生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

声楽にしろ器楽にしろ良い音程で歌う・演奏するには音程のイメージが重用

2017-06-19 22:30:01 | より良く歌うために

 声楽でも器楽でも、正しい音程は音楽の基礎です。とは言え声楽の場合、人間は余程気を付けていないと低くなる傾向があります。器楽の場合は、楽器によってそれぞれ異なりますが、一般的には楽器が温まってくると音程が上ずる方向に、冷えると音程が下がる方向に、弦楽器の場合には弾いている途中に弦が伸びて下がる方向に変化しやすいと思っています。

 ということで、自分自身の中に正しい音程のイメージをしっかり持って、自分自身のイメージと照らし合わせてその瞬間ごとに鳴っている音程が正しい音程から高いか低いかを判断して、瞬時に調整する能力が要求されるように思います。

 その正しい音程のイメージですが、スポーツに例えるならばモータースポーツやアルペンスキー競技の様に、決まったコースを如何に短時間でゴールラインを越えるか、という種目に似ている様に思っています。アルペンスキーの回転競技では斜面に立てられた多くの旗門をくぐり抜けてゴールを目指します。旗門を最短時間でクリアする理想的なラインがあります。しかしその理想的なラインで滑ることが出来る選手はほんの一握りです。下手な選手ほど理想のラインからは下に落とされて長い距離を滑ることになって時間がかかります。下手な選手ほど滑るラインが下に落とされて、というところが、下手な演奏家ほど音程が下がるということに重なって、なかなか良い比喩だと思うわけです。

 上手い選手ほど最短時間で旗門をクリアできる理想のラインのイメージを強く持っています。なので本番の前のインスペクションの時に旗門の配置を覚えて、本番前に何度もイメージトレーニングを行ってそれぞれの旗門に対してどのように入ってどのように抜けていくかのイメージを固めることが出来ます。下手な選手はインスペクションを行っても全ての旗門の配置を覚えることも出来ず、最低限覚えておくべき難しい旗門すら覚えきれず、本番には出たとこ勝負でスタートするしかありません。これでは旗門毎にどんどんラインを落とされて途中でコースアウトするのが落ちです。

 良い音程で演奏するには、何よりも自分自身の中にこれから演奏する楽曲の良い音程をイメージすることが重要です。そのイメージなしに何となく練習を重ねるだけでは、むしろぶら下がる音程を自分の中により強く固定するだけの様な気がします。そんな練習をするぐらいなら、むしろ他人の良い音程での演奏を徹底的に聞き込んで、それを手本として自分自身の中に良い音程での演奏のイメージを焼き付ける方が、何倍も何十倍も何百倍も何千倍も何万倍も、良いのではないかと思う次第です。