生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

十二音技法に新しい可能性はないのか?

2017-06-28 22:48:52 | 思うこと

 私自身12音技法について体系的に学んだことがある訳ではないので、誤った認識を持っているかもしれません。とは言え私が理解している限りでは1オクターブ内の12個の半音づつ離れた音程の全てについて1回使うまでは同じ音を繰り返してはいけない、という原理で音列を作るのが12音技法の基本だと思っています。この時に、それぞれの音程の音についてはその音価(=音の長さ)は全て同じとすることも基本になっています。ということで十二音技法は自ら音列の各要素を同じ音価にするという制限を課している訳です。しかし十二音技法以外の楽曲では構成要素となるそれぞれの音に関して音価を同じにするという制限を課していることは殆どないと思います。

 ということで、十二音技法で音列を作る際に、等しい音価で一度づつという制限を緩めるというのか拡張するというのか、その様なことが出来ないかと思う訳です。具体的に説明すると、例えば従来の十二音技法で十二の音からなる音列の一つ一つの音を全音符で書くとします。そこで全音符で書かれた音列を四分音符4つに書き換えます。そうするとドA、ドB、ドC、ドD,ド♯A、ド♯B、ド♯C、ド♯D,レA,レB、レC、レD,レ♯A、レ♯B、レ♯C、レ♯D、・・・と、12×4=48個の音符をランダムに並べて音列を作ると拡張することが出来ると思う訳です。でこの時にたまたま同じ音程の音が続いた場合は音価を2倍にして一つの音と考える、たまたま同じ音程の音が3つレン即した場合には音価を三倍にして付点二分音符と考える。

 そうすると四分音符、二分音符、付点二分音符、全音符と4種類の音価が入り混じった音列が出来ますよね。音価の異なる音符が混在するわけですが、音列全体の中で一つの音程の音が鳴っているトータルの時間で考えれば、全ての音程の音について合計した音価は同じになりますよね。さて、四分音符が4回鳴る音程と全音符が1回鳴る音程とでは等価と考えてよいかどうか?これが最大の問題ですね。四分音符が4回なる音程よりも全音符が1回鳴る音程の方が調性感を少しでも強く感じる様なら、あるいはその逆でも、私のアイディアは十二音技法を拡張することにはなりません。

 十二音技法とは1オクターブ内の12個の半音階音程の各音程を如何に平等に扱うか、という発想から出てきた手法だと思っています。一方でコンピュータ関連技術の進展も著しい今日、12個の音程を平等に扱いつつより複雑な音列を作るのはコンピュータにとっては最も基礎的な計算分野です。もう一捻りも二捻りも簡単に出来ると思うのですが、私が考え付くことぐらいとっくの昔にやられているとも思うのですが・・・。