中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりが「紬きもの塾」を開講しました。このブログはその記録を中心に着物、工芸、自然を綴ります。

着物の来し方、行く末を詠む

2016年07月27日 | こぼれ話
片付けものをしていて見つけたのですが、30年近く前に銀座の呉服店「むら田」さんで、インドの古渡り鬼更紗の帯を購入し、その際にいただいた冊子、「きものの話あれこれ― 追想 村田吉茂」が出てきました(発行年が書かれてないのでいつのものと明記できないのですが、先代の吉茂さんの雑誌掲載コラムも収められています)。

その中に[「むら田」と母 ]と題された後藤田夫規子さんの寄稿文があり、その86才で亡くなられたお母様がむら田さんで着物をお作りになられていたようです。娘さんはあまり普段は着物を着ないご様子が文中から伺えます。
決して贅沢だったと思えないお母様であったとのことですが、遺されたたくさんの着物を前に、どう受け継げば良いかを逡巡されている文でもあります。
お母様の後藤田恵以子さんは短歌を詠まれる方で、いくつかの歌集から着物にまつわるものを選んでそこにあげておられます。
着物に対して厳しい目をお持ちだった村田吉茂さんへの追想とともに着物を通してお母様への追慕が綴られています。

着物をある程度知っている方、あるいは年配の方にしかわからない歌もあるかもしれませんが、一昔前の日常の中に、生きることとともにあった美しい布を慈しみ大切に着た時代が浮かびあがってきます。
そして僅ばかりとはいえ我が身の着物の来し方、行く末に思いを巡らせています。
大切に選び、大切に扱いつつとことん着る。自分で着れなくなったものはどなたかに継承してもらえるものはお譲りし、最後は着物の短歌か俳句の一首も残して終わりたい、、終われたらいいなぁ、、と思いました。^^;

作る人も、売る人も、着る人も真剣勝負でプロとして生きた時代にもう戻ることはできないかもしれませんが、忘れないでいたいと思います。
そして洋服の形であっても「着るもの」をおろそかにしてはいけないと改めて思います。
掲載されていた八首すべてをご紹介いたします。

・わが生もおおかた過ぎしと思いつつ今年の夏の着物ととのふ

・染めあがりし着物ひろげて部屋に居り冬の日のさす畳あたたかし

・おほ母の古き藍染めの麻ごろもけふ着て吾のいのちすがしも

・まれに来て銀座に立てば群衆の中に和服を着る人を見ず

・染料の樹皮煮るにほひ暑き日に黄八丈織る島にわが来つ

・一日にしばしば着物替ふるなど寒暑によわくなりしと思う

・老いてわが背丈小さくなりゆきて去年も今も着物をなほす

・少女の日着し菊模様のちりめんを媼わが着る半てんとして

                           後藤田恵以子


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第4回紬きもの塾ー真綿から糸をつむぐ

2016年07月16日 | 紬きもの塾’16


本日は染織コースの方が糸つむぎをしました。
本当にわずかな「真綿(2.4g)を1時間半以内でつむぐ」を課題としました。
そして着尺用の2~3倍の太さを目標にしました。一定につむぐのが一番難しい太さです。
全員が時間内につむぎ終えました。


やや!?太細のあるタイプの糸。


こちらは一定の太さをキープした糸。

4名の方の指導を順番につきっきりでしていると時々「あ~っ↓」と私がため息をついてしまうときがあります。

現代の暮らしは何でもタイマーやらお任せコースのスイッチポン!ですから、単純な道具を使いこなす訓練をしていないので、勘というか、全体と細部を同時に見渡し、瞬時に察知するようなことが少し弱いように思います。

ただ、終わりかけるころにはみなさんコツをつかみ始めましたが・・・

この糸は次回9月に染め、11月によこ糸として使います。どんな風合いの布になるのでしょう・・^_^



午前中に塾の準備をしながら、ヘンプのシーツや肌襦袢、ステテコ、蚊帳生地汗取りなど曇り空の中で洗濯をしましたが、やはり乾きが早く、この時期は麻に限ります。ラミー麻の長襦袢も炭酸塩で洗いサッパリしました。麻は抗菌性もありますし、毎回洗う必要はありません。水も無駄にしたくはないですから。汗だけの洗いには炭酸塩(絹には不向き)はすすぎも楽で本当にオススメです!!

糸つむぎ終了後には汗取りのバイアスに縫うやり方の説明もしました。
前回のヘンプの伊達巻の運針で力がついたようで、汗取りに挑戦する人も出てきました!

紬塾でなぜ運針?なぜヘンプ?と思う方もあるかもしれませんが、みんな一つながりのものと思います。

今日は参加していなかった方ですが、前回の運針の宿題を自宅でされた方がメールをくださいました。
写真と共に一部ご紹介します。

「教えていだだいた麻の伊達締めですが、家に帰ってから2日がかりで
3回やり直し、無事完成しました! 写真を添付させて頂きます。



もっと運針したいなと思い、古い着物を解いたものがあったので、
袷の時期の襦袢用の替え袖を縫ってみました。なかなか真っ直ぐには
縫えませんが、練習したらスピードは速くなりそうです。



前回の先生のお話にあった、着物をコートなど別の用途に着回すこと、
古くなった布を小さく切ってヒモや風呂敷にすることなど、私の祖母や
親の世代まではわりと普通に行われていたことだったのかもしれません。
他の方からお話があった、ハタキや、先生がおっしゃっていた布団や
座布団のがわなど、実家にはたくさん使い回しているものがあったなと
思い出しました。その知恵と技術を受け継げていないのが残念です。」


みなさん本当に真摯な姿勢で紬塾に参加して下さりとてもうれしく思います。
私もため息ついてないで頑張りま~す! 








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武蔵野美術大学特別講義「紬きもの塾移動教室⑦」

2016年07月06日 | 「紬きもの塾」移動教室

黒い紙に綾振り状にして巻かれた糸。


横から見ても美しい!!


真っ直ぐな巻き方もきれいです。


みなさん無心で繭から糸を引き出しています。

先月、武蔵野美術大学工芸工業デザイン科テキスタイルの学生に特別講義をしてきました。毎年、遠くて朝早くて大変だな~と思いながら、かれこれ7年になります。
いつものように絹糸の根本の話から始まり、染め、デザイン、織り、そして着物を着ること、着物をたたむことまで話しました。

親も祖父母も着物を着ない。
振袖や浴衣を着るくらいでほとんど着物とは無縁に育ったわけですが、今年のクラスも「紬」という言葉を知っている学生はほとんどいませんでした。


自分の半幅帯を持ってきてくれた学生に私の紬を着てもらいました。
そばで見ているスウェーデンから来た学生も一度見ただけでほとんど自分で半幅を結びました。
時間がありませんのでさっと纏ってもらうだけですが、二人とものみこみが良かったです。そして何より嬉しそうでした。
紬や麻、木綿の着物を着ることは誰でもできます!


着終わってから、着物を包んできた畳紙の上でたたみ方も見てもらいました。
教室の机の上の狭い場所でも、あの大きな着物をなんなくたためるのですから着物の仕立ての奥深いところです。

講義の始めはなんとなく聴いている感じですが、、、繭から糸を繰り、真綿をつむぎ、草木の色に触れ、紬の着物を着ることを目の当たりにし、狭い場所でもコンパクトにたためる着物の合理性を知るころにはみなさんの表情が確実に変るのを感じます。

素材や技術の話も大事ですが、使う文化があってこその着物、工芸、美術、モノです。
本当の意味で「使える」「使う」ということは作ることと同様に厳しくもあり、高度な感性も必要になります。

「作る(創る)」こと、「使う」ことは「生きる」ことそのものです。そして何より自分を高め豊かにしてくれる楽しみでもあります。

短時間ではありますが、作ることの根本から、使うことのトータルな話をしてきました。学生のみなさんの今後に役立ててほしいと思います。
 
終了後、講義の感想をまとめたものを送ってきてくださいました。
それぞれが特に印象に残ったことを書いてくれていますが似た感想が多いので、その一部をご紹介します。















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草木の色は無限

2016年06月29日 | 制作工程
 

身近な植物を煎じていくと、赤と黄色の色素が出てきます。
植物によって赤が多いもの、黄色が多いもの、その両方が拮抗しているもの、あるいは同じ植物でも部位によって、また煎じる回数、煎じ方によって赤味、黄色味の違いがでるものもあります。
数種類の植物からたくさんの色相を得るには、それらのことを考慮しながら染め分けていきます。

今月はヤマモモを中心にたくさんの色を染め分けました。
もちろん媒染剤の違いもありますが、部位の違い、煎汁の違い、同じ染液を染重ねていくなどによりかなり違いのある色を得ることになります。

一本のヤマモモの木の小枝や葉や少し太い枝の樹皮だけ、あるいは芯材だけと分けて染めたりもします。
またヤマモモの無媒染の色も私は自然な柔らかな色でよく使います。
染重ねていくと灰味が顔をのぞかせてきて、鉄媒染のグレーとは違う微妙な奥行きのある色合いになります。特に葉っぱに少し黒味も含まれているように思います。黒味も重要な色の要素です。その黒味が濁らず、深味になったところで染重ねをやめないといけません。

また、被染物としての糸や布の性質により、染めあがりの色が違うのは言うまでもありません。
どのような精錬方法かによってももちろん発色は違います。それも視野に入れて染を展開すると更に無限の色が染まるわけです。

そんなわけで、桜の色は何色かと問われても私には答えられないのです。
桜は桜としてその地で生きていくために地中から養分を吸い上げ、必要があって花を咲かせ、種を残すために葉を紅葉させ、落とし、来年へと繋ぎ生き抜いているわけです。

その枝葉の一部を私たちは使わせてもらい、身を包み、身を飾るためにその成分を糸や布に移します。
自然の営みを受け手もよく理解した上で使わせてもらいたいものです。私もまだまだ勉強不足ですが。。

人が“美しい色”と感じるのは何なのか・・・

あるファストファッションメーカーが30色の多色展開の服を広告に上げているのを見たとき、私にはある種の一色にしか見えませんでした。
奥行のない同じ性質のすぐに飽きのくる色の羅列にしか感じられませんでした。

草木で生き生きとした色を染めさせてもらうことを続けていますが、飽きることを知りません。
創意工夫を重ねていくと、毎回新たな発見が有り、心から美しいと思うことが多いです。もちろんうまく染められる時ばかりではありませんが。。。

草木の生木の状態での染色は何分煮るとか何%の染材、媒染剤でできるものではなく、絶えず状況を観察した経験を積みかさね、素材と実践で得られた知恵や経験則、環境や状況がいろいろ絡み合ってその時に生み出されてきます。
私は細かなデータを記録することにあまり興味はなく、どんな色が生まれるだろうかという毎回新たな発見への興味のほうが強いです。
また自分の思い通りにならない色をどう扱えるかがだいじです。思い通りの色などないのだと思います。

あとは織物であればそれらの無数の糸の組み合わせから生まれてくる色、紬糸であれば太細やネップなどの立体感による陰影からも色は生まれてきます。紬織りの糸染の色は平絹系の先染、後染とも違います。

色自体がもつ奥行き感と、糸や布の違い、光線の違いによって複雑に絡み合うのが色です。
色名や色の記号番号にとどまることはないわけです。

また、着物の場合は着る人によって、同じ着物が全く違ったように見えることもあります。
取合せの帯や小物でも違った雰囲気を呈します。

人種などの瞳の色によっても色の識別に違いがあるとのことですから一括りに色については語れないかもしれませんが、外国の方たちにも作品や糸を見てもらうことがありますが、みなさん一様に目を輝かせてその美しさに驚かれます。

トップ画像は右から9枚はすべてヤマモモで染めた帯揚げです。微妙な違いの色で写真には写しきれませんが、モニター画面を少し動かしてご覧頂くのも面白いかと思います。

薄い色でも灰味のあるなしで、着物の取合せの印象も違ってきます。
陰りのある色は秋の陽光の中で取り合わせていただくのも良いかと思います。


6月~9月にかけての絽目の帯揚げは灰味の少ないクリアーな色も染めています。
こちらの画像は左から、白樫、桜若葉、桜若葉、残り3枚は梨です。

美しい色やものは自然の理と深く関わっています。
梅雨空の中でも自然の色は心を和ませ落ち着かせるものですね。

これらの帯揚げも櫻工房内でご覧いただけます。
美しいものについて語り合えればと思います。
ぜひご予約の上、ご都合のよい時にお出かけください。

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「中野みどり紬の会 ’16 夏~秋 ー 紬から始めよう!」工房展

2016年06月22日 | 紬の会

                                     秋単衣の装いに…

終了しました。ご来場くださいました皆さまありがとうございました。

今週末25日(土)~30日(木)まで、「紬の会―紬から始めよう」可喜庵展に引き続き櫻工房内でも展示をいたします。詳細はこちら→
盛夏から秋に備えての装いをご覧ください。
工房内ですので、たくさんの草木で染めた糸をご覧頂いてのご注文、ご相談も対応させていただきます。 

また、お手持ちの着物や帯の取合せも櫻工房の紬とも取り合わせていただければ嬉しく思います。
先日の可喜庵の時にもスマホに着物や帯の写真を収めてきてくださった方もありましたが、できれば実際の着物や帯と合わせるのが一番で、ハギレでもいいので布をお持ちいただくのが良いかと思います。

そして何よりこれから紬の着物を着たいと思ってらっしゃる方には長襦袢、下着のことなどのご相談も承ります。

小物としてはヤマモモの生の枝葉を利用してたくさんのグレージュ系帯揚げも染めているところです。
トップの取り合わせ画像は白っぽく写ってしまいましたが、グレーベージュのとても大人色です。。。

また、前のブログでもご紹介いたしましたが、林まさみつ作の竹バッグ(11万~18万円)、小川郁子作の切子帯留め(3万円~)もセレクトさせていただいたものがございます。いずれも技術、センス、とても秀逸な作品です。ご注文も承ります。合わせてご覧下さい。


前にご紹介しました生平(麻)も夏には涼しげですが、茶系のものは秋口にも良いですね。


紐通しの紐は何気にかわいいです!!

また、大変ご好評をいただいております麻福さんとの共同企画のヘンプのローライズステテコと、お待たせしております肌襦袢(6月25日から販売開始)、蚊帳生地タオルも販売いたします。
肌襦袢はインナーには勿体無いくらいの良い作りです。今までになかったものです。サンプルもございますので手にとってご覧ください。
詳細はこちらもご覧下さい。→


ローライズステテコは使用後にアンケートに答えてくださいましたみなさんによりますと、着物下だけでなく、スカート下、パジャマのパンツとしてご使用くださる方もありました。肌触りが良いという感想が多かったです。私はもうこれなしには生きていけない、、ぐらい^^気に入ってます!

抗菌性や消臭性にもヘンプは優れていますので、これからの季節は特に良いです。
また、ヘンプ蚊帳タオル2本でバイアス汗取りを作って使っていますが、これもおススメです!!綿状の汗取りよりも通気が良く、蒸れにくいです。作り方もご説明いたします。

バイアスですのでフィット感がいいです。運針ができれば縫えます!

タオル2本使いますがM~Lの方ですと少し布があまります。私はキッチン布巾として縁をかがって使うことにしました。乾きがとても早くて衛生的です。

いろいろ盛りだくさんになってしまいましたが、紬の着物に関心のある方はお気軽にお出かけください。

手狭なため恐れ入いりますが、ご予約の上(当日でも可)お越しください。(10時~17時)

わざわざ工房までお越しいただきますので、もしお気に召していただくものがございましたら紬作品はじめ小物類も工房割として5~8%OFFで販売させていただきます(一部除外品有り)。

草木染め、手紡ぎ糸による着尺70万円~、帯は29万円~、ショール(8万円~)帯揚げ1.3万円~です。お仕立ても承ります。

工房へは小田急線鶴川駅からバス(10分)、またはタクシー(1,200円ほど)でお越しください。
ご希望の日時をご連絡いただきました折に道順など詳細はお知らせいたします。
詳細、ご予約、お問い合わせはこちらから。→
お気軽にお出かけください。お待ちしております。



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第3回紬きもの塾 「とことん着尽くす・麻の伊達じめを縫う」

2016年06月13日 | 紬きもの塾’16

先週末は紬塾が行われました。
「とことん着尽くす・麻の伊達じめを縫う」として、着物の更生や、その実例を見てもらったり、日常の暮らしの中でもものを大事にしていくことなど、みなさんが普段気をつけていることなどにも話し合いました。

上の画像の手にとっているものは、母が戦争中に、亡くなったおばが織った着物地から上着に作ったものです。
食べるものは田舎で土地がありましたのでなんとか自給できましたが、布が手に入らず本当に困ったといってました。
緑色の紙風船の柄の風呂敷は母が小学校の時に父親に買ってもらい着ていた銘仙の着物から作ったものです。
父親が早くに亡くなり、母にとっては数少ない父親の思い出に繋がる着物だったのでしょう。
銘仙は弱いから擦り切れるとは言っていましたが、この古い着物を80すぎで亡くなるまで、こうして風呂敷の形にして置いてありました。他にも座布団側や、枕、腰紐などにもして使い切りました。

着物の小幅は接ぎ合わせることで、大きな風呂敷にもしていけます。二幅、三幅、四幅など、布団を包むものも古布を利用してせっせと縫っていました。
広幅で買えば安いのですが、小幅を接ぎ合わせていく合理性もいいものだと思います。
接ぎ目には縫い代を二目落としにして、落ち着かせてあります。日本の知恵、美意識、手業が感じられます。
小幅は正座での仕事において扱いやすいですし、広幅から型紙で作る着物とは全く文化が違いますね。

真ん中にある毛糸の編み物は、古毛糸を繋ぎ合わせ、2本取りにして、孫のおくるみや、ひざ掛け用に編んだものです。私たちにも編んでくれたセーター等、解いて、カセにして、洗って、また毛糸玉にして編んだものです。

紐も腰紐に使えそうな生地や、布団をベランダで干す時にくくり付けるためにたくさん作っていました。プラスチックの布団バサミを使えば簡単なのにです。

奥にあるビニール袋に入ったものは裂き織り用に母が布団側などを裂いて残してくれていたものです。自分の仕事で手一杯で、裂き織りに専念する時間がもてず、たくさん置いたままになっていますが、いつの日か敷物にでもしたいです。

何でも使えるものを使い切ることが気持ちが良かったようです。
擦り切れるまで使う喜びが感じられました。
とにかく古い布を大事にした人でした。
でも新しく買うときにはよいものを選ぶ人でした。

布だけでなく、水や電気、ガスなども大事に使いたいものです。
これから特に活躍する炭酸塩のお洗濯についても説明しました。すすぎが楽です。


恒例になりました麻の伊達締めを縫う時間です。
今期の方にはヘンプの端切れを利用してもらいました。
広幅のハギレですので、二人ひと組になって、地の目を通してハサミを入れ、生地を半分にしていきました。
地の目が通っていると、縫い上がりが綺麗です。

一見できそう・・・

そして運針の時間です。
前回皆さんに「運針はできますか?」と尋ねると、和裁をしている方もいますし、まんざらでもなさそうな感じでしたので、今回は楽勝!と思っていました。
しかし、、、^^;汗だくになりました。
どなたかの、いい汗ではない・・というつぶやきも聞こえてきました。

和裁教室でもあまり運針には力を入れてないようですね。
布を針ですくっているやり方で、あれは運針ではないですね。

いろいろ縫わなくてもいいので、基本縫いをみっちりやると、あとは応用だと思うのですが。。。

来年は作戦を変える決意をいたしました!




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「紬の会’16ー紬から始めよう」(可喜庵)ご来場ありがとうございました!

2016年06月07日 | 紬の会




「紬の会」(工房展)は6月25日(土)~30日(木)です。
ご予約の上、ご来房ください。


可喜庵での「紬の会」無事終了しました。
ご来場くださいました皆さま、サブコーナーへご出品くださいました林まさみつさん、小川郁子さん、瀬沼健太郎さん、桶谷寧さんありがとうございました。

今回特に印象に残ったいくつかのことがあったのですが、一つだけお話したいと思います。

会場に活けられた小さな花が、人の心に何かを語りかけたと思われることがありました。

瀬沼健太郎さんのガラス器にかたちの会代表・笹山さんがどくだみの花を生けようとしていたところ、展示をご覧になられ帰りかけたお客様の目に触れ、もう一度戻って、私の織った卓布とともにガラス器もお買い上げいただきました。私は他のお客様と話をしておりその場は見てはいなかったのですが、その方は初めてお会いする方で、作品はゆっくりご覧になられていましたが「着物は着ません」とおっしゃられていました。
お母様の選んでくださった着物はあるけれど、故郷に置いてあるそうで着るつもりもなさそうなお話でした。ご自分の好みにも合わないようでした。

でも布とガラスの器とどくだみの花、そしてそれを取り合わせて出来上がった空間に心を動かされたのだと思います。
それは好きな布を見出し、他の素材と組み合わせ、季節を添えて創る世界、着物の取合せの愉しみとなんら変わりのないものだと思うのです。

そしてなんとミニ紬塾にも当日お申込みくださり、ちょうどキャンセルされた方の代わりにご参加いただきました。
帰りには「夏に故郷へ帰り、タンスの中の着物をもう一度確認してきます」とのことでした。
ぜひものの美しさ、自然の美しさを大事にして紬の着物も着て頂ければ嬉しいです。


竹バッグ/林まさみつ作


切子帯留め/小川郁子作


ミニ紬塾では長く着られる単衣紬について糸や取合せ、下着などの話をしました。
蚊帳生地タオル(ヘンプ、リネン)で作る汗取り伊達巻の作り方も説明しました。
みなさん全く着ない方から、初心者、上級者まで熱心に話を聞いてくださいました。
時間オーバーで私も一生懸命話を致しました。



櫻工房内でも下旬にセレクトしましたもので展示をいたしますので、ぜひご来場ください。






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[「紬の会’16春・夏――紬から始めよう」のお知らせ④

2016年06月01日 | 紬の会

      
可喜庵での「紬の会」終了いたしました。ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。
今月下旬に工房でもセレクトして引き続き展示をいたします。詳細は後日お知らせいたします。    
                                                       

明日午後1時からの「紬の会」6月2日(木)――6日(月)内容の4回目の最終お知らせです。
アクセス、お申し込みなどの詳細はこちらから。

今回のサブテーマは「紬から始めよう」としました。紬と言っても様々ありますが、手つむぎ真綿系紬の特徴や心地よさを知っていただきたく、糸のこと、風合いのこと、いろいろお話ができればと思っています。
ミニ紬塾では今の季節に向く単衣紬や、3シーズン対応できる単衣紬のことなど具体的に帯の取り合わせなどとともにご覧いただきます。

 
また、蒸し暑い時期にお使いいただける蚊帳生地タオル(麻福製)を使ったバイアスに縫っていく汗取りの作り方(上の写真)もご説明します。東北の岩田帯(腹帯)の作り方からヒントを得ました。

これとヘンプのステテコ、肌襦袢があれば鬼に金棒!です。!
すでにご使用いただき、アンケートにお答えくださった方々からはとても好評をいただいております。
会場での販売もしております。肌襦袢はサンプルはありますのでご注文を承ります。

ミニ紬塾はまだ受付可能ですのでお早めにお申し込みください。
定員に達しましたので締め切りました。6/3追記
塾は展示スペースと別室で行いますので展示のみをこの時間帯もご覧いただけます。

たくさんの着物を持つことももちろんよいのですが、一枚の紬を長く着続けていくのもいいものです。
単衣から袷に、袷から単衣に、帯や羽織や襦袢、取り合わせの小物を替え、そして自分自身の成長、変化とともに、一生をかけて付き合っていく着物。
ただ少ない着物をやりくりするにはそれなりに知恵や工夫、見識も必要かと思います。
そんなことも一緒に会場でお話ができればと思います。
これから着物を着始めたいと思っている方も是非お越しください。

手つむぎ糸、手織りの着物はそれなりに高価になります。始めるには他にも襦袢や草履や帯や小物たち、羽織、コートもあり、大変です・・。私も着物は自作のものがあるとしても、帯やその他揃えるのも大変でした。でも工夫次第で質は落とさず予算を抑えることもできますのでご相談ください。
上質の紬は一生使えて、次の世代にも手渡せるものです。精神的やすらぎを考えても一概に高いとばかりは言えません。数字だけではない付加価値もあると思います。

作品価格は工房作品は1~2割価格を抑えてありますのでお好みが合えばお得です!
また今回初めてのことですが、私が40歳前後に着ていた紬をどなたか後を引き継いでくださる方にお譲りしたいと思っているものがあります。片隅に置いておきますのでお声をかけていただければと思います。

さて!待ちに待った小川郁子さんの帯留めも届きました!!
本当にお忙しい中、紬の会向けにもご協力をいただきました。点数は少ないのですが、取り合わせのアイテムとしてご覧いただければと思います。
早速上の写真は単衣向け紬に単衣・夏用帯を乗せ取り合わせて見ました。帯留めはトパーズのような色です。強すぎずとても日本的なものです。それぞれ異なるものが自立していて調和している状態。シンプルな真四角も普遍的形ですが、可愛いですね。紫の帯揚げを添えて花菖蒲のころの装いにいかがでしょう。
今回は他にも涼しげなブルーや紫などがあります。溜息が出ます。

他にも前回ご紹介した、林まさみつさんの端正で美しく堅牢な竹かごバッグ、草木染め帯揚げ、帯締め、後染めストールなどの身を飾る取り合わせの品々。
小さな布額、卓布、お洒落なガラスの小品(瀬沼健太郎作)など、お部屋を飾る品々もあります。経ては紬糸、緯糸はヘンプ(大麻)で織った暖簾(垂れ布)も仕上がりました。贅沢なものではありますが、通年お使いいただけるタイプです。半間の間口に1枚だけ使うのもよいと思います。通る時の邪魔にならず、すっきりします。ちょっとした間仕切りの役目になります。1枚売りします。サイズは約39.5×160cmです。2枚つないで帯にしたいと言っている人もいますが・・。

そして曜変天目茶碗再現の第一人者、桶谷寧さんのぐい呑みや抹茶碗も手にとってご覧ください。かたち塾では貴重なお話が聞けると思います。まだ受け付けています。

鈴木工務店さんの江戸末期に建てられた「可喜庵」は落ち着いてくつろげる空間です。かたち21とは「長く使って愉しむ」という一致したコンセプトがあります。
ぜひゆっくり時間をとっていらしてください。お待ちしております。



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「中野みどり紬の会 ’16春夏 ー 紬から始めよう」お知らせ③

2016年05月25日 | 紬の会




6月2日からの紬の会の準備を進めていますが、着尺、帯以外のものを一部ご紹介します。

昨年に引き続き、別府の竹工芸の林まさみつさんから新作のバッグの画像が送られてきました。
個展が続く大変お忙しい中、紬の会向けに巾着の布も新しい試みをしてくださいました。
手績みの麻糸で織られた生平を使ったものです。下の写真で少し繊維の濃淡のニュアンスがおわかりいただけるでしょうか?野趣のある布です。涼しげです。
紐の色もベージュ、ライトグレー、ブラウンがあります。

きものの取り合わせの邪魔になることもなく、添え物の布でもなく、存在感をもって装いを高めてくれるように思います。

籠自体も本当に丁寧にしっかり作られていて、紬の着物と擦れあっても滑らかな作りですので、使っていても安心感があります。
昨年お求めいただいた方が、洋服の時もしょっちゅう使っています!とおっしゃられていました。

上の写真のサイズは、300×120×155(奥) 280×95×135(手前)
価格帯は110,000円~180,000円です(本体価格)。サイズは280×95×135~340×105×190です。

画像では十分にはお伝えしきれません。ぜひ手に取ってご覧ください。


帯揚げも仕上がってまいりました。生地は丹後縮緬の上質のものです。
光に当てるとキラキラ輝いています。
この染は草木の生葉と化学染料を少しかけたものです。


こちらはカキやサクラ染め。


こちらはリンゴとサクラ染め。絽縮緬です。真ん中はごく淡いピンクです。


後染めストールもあります。銀のビーズ、天然石のビーズも付けました。


帯や着尺の織り始めにいろいろ糸を入れ、本番に向けてなんとなく織ってみるのですが、その端っこの布も案外面白いのです。
本番には全然違った感じになることが多いのですが、そこへ行き着くまでの大切な序章なのだと思います。計画的な感じではないのですが、何かが生まれてきそうな予感が感じられます。その小さな布に岸野承作「雲水」を置いてみました。
この布は帯をつなぎ糸で織って見たいと思い、紺と白の糸を繋いで織りました。
自然発生的にジグザグが生まれます。見る人が何かに見立てて見るのも面白いです。


こちらも帯の端布です。瀬沼健太郎作のガラス瓶を置いてみました。オブジェとして花を活けなくてもよいですし、小さな花や葉、小枝を一輪挿すのもいいですね。

こちらは着尺の端っこです。庭のドクダミを挿してみました。

他にも瀬沼さんからこれらの布や袱紗と合うような小さめのガラスの瓶などが届きます。
家の中に小さなスペースを設けて飾っていただければ・・と思います。
ぜひご覧下さい。

他にもまだ制作、準備中です。

紬の会の詳細はこちらから。


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第2回紬きもの塾「糸の力、色の神秘」

2016年05月22日 | 紬きもの塾’16
                                        ある一時期(20年ほど前)の桜で染めた糸を見てもらいました。

昨日は紬塾の2回目でした。

まずは繭を成す蚕の糸の根源的力を知ってもらうためのワークショップなどを行ないました。

春繭だから、生繭だから、節糸だからいいということではなく、それらをどのように生かせるかを見極められるかが重要。

そのあとは身近な植物に潜んでいる色の神秘に触れてもらいました。
自然は何を語っているのか・・身近な植物の多くが、黄色系、赤系を宿しています。
どちらに傾いているかはいろいろな条件で様々です。

桜は何色を見せてくれるのか、私は“何色”と語る言葉を持ちません。
既存の色名や、数値化された色に興味はありません。

見ているみなさんにも「これらは何色といえばいいですか?」と聞いてみましたが返事はありません。
ただ、「ワー、綺麗・・・」と、その美しさに魅入られているようではありました。

経と緯が織り成す色も固定されたものではなく、季節によって、光線によって変化して見えるものです。

何パーセントの染材や媒染剤、何分の煮出しも固定されたものではありません。
自分が発見、気づいていくものです。状態をよく観ることです。いい状態を見極めること。

染め上がった糸をどう生かし布にできるか――も自然との関わりの中で生まれてくるものです。
自分がどこまで固定された囚われや雑念から自由で、自然体でいられるかが良い染め、よい織物を生み出せるかにかかっていると思うのです。




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