文春文庫)
読了日:07月14日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 銀座恋一筋殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 銀座恋一筋殺人事件 (文春文庫)
読了日:07月14日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件 (文春文庫)
読了日:07月16日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 小石川貧乏神殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 小石川貧乏神殺人事件 (文春文庫)
読了日:07月16日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 紀尾井坂版元殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 紀尾井坂版元殺人事件 (文春文庫)感想
同じ作者の歌川国芳はこんなキャラ、葛飾北斎はこんなキャラ、喜多川歌麿はこんなキャラってのが知れたのが面白かった。北斎なんかの闊達な絵オタっぽいのと違って、さすがに司法取り締まりとかになるとと思いきや反骨っぷりもまたやっぱり当時の「絵師」としての矜持みたいのもあってなるほそなぁと。
読了日:07月17日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 白金南蛮娘殺人事件 (文春文庫)耳袋秘帖 白金南蛮娘殺人事件 (文春文庫)感想
さて新規新しいキャラ投入で新シーズンスタートかと思ったら、ちょっと違った展開になるとは新刊初読時には思いもよらなかったワケで、30巻も読み切り続くとそりゃ色々アレだった部分もあるよなと再読して色々思うwんだけど、この巻のラストの一文がドクロに繋がるとは思わなかったよね。あっちはあっちでそれなりに楽しませてもらったけど、やっぱこっちのが本筋というか復活を期待したいというのが再読後の本音。
読了日:07月17日 著者:風野 真知雄
耳袋秘帖 妖談ひときり傘 (文春文庫)耳袋秘帖 妖談ひときり傘 (文春文庫)感想
初読時は次巻でさんじゅあんエピソードが終わることも、ましてや妖談シリーズが終わるのも想像してなかったな。風野さんのは割合風呂敷ひろげるけど畳む時はあんまり弄り回さないであっけないくらいサクッと終わるパターンが多い気がする。まぁ、妖談シリーズが終わったのは、だいわから文春にシリーズごと移動したんで、殺人事件も妖談も耳袋シリーズで一本化するっていう、物語外の動きがあったっても大きいんだろうけど。
読了日:07月19日 著者:風野 真知雄
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)感想
スーパーナチュラルかと思いきや案外人為のなせる技って感じだったのがちょっと意外。変調百物語から遡行したんでそう思い込んでたのかもw ただまぁその源流ではあった。超常の不思議ではなかったのだけど、人の世の不思議ではあったというか。狂言回しのキャラの回向院の茂七って岡っ引きが出て来るのが、物語の救済装置としての安心感を持たせてたので読後にあっちゃー↓がなかったのもよかったかな。初ものがたりへGO→
読了日:07月19日 著者:宮部 みゆき
耳袋秘帖 妖談うつろ舟 (文春文庫)耳袋秘帖 妖談うつろ舟 (文春文庫)感想
大江戸定年組でも、たしか神信心オチはこんな感じのハッキリしない感じだったと思う。そこのもんにゃり感は再読しようが変わらないんだけど、神信心そのものへの良くも悪くも宗教とはってところを、断罪するのはそれはまたなんか違うっちゃあ違うんだろう(少なくとも根岸そそうだと)から、この曖昧な感じなのもむべなるかなという気もしなくもなく。結局この流れでの殺人事件との統合後も「闇のもの」事件て感じの扱いはされなかったのは残念。
読了日:07月19日 著者:風野 真知雄
新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一) (講談社文庫)新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一) (講談社文庫)感想
気軽に読めるのがいい。主人公に大きな暗い影が差したりせずに、各エピソードも結構アッサリ夫婦や親子の片方が死んだりしても、そこはかとなく明るい未来が提示されてたり、最後まで知ってるってのもあってサクッと読めるw
読了日:07月20日 著者:藤沢 周平
新装版 風雪の檻 獄医立花登手控え(二) (講談社文庫)新装版 風雪の檻 獄医立花登手控え(二) (講談社文庫)感想
登が結構年の割に分別くさい考え方や口調だったりするのが、時代なのかキャラなのか職業なのか田舎者故なのかソコがわからない自分の知識量なのがのがちょっとはがゆいw
読了日:07月21日 著者:藤沢 周平
新装版 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三) (講談社文庫)新装版 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三) (講談社文庫)
読了日:07月22日 著者:藤沢 周平
祟り神 怪談飯屋古狸祟り神 怪談飯屋古狸感想
最初に輪渡作品読んだ時の、しゃれこわっぽい怖さみたいなのはもうない。別にホラーが好きなワケじゃないけど、芸風に慣れちゃった故の新鮮味の感じなさっぷりってのは残念かなw 話は、皆塵堂と溝猫長屋と似た方向。一応スーパーナチュラルはいる設定。とはいえ、それが隠れ蓑になった人為ってのもあって、捕り物パートではそっちがメイン。某長屋の説教爺ぃみたいな、怪事押し付け爺が話の装置の都合もあるんだろうけどちょっとうざいw ラストにあの猫の守護鬼神の魚屋が登場でファンサービスに爆笑w つかこれ2巻じゃん!1巻!w
読了日:07月24日 著者:輪渡 颯介
新装版 人間の檻 獄医立花登手控え(四) (講談社文庫)新装版 人間の檻 獄医立花登手控え(四) (講談社文庫)感想
やっぱり大阪から帰ってきておちえと夫婦になって、本格的に医者稼業開始したけど、藤吉親分や牢屋敷や患者から案件を持ち込まれて已むに已まれず捕り物へ、みたいな流れの第二部も一冊くらいは読みたかったかなとかまた思うw
読了日:07月26日 著者:藤沢 周平
<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)感想
本所深川ふしぎ草紙からあっちでの狂言回し・物語の救済装置としての茂七が、こっちではちゃんと人情捕物帖の岡っ引きの主人公・回向院の茂七親分だった。あっちは話メインでこっちはキャラ性が強い感じ。初ものをモチーフにしてるって体だったけど、初鰹と白魚くらいしかピンと来なかったw 話は基本江戸の人情ものって感じで、それと親分が主人公故の捕り物が絡むんだけど、シリーズの縦糸になってる稲荷ずし屋台の親父の謎が解明されないままシリーズ未完なのが残念ではあった。子供教祖は何となく明るい顛末になりそうな流れはあったかなw
読了日:07月28日 著者:宮部 みゆき
町奉行内与力奮闘記九 破綻の音 (幻冬舎時代小説文庫)町奉行内与力奮闘記九 破綻の音 (幻冬舎時代小説文庫)感想
上田さんにしてはサクッとあっけなく終了って感じだったけど、これでも打ち切りだよね。数字から編集部の依頼なのか、あとがきにもあったけど本人の当初と違う方向に行っちゃった&書くことがアレになったから自ボツなのかはわからないけどw オチは結局自分が思ってたように、使える官吏はそのまま飼い殺しな曲渕、アレな牧野は厄介払い昇進大目付、そんで主人公と大阪娘の婚姻EDだったけど、いつもなら多分あと2~3巻はかかるんじゃないかなって後半捲ってたんで、ちょっとアレだったけど、折角コレ終わったんで他シリーズを頑張って欲しい。
読了日:07月30日 著者:上田 秀人

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