今回は、11人の工芸家による展覧会「やすらぎの贈りもの’10――長く使って愉しむシリーズNo.6」展のお知らせです。
私も参加していますので。
企画されたのは、『かたち』という現代工芸の評論雑誌を編集・発行してきた笹山央さんという工芸評論家です。
工芸の世界を自分の足で歩いて、ずうっと見てきた人です
実は私も企画立案に参加しているのですが、7日の午後には「さろん」という催しがあり、
笹山さんのコーディネートで、ティータイムトークというのをやる予定です。
お茶とお菓子付きで、スプーン、フォークは出品者のうえやまともこさんという木工作家が作ったもので、
参加者にはお持ち帰りいただけることになっています。
うえやまさんは私のお気に入りの木工家です。とてもお得な「さろん」でしょう?
それから、笹山さんの話は一般の方にも興味深い内容ですので、是非聞いていただきたいです。
笹山さんは「かたちの会」というグループを主宰していて、11人の出品作家も、
「かたちの会」のメンバーが中心ですが、若手から40年近いキャリアの人まで、さまざまです。
「かたちの会」は「長く使って愉しむ」とか「ここちよく暮らす」ことをコンセプトにして、
作り手だけでなく、一般の使い手の方とともに作り上げていこうとする会です。
詳しくは笹山さんのブログや、 「かたちの会」のサイトをご覧ください。
日々の暮らしと「もの」を大切に考えている方の参加をお待ちしてます。
私は紬の着物や帯を300反近く織ってきましたが、
自分で着物を着るようになった15年ぐらい前から、
着物に欠かせないショールの気に入ったものがないことに気づき、
ときどき自分で織るようになりました。
男性にも好評の小幅のマフラータイプを含めると、100枚以上織ってきました。
まったく同じものは1枚もないんですよ。少しずつ違えて作ります。
ショールやマフラーが着尺より簡単ということはなく、
合わせ糸にしたり、房結びをしたり、これはこれで手間がかかって大変です。
でも使って下さっているところを見ると、
われながら「いいな~」と思ったりして、(←ジガジサン(>_<))
「またやるか!」と気合いが入ってしまうんです。
私自身、着物にも洋服にも季節を問わず使っています。
マフラーとショール
真綿の手紡ぎ糸は寒いときは暖かく、またウールと違って蒸れることがないので、
梅雨寒のころ、秋口の夜になると冷えてくるころに
バッグにしのばせておくと、とても重宝します。
旅先にも必ず持っていきます。
洗面器などで簡単に手洗いでき、使い込むとだんだん毛羽がとれ、
絹の光沢としなやかさが出てきます。是非手にとってご覧ください。
[価格は、ショール8万円~ マフラー4万円~ 草木染で手紡ぎ糸(絹)100%です]
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[笹山央さんについて]
笹山さんの文章と出会った当時、季刊で発行していた雑誌『かたち』は休刊状態で、
一人でFAXを使った通信文を定期的に送信していました。
最初に読んだとき、これほど工芸、ものづくりに深い思いを抱いている人がいるだろうかと思いました。
この文章(言葉)に私はお金を払って読みたいと思い、通信をとり始めました。
本質を鋭く、温かく突く文に出会うと、涙が出てくることがありました。
決しておしゃべり上手な人ではありませんが、そこが、
深く聴こうとする人にとっては自分も考えながら聴いてゆけるので、いいのかもしれません。
あまり自己PRしないのでただのおじさんにしか見えませんが、
隠れファンだという人が老若男女問わず意外と多いのですよ。
次回更新は、12月20日ごろの予定です。
中野みどりのHP