モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

名倉亜矢子さんの歌い方について(続)

2009年02月28日 | 気をめぐる物語

「かたち21」のHP




1月24日可喜庵での展覧会「やすらぎの贈りもの展」と、
名倉亜矢子さんのコンサートの記録をYou Tubeに投稿しました。
こちらからご覧になれます。
You Tubeの画面内の解説も読んでください。





先月24日に開催した可喜庵での名倉亜矢子さんのコンサートの終了後、
名倉さんを囲んでのパーティで疑問をぶつけてみました。
「ソプラノ」と聞けば通常は体躯の立派な女性像をイメージしますが、
名倉さんは小柄で全体に華奢な体つきでありながら、歌声はマイクを通さなくても、
教会のホールをいっぱいに満たすような豊かさと透明感で響き渡ります。
(昨年の12月21日の記事「名倉亜矢子の歌い方について」を参照してください。)
発声法に何か秘訣がありますか、という質問をしてみたのです。

名倉さんが答えられた中に「声を前方に向かって飛ばす感覚」といった意味のことがありました。
私はその中の「声を飛ばす」という表現が面白いと思いました。
特に「飛ぶ」という単語ですね。






声が飛んでいくというのは面白いと思いました。
それはまるで魂(霊)が飛んでいくイメージです。
声が向こうの方に飛んでいって、それで周囲の空間が生き生きとしてくるんですね。
別な機会に名倉さんは、「脱力」ということも言ってました。
とにかく体から力を脱いていくことを心がける、それがアメリカで学んだ歌唱法なのだそうです。

私の経験では、脱力すると「気」が発してきます。そのことから推測すると、
名倉さんが「声を飛ばす」のは、気を声の形にして飛ばしているのだと解されます。
つまり名倉さんの歌唱法は、気の動きということと関連していると考えられるわけです。
名倉さんの「ソプラノ」はそういうソプラノです。







「飛ぶ」という言葉からすぐに連想するのは鳥です。
それから、これは個人差があると思いますが、私の場合は「霊」というものを連想します。
「霊」とは何かといえば「飛ぶもの」であり、どこを飛ぶのかというと、
あの世とこの世の間を「飛び交う」、つまり自由に出入りするのです。
「あの世とこの世の間を飛び交うものを霊という」というのが「霊」についての私の定義です。
ケルトの妖精も、東アジアの「祖霊」もみんなそうです。

いずれにしても、名倉さんがケルトの古い民謡を歌ったりするのは、
私の理解では、それなりに必然性があるということになります。
つまり名倉さんはある意味、妖精が歌うように歌っているんですね。
そして最初に出したCDのタイトルが「やすらぎの歌」となっているのも、
やはりなるべくしてなったというところがあると思います。





名倉亜矢子さんのCD「やすらぎの歌」をお求めの方はこちらから




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レモンマートルは高いか?

2009年02月21日 | 食の愉しみ

「かたち21」のHP



〈2月7日の記事からの続きです。〉
うちの近所のお店では、レモンマートルのティーバッグを2袋126円で売っています。
それを聞いて何人かの人が、「ああやっぱり高いんですね」というような顔つきをされました。
しかし1袋63円そこそこで少なくともカップ3~4杯分はおいしく飲むことができるので、
市販のペットボトルのお茶や自動販売機の120円の缶コーヒーや缶紅茶と較べても、
うんと安いと私は思いますけどね。

最近は格差社会とかワーキングプアとかいった言葉が飛び交ってますが、
テレビの取材を受けた「ワーキングプア」とされる人が缶コーヒーや、
ペットボトルのジュース・お茶などを飲んでいたりするのを見かけることがあります。
私などはそういうシーンを見たりすると、
ずいぶん高価なものを飲んでるんだなと思ってしまいます。

あれらの商品の価格は、人件費とか地代とか設備投資とか宣伝広告費とか運送費とかで成っていて、
体に入ってくる飲料の原料費とか加工費とかはほんの2~3%でしかない、
ということを聞いたことがありますが、そういった仕組みで私たちの
「貨幣経済社会」というものが運営され、「雇用」がまかなわれているわけですね。

ちなみに我が家では、ペットボトルや缶ジュース・コーヒーの類いは
自分で買うのは年に数回程度で、よほどのことがない限り買わないことにしています。
外に出るときは、携帯用の魔法瓶にコーヒーやお茶を詰めて出かけます。
おいしさを味わうという点からもその方が有効です。
これはある意味では反社会的な行為ですが、
ものづくりを志す人の基本的な心がけであるとも思います。

レモンマートルよりはるかに安いティーバッグのお茶があると言われるかもしれません。
しかしそれを口に含むと「気が満ちてくる」というような感覚に浸れるようなことはありません。
「お金に換えられない要素」ということも、考えなければならないと思います。




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金子司さんの陶芸

2009年02月14日 | モノ・こと・ことば

「かたち21」のHP







2月7日付の記事で紹介した金子司さんは山口県萩市で活動している陶芸家です。
萩市といえば、「萩焼」というやきものがよく知られています。
萩焼は抹茶や煎茶のお茶道具の代表的なブランドで、
肌色に近い土の色合いがひとつの固定したイメージになってますが、
金子さんの作品はそれとはゼンゼン違っています。
いわゆる、伝統にこだわらない新世代の陶芸家ということですね。

金子さんの創作の面白いところは、
自然界の動きと人間の手の動きとを組み合わせて、美の世界を生み出しているところです。
しかも美のヴァリエーションをほとんど無限なぐらいに生み出していくシステムを
作り出しているというところがポイントです。観点を変えて言えば、
自然と人間の共同作業で美を作り出していくシステムを考案していくことに、
金子さんの創作性があると言えるでしょう。



 
(左)ティーソーサ (右)部分(ソーサの中央あたり)




例としてティーカップ&ソーサを取り上げると、
その模様は一見シンプルなストライプ模様のように見えます。
筆で描いてるんだろうと先入観で判断していたところが、そうではありませんでした。
色のついた液状の土がお皿の土の上を流れていくという自然の作用と、
それを皿の縁から中心へと方向づける作者の行為とが組み合わさってできているのです。



 
(左)ティーソーサ (右)部分




それが手で描いたものであってきれいに感じられると、
私たちはその職人技を褒めたりします。
金子さんの仕事には職人技の要素もありますが、
偶然の美しさ、もしくは自然の現象が作り出す美しさの要素ももう一つの柱です。
このことは、特にソーサの中心部あたりをクローズアップした
写真を見てもらえるとわかるでしょう。
このあたりが金子さんの創作のミソなんですね。




ティーポット



彼にはオブジェ系の創作もあります。
それについてもおいおい紹介していきたいと思ってます。



金子 司さんのティーカップ&ソーサとポットはこちらでも。




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5粒で500円のチョコレート

2009年02月10日 | モノ・こと・ことば


「かたち21」のHP




パッケージの表

パッケージの裏




5粒で500円のチョコレートを食べました。
北海道の六花亭のアーモンドチョコです。
写真はチョコレートを包んでいたパッケージの表と裏です。
がんに冒されたイラクの幼児たちが描いた絵なのだそうです。

500円のうちの400円がイラクの小児がんの治療費に当てられるということです。
「イラクの小児がん」って何?
最近テレビのニュース番組で、米軍がイラク攻撃で投下した劣化ウラン弾の影響で、
小児がんと白血病が爆発的に増えていると報道してました。
「劣化ウラン弾」と「小児がん」で検索してみるとわかります。

もうひとつの「バレンタイン」ですね。


詳細はJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)でどうぞ。



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レモンマートルと金子司のティーカップ

2009年02月07日 | 食の愉しみ

「かたち21」のHP




私は本来がコーヒー派なので、コーヒーであればインスタントのものでも文句ありませんが、
紅茶となると、以前には、どこがおいしいのかまったく理解できませんでした。
若いときにイギリスやインドで飲んだ紅茶はさすがにおいしくて、
紅茶はこの味という基準ができてしまったので、
日本ではずうっと長い間見向きもしなかったのです。
しかし最近は、上手に淹れた紅茶はそれなりに飲めるものだと認められるようになってきたし、
国内でも無農薬で栽培した茶葉で、イギリス・インドに比肩する
紅茶を生産する業者がおられることを確認しています。

さらに女性の間で人気が高いとか言われているハーブティーになると、
何度か飲む機会がありましたが、あまりインパクトを受けなくて、
つい最近まで興味が持てないでいました。
ところが今年に入って、「レモンマートル」と呼ばれるハーブティーに出会って、
私の中のハーブティに対する認識が一変したんですね。
というか、レモンマートルの味覚にはハーブティーのイメージを超え出る
一種独特の存在感を感じるのです。








レモンマートル(Lemon Myrtle)はオーストラリアに自生する植物で、
「シトラール」という柑橘系芳香成分を多量に含んでいるということです。
オーストラリアの原住民アボリジニは昔から飲み物や薬剤として利用していましたが、
白人が目をつけて商品化されるようになるのが1990年代、
日本に入ってきてまだ10年そこそこといったところのようです。

例によってヒーリング効果とか抗菌作用とかが宣伝の謳い文句になってます。
しかし私なりに表現させてもらいますと、シトラールの香りに品が感じられ、
口に含むと「気が満ちてくる」ような気分になれる、とても格調の高い飲み物です。
1月24日の可喜庵での名倉亜矢子さんのコンサートの後のティーパーティでも、
日本の三年番茶と、上述した「イギリス・インドに比肩する国産の紅茶」と一緒に、
レモンマートルをサービスしましたが、
名倉さんはじめ、参加された女性達のハートをしっかりとつかんだようです。



 



さてこのレモンマートルを心ゆくまで味わうには、
金子司さんのティーポットとカップがふさわしく思われます。
薄茶色の透明な液体が淡い肌色のカップの中を満たします。
レモンマートルの格調の高さとストライプ模様の軽快な気分が、不思議に合っているんです。
気が満ち、そしてさらにはずんでいくような感覚を、
ゆったりとした時間の流れの中で味わえます。







金子 司さんのティーポット&カップはこちらで。
3月末までにティーポットまたはカップソーサ(2客)をお買い上げの方には、
レモンマートルのティーバック2袋入りをプレゼントします。
是非お試しください。




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