生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

「我慢できる」と「大丈夫」は違う。

2017-06-21 23:02:15 | 疾病・薬等のはなし

 先日、ネット上のニュースサイトで漫画家の鳳りょうさんが描いた、『「我慢できる」と「大丈夫」は違う。』という主旨の投稿が話題になっていました。私の様な慢性の精神疾患というか精神障害を患った身には、本当にその通りだという思いしかありません。

 スギ花粉症がボディブローで効いてくるからか、毎年4月5月は体調が優れません。今年は特に酷く、毎年度新たに20日付与される年次有給休暇を5月までに16日も使ってしまいました。今年度いっぱい、あと4日の有給休暇をやり繰りして過ごすしかありません。メンタルクリニックの主治医にその様な体たらくであることを伝えたところ、抗うつ薬を増量してみましょうということになりました。これまでサインバルタという抗うつ薬を20㎎/day飲んでいましたが、それを40㎎/dayに増薬しました。その結果、気持ち的に辛くても何とか出社できるようになりましたが、様々な副作用も感じています。

 最も辛いのが、味覚がおかしくなったことです。味が判らなくなったのではなくて、幻覚が味覚にも生じているということで、幻味です。口の中に何も食材がある訳でもないのに、勝手に脳が勘違いして結構強いまとわりつくような味を感じています。継続的な幻味です。何かを食べると食材に応じた味と幻味が重なって感じられます。なので淡白な刺身の様に上品な味は幻味が遮って楽しむことが出来ません。

 以前、リフレックスという抗うつ薬を試した時に、うつ状態に対する薬効は何も感じませんでしたが、非常に強い幻味を感じて閉口したことがあります。主治医は副作用を我慢してできるだけ続けてみてほしいといわれましたが、3日で服用を諦めました。そしてリフレックスを服用する前のジェイゾロフトという抗うつ薬に戻しましたが、幻味の方は半年以上残りました。

 今回のサインバルタの増薬では、効果ははっきりと実感できています。なので、副作用というデメリットもあるものの薬効というメリットも感じています。その上で副作用が辛いなら40㎎/dayを30㎎/dayに減らしてみましょうということになりました。現在30㎎/dayでの服用を続けていますが、40㎎/dayとほとんど変わらず、薬効というメリットと副作用というデメリットの両方を感じています。やはり味覚がおかしいということは、生活の質=Q.O.L(クォリティ・オブ・ライフ)をかなり大きく下げてくれます。

 その瞬間については十分我慢できる程度です。しかしそれが持続的に続いているとなると、将来に対する期待等のプラス思考が出来難くなっている自分を認識せざるを得ません。食べるということは生きていくうえで最も基本的なことだと思いますが、食べるという行為につきものの味覚が狂っているということは、悲しく情けないものではあります。数か月で治るのであれば我慢も出来るかもしれませんが、サインバルタを飲み続ける限りは味覚異常=幻味が続く可能性は否定出来ません。様々なものの食べ合わせを試すとか、お灸とか針とか、様々試していますがこれは効くというものにはまだ出会うことが出来ません。幻味のために食事が苦痛となると、途端に生に対する失着が弱くなります。幻味の苦しみさえ克服できれば、かなり生きることに対して前向きに成れるように思っているのですが。