中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりが「紬きもの塾」を開講しました。このブログはその記録を中心に着物、工芸、自然を綴ります。

櫻工房展「紬の会'17―着る愉しみ」お知らせ その3

2017年05月24日 | 紬の会
 
                桜染め縞単衣着物「野薔薇」+灰緑段帯「緑蔭」

先日の大塚文庫展で着ておりました、桜染め縞単衣着物「野薔薇」は織で使う経糸で洒落紋を入れていただいたものです。
野趣のあるバラにしてくださいと10色ほどの糸をボール紙に巻きつけ職人さんにお渡ししましたが、快くお引き受けいただき、紬として違和感ない感じで上がってきました。

着物の地糸は桜のアルミ媒染による赤みを含んだ黄茶で、細い縞は灰汁媒染による赤茶で織り出したごくシンプルなものです。
タテ・ヨコ節の少ない玉糸だけで織った試織用の着尺を自分用にしました。
バラは春、秋、二度咲きますのでサラッとした春、秋単衣にしています。
真綿系が普段は中心ですが、こういうのもまたやってみようかと着てみて思いました。

 
工房の桜の若葉もいつの間にか鬱蒼として木蔭を作ってくれています。

「緑蔭」と題した帯は、細めの真綿紬糸と太い節糸を使い、平織りと七子織の段です。
着尺を織った後に帯を織れるよう長く整経したものです。
この帯はグレーとベージュの組み合わせで何気なくて気張らずに様々な紬に馴染んでくれてこころ強いです。
帯芯が薄めの仕立てで始めは締めにくかったのですが、手が慣れたのかそれなりに締めやすくなってきました。
ちなみに本体の着物は単衣に仕立て、お客さまの元へ。この時期お召いただいてますでしょうか?
ホムページの着姿ページを少し更新しておりますのでこちらもご覧ください。

紬も様々な糸使い、撚糸、練り加減で四季を通して創ることも出来ます。
ただ、経てに生糸(絹糸)だけの紬(?)を織ることはしませんが。。。

礼装や、いわゆる染めの生地と違い、洒落着の紬に関しては一枚の単衣着物を帯を替え、小物を替え、襦袢を替え、羽織を替え、長く着て愉しむのもよいことです。
ただ、紬は染生地以上に糸質、太さ、織密度も様々です。
生地によって色によっては、袷向き、春秋単衣向き、3シーズン着られる単衣向きなどそれもいろいろです。

この気候変動の中、未だに単衣はいつから?などの決まりごと??にこだわっているのは、生地質を見ていないのではないのでしょうか?
洋服でも地厚の麻のシャツは重ね着などして長いシーズン着ることが出来ますし、麻と言っても様々です。
洋服の感覚も参考になります。五感と季節感と大事ですよね。(^_^;)

今週末からの工房展「着る愉しみ」ではこんなことも含め、いろいろお話ができればと思います。
ご予約はこちらから。

※28日(日曜)の4時頃から軽くビールやお茶など飲みながら「紬談義」(会費1,000円)をしませんか? (展示スペースはこの時間もご覧いただけます)
こちらも予約フォームから「紬談義」明記の上、お申し込み下さい。


桜の木の根元にある楚々としたヤマアジサイも花を咲かせてきました。
梅雨入り前のひと時、ご来房お待ちしております。(*^^*)





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櫻工房展「紬の会'17-着る愉しみ」お知らせ その2

2017年05月19日 | 紬の会


27日(土)~6月1日(木)まで行う工房展「着る愉しみ」お知らせ(その2)です。

紬織の白は光の反射もあり、何色とも言い難いのですが、人の肌に沿うような、それでいて凛とした清浄さもそなえた感じです。
白い帯も織りました。
この帯はヤマモモをごく薄く染めてあり、青味に写っていますが、かすかにベージュを帯び、冷たい白ではありません。
画像ではその不思議さを伝えられませんが、、。真珠の色が光の反射でいろいろに見えることを思い浮かべていただいても良いかもしれません。
単衣、袷着物に小物の取り合わせで季節や場に合わせてお愉しみ頂けましたら幸いです。


帯の上には小川郁子作帯留と三分紐を置いてみました。
みなさんはどんな色の小物を合わせますか?帯留もいいですし、変わり組の帯締、ぼかしなども無地系の帯に映えますね。
白やアイボリーは何でも合いそうですが、、ものの質感、空気感、存在感ということもありますので何でも・・とはいかない究極の取り合わせかもしれません。

工房展では、座繰り、真綿手つむぎ糸、草木染めによる紬着物、帯をメインに、小物類の帯揚げ、帯締めなどを展示販売いたします。
ショールは秋冬向きのダーク系のみ在庫があります。

大塚文庫では展示していませんでしたが、工房コレクションの染帯、織帯も取り合わせとしてご覧頂きたいと思います。

 シボが小さい絽東雲帯揚げも。。

草木染め帯揚げや草木染紬に合う色相の帯締め三分紐なども用意しておりますので、お手持ちの着物や帯、端布をお持ちになられて合わせて下さい。タイムリーな単衣、盛夏用の帯揚げもあります。夏向きの鮮やかな色目のものあります。
この工房展示限定として、帯締め、草木染め帯揚げに関しまして10%OFFとなります。


竹バッグと帯留めも点数は少ないですが、私の紬と特に相性の良さそうな、伝統的でありながらも現代感覚をそなえたものを厳選させていただいてますのでこちらもぜひご覧下さい。

上の写真は林まさみつさんの誠実、実直、上質な手仕事です。ヒゴを作るだけでも大変な作業だと思います。
先日お客様が、このバッグの価格は仕事と照らしても決して高くないとおっしゃられていましたが、私もそう思います。

以前の竹バッグのブログ記事もご参照下さい。


手績みの麻糸で織られた生平(麻)を使って作っていただきました。袋の仕立もとても美しいです!紐の色はお好みで替えても良いですね。

竹バッグ、帯留め共にご注文も可能です。

相談事はなくても着る愉しみを語り合いたいと思いますので、是非お気軽にお出かけ下さい。


ご予約は10時から16時までの受付となります。

予約専用フォーム、またはメールでご希望の良い日時をお知らせ下さい。
幅をもたせてご予約頂けますとありがたいです。
ご相談ごとのある方は内容を備考欄にお書き添え下さい。 

展示スペースは手狭なため、ご相談の予約が重なった場合は、時間の調整をしていただくことがあります。予めご了承ください。

駐車スペースは1台分あります。お車の方はその旨もお知らせください。
ご予約時に折り返し、鶴川発のバスの時間や道順を担当からお知らせいたします。
タクシーですと1,000円ほどです。

不明な点などもお気軽にお問い合わせください。
ご予約と詳細はこちらから。



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櫻工房展「紬の会'17-着る愉しみ」お知らせ その1

2017年05月16日 | 紬の会


櫻工房展「紬の会'17-着る愉しみ」は今月27日(土)~6月1日(木)までです。

こちらでは作品をご覧頂くだけではなく、上質の紬を着ることに関してのご相談ごとも受け付けます。
一人ひとり、着物に関しての状況、思いもいろいろだと思います。その方のニーズにあった「着る愉しみ」をご一緒に考えていければと思っています。
そのことについて少し例を挙げご説明します。

先日紬塾の方から、人から頂いた小紋の着物を「自分で着物として着ることはないけれど、どうしたらよいか・・」という相談を受けました。
その方が持ってらっしゃる草木染めの単衣紬に、柄いきとしては合いそうな感じでしたので、ごく薄い色をひと重ねしてクリアすぎる生っぽい色を落ち着かせ、単衣羽織に仕立てることを提案しました。
ただ、着物から羽織へ仕立て替える場合は襟に剥ぎができます(上の写真)。


ごく淡い赤味の白茶(柿の枝で染めたような)を掛けてもらっただけですが、真っ白だったところも浮かなくなり、濃いピンクも落ち着き、悉皆の方はこんな少しの違いでいいのか心配されていましたが、ちょうど良い結果が出ました。掛けると掛けないでこれは大きな違いです。ご本人も初めての単衣羽織にとても満足されているようでした。肩すべりは着物に付いていた八掛を使いました。八掛としてそのまま使うことはなさそうということでしたのであえてそうしました。
解き、洗い張り、染めで20,000円ぐらいでした。後は仕立て代がかかります。

眠っている着物も生地の傷み(絹は湿気で傷んでいる場合があります)などがなければ、物によっては染め替えたり、そのまま別のものにしたり、最善策を検討してご自分が納得されていくことが大事だと思います。

親のものも、頂きものも、リサイクルのものもそのままではなく、ひと手間掛けていくことが大事なことだと思います。不思議に布に命が蘇り、自分のものとして、生まれ変わってくるように思います。命ある自然素材を纏うのですから。

作り手として、上質な素材であるか、生地質や染に関してもアドバイスもできますので、悉皆屋さんへ持って行く前の相談としてご利用下さい。

また、取合せのご相談も承ります。親の代の着物や、産地の着物に現代感覚の帯を合わせることですっきりした新しい風が抜けることもあります。こちらのページに少し紹介しています。

先日、40歳の記念ということで、お手持ちの産地の単衣着物に私の帯を合わせてくださる方がありました。人生の節目に選んでいただき、とても光栄に思います。子供さんも3歳になられ、なかなか袖を通せなかった着物もこれから着ていけそうだと明るい表情でおっしゃられていました。(^ヮ^)

着物初心者の方は着方についてでも構いません。
半幅の結び方だけ教えて欲しい、名古屋帯の結び方をもう一度おさらいしたいなどのポイントレッスンも対応します。

そして着物の寸法の見直しもご相談下さい。採寸方法なども着易い着物をとことん着ることを目指している和裁士さんの指導も受けております。

初めて仕立てる方は、どうしても大きめ、長めになっているのが一般的な仕立てですが、余分な布の皺の始末をしなければならず、着付けに時間もかかったりして着ることを挫折してしまうケースもあります。
初心者こそ仕立ても無駄のない寸法、着付けもシンプルな方法でなければならないと思います。
紬のような滑らない生地質のものは、誰でも自然で楽に着ることができます。

ヘンプ肌着(肌襦袢、ローライズステテコ)、ヘンプ汗取り(蚊帳生地タオルでバイアスに縫う)、洗える長襦袢(絹、麻)のご相談なども承ります。
ヘンプステテコMは残りわずかとなっております

これから着物を始めようか・・何から揃えていけばいいのか・・など何でもご相談下さい。
もちろん新しいものも買っていかなければならないのですが、、、すべてを新品ばかりで揃えるともいかない場合もあります。質は落とさず、賢く、センスよく、無駄なくその方に合った着る愉しみを一緒に考えることができればと思います。
着物の奥が深いところは着るだけが愉しみなのではなく、取合せ、仕立て替え、とことん使う愉しみもあります。何歳からでも始められます。人生も豊かになることは間違いありませんので、着やすい紬から始めましょう!!

会期中は30分~1時間(2,000~3,000円)でポイントレッスン、相談事のみにも対応いたします。
会期中以外でも相談は受け付けております。
ミニ紬塾@工房版も参考までご覧下さい。


予約専用フォームを作りましたので、そちらからご都合の良い日時をお知らせ下さい。
ご相談ごとのある方は内容を備考欄にお書き添え下さい(メールでも構いません)。
駐車スペース1台分ありますが、お車の方はその旨もお知らせください。
ご予約時に折り返し、鶴川発のバスの時間や道順をお知らせいたします。
タクシーですと1,000円ほどです。
不明な点などもお気軽にお問い合わせください。



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第2回紬きもの塾「糸の力、色の神秘」

2017年05月13日 | 紬きもの塾’17


ご報告が遅くなりましたが、先月末に第2回の紬塾が行われました。
いつものように蚕の糸の神秘、自然色の合理などお話しました。

この話の先に織物や着物の文化の話が始まります。

さて、塾を行う和室は南東に向いて、一間半の掃出し窓があるとはいえ、午後は薄暗くなってきます(この日は晴れていましたが)。
しかし和室の明かりは付けずに夕方まで過ごしました。

人工灯の影響を受けずに自然光だけで染める前の糸や染められた糸を見てもらいました。
煌々とした明かりのもとでなくても桜で染められた様々な色を呈している糸は美しい光を色を発していました。
みなさんも無言になって見飽きぬ感じで見ていました。

デザイン関係の仕事をしている方が、パソコンで色を作っているけれど、色の三原色を使っても作れない色だとつぶやいていました。

植物は自分を成り立たせるために無限の色素を持っていますし、季節でも変化します。光の環境でも様々に見えてきます。
色を何色とか限定するのはどうなんでしょう?
便宜上数値化したり、色名をつけたりすることはありますが、本当にわずかな差異を人の目は見分けることも出来ます。
色名や色数にとらわれるより、自然なものの色は単純な色素構造から成り立つのでもなく、例えば絹なら絹の物質自体の構造ともかかわり、また節糸や真綿紬糸のように立体的なウェーブを残している物理的糸の複雑な反射、また光源によっても変化することを知ることが大事です。


私は着物でも帯でも例えばベージュやグレー系の無地系のものを織る場合でもかなりたくさんの色を混ぜて織ります。
糸だけの色ではなく、経糸や隣り合う色の影響を受けながら色は生まれてきます。
綛の状態で見てほとんど違わない糸を緯糸として使ってみるとはっきりその差がみえてくることもあります。

伝統色とか和色も便宜上役に立つこともありますが、固定された色など無いと思います。
経年の古色を帯びたいろなどもそれ自体に何色と名前をつけることも出来ません。
伝統とか和をこと更に掲げるものほどその本質は近代的だったりもします。

創るにせよ、観るにせよ、使うにせよ、とらわれない目を持つことが生きた色の瞬間の表情に出会えるのです。

上の画像は節糸や真綿引き出し糸で織られた布。
染材はヤマモモ、カキなど。写真で色を再現できてはいませんが。。









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「紬の会'17-着る愉しみ」展 (大塚文庫)終了しました

2017年05月09日 | 紬の会

                   会場入口に展示していた公募展へ出品していた頃の作品で着物の袖部分

昨日、自由ヶ丘の大塚文庫に於いての「紬の会'17-着る愉しみ」展が無事終了しました。
ご来場下さいましたみなさまありがとうございました。
サブコーナーへご出品頂きました林まさみつさん、小川郁子さんにも心から御礼を申し上げます。

今回もドラマチックな場面などがありました。また初めてご覧いただく方もあり、有意義な時間を共にさせていただきました。

会場の様子などのスナップを幾つかあげておきます。

また5月27日~6月1日まではいつものように「紬の会」の櫻工房版展示と着物に関するさまざまな相談事など承りますのでこちらへもご来場下さい。詳細は後日お知らせします。



林さんの竹バッグと大塚文庫玄関ポーチにて。着物生地を傷つけけたりしない丁寧な作りで美しさと安心感があります。


小川郁子さんの新作帯留をさせていただいて・・


カッコイイ!!です。このカットは難しかったとのことでした。


ミニ紬塾は1時間半以上の濃厚な内容となりました。 
障子越しの光に慣れてくると暗さをかんじません。落ち着いて集中して話をすることが出来ました。
戦国時代に茶の湯が尊ばれ、小さな空間で亭主と客が向き合い、多くを語らずも気持ちのやり取りをしていたことが忍ばれます。
一座建立でした。

取り合わせの話では茶室の取り合わせも参考にさせてもらいながら着物の日本的な取り合わせワークショップをしました。
みなさん真剣に考えてくださいましたが、同じものはなく、とても良かったです。


予定外で最後に笹山さんがさらに現代美術における用と美の考え方や、ジャコメッティの初期の作品を例にとって説明してくださいました。重い作品集をジャコメッティの彫刻のように細い体で持ってきてくれて、この方は本当に工芸の本質を一般の方に伝えたいのだと改めて思いました。
このプラスαのこの時間もとても良かったです。


ミニ塾へ参加くださった方が私の紬を着てきてくださいました。帯揚げ、帯締(糸染)も私の作です。更にはずっと以前に買っていただいた出袱紗と小袱紗までわざわざお持ちくださり、写真を撮らせてもらいました。若かりし頃の力を感じました。


初めてご覧頂いた30代の方が「ほんとうに綺麗」と自然な色や風合いに感激されていましたので、肩にかけて更に身につけた時の目線でもご覧いただきました。


お茶のお稽古の帰りに素敵なお召し物で夕方ご来場くださった方には外光で布の見え方を確認していただきました。
光によって随分見え方が違いますので驚いておられました。


座り込んで布と近づいた目線でご覧いただきました。


笹山さんがオニタビラコを活けてくれました。花器は瀬沼健太郎作、卓布は中野作です。


日を替えて青もみじと。


花/笹山央 花器/松原成樹 卓布/中野みどり


一日だけ袷の紬を着ました。暑かったので襦袢は半襦袢にしました。
帯は御所解文様八ツ橋。杜若とともに桃、松、笹などが配されています。
しかし紬の袷は5月はもう着れませんね。。。


引き続いての櫻工房展も楽しみにお出かけ下さい。詳細は後日。


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「紬の会'17」のお知らせ その3

2017年05月04日 | 紬の会
明日からの「紬の会'17-着る愉しみ」展最後のお知らせです(5月8日まで)。^_^ 

18歳の時に古い芭蕉布や丹波布、山陰の絵絣などと出会いました。
そして20代で宗廣力三先生の手紬糸による刺し子織りの紬着尺に出会い魅了され、その場でこの道を決めました。
この秋にはこの仕事を始めていつの間にか、40年になります。
そこにある美しさの根源は何かを私なりに追い求め、少し見えかけたように思いますが、まだもう少し探求していきたいのです。そのためにも今後暫くは発表は控え、染のところからじっくり向き合いながらまた進めていこうと思っています。
今回の展示ではこれまでと現在を御覧いただきたいと思います。


最後に単衣、夏物にお使い頂ける八寸の帯を1点ご紹介します。
上の写真は八寸かがり帯「花水木」です。
立体的な織です。段の色はサーモンピンクと萌黄色という感じです。
大人可愛い帯です。こちらは仕立て上がっておりますのですぐお使いいただけます。。
他にも九寸節糸の夏帯もあります。紗の着物や上布などと合わせて頂けるような上質で繊細なものです。

昨年、白系の八寸夏帯をお求めいただいたお客様とお目にかかる機会があったのですが、お母様から譲られた落ち着いた紫の紗の着物に合わせてくださってました。小川さんの帯留とともに素敵に着こなしてくださってました。

紬は帯も洗い張りもききますし、汗を余り心配せずにお使いいただけます。
透け感は強くはありませんので、盛夏のみではなく5月中旬から9月中旬くらいまで締められる感じのものです。お手持ちの夏着物、単衣などと合わせてご覧ください。

サブコーナーの竹工芸の林まさみつさん、江戸切子の小川郁子さんにも渾身の作をお送りいただいております。ものすごいです!!
要望はお伝えしましたが、お二人の私の紬に合うものを作るという意気込み、技、感覚が光っています。私もとてもうれしく思いました。

新たな写真を撮る時間がなかったのですが、林さんの竹バッグは、東京ではなかなか見ることは出来ませんのでこの機会にぜひご覧ください。とても丁寧な仕事です。
林さんはかたち21の笹山さんが80~90年代にかけて発刊していた『かたち』の定期購読者でした。時々DMを送ってくださってました。技術がしっかりしているだけではなく踏み外さない範囲で創意工夫をされる真摯な姿勢も共感します。
今回は新しく黒のバッグや、やや大ぶりのものも含め、内袋の素材も様々です。涼し気な生平もあります。点数もたくさんお送りいただきました。竹や布の染は植物染料や漆などです。価格は12万~18万です。

 チラッとお見せします。。実作を是非ごらんください。
小川さんにお願いした「シャープな感じで、、」も、かなりの大人テイストの帯留で圧巻です!!癖になる美味しさ、というか後を引きます、、。^^
価格は3万円台です。三分紐も合う色目を用意しています。

さて、7日のミニ紬塾「用と美と紬」は、会場は茶室ですが、お茶の心得などは不要ですので気軽にお申し込み下さい。なんと!あと1名まだ大丈夫です。お抹茶ではありませんが茶菓し付きです。
とらわれのない、根源的で普遍的な話ができればと思っています。着ることの、創ることの未来へ繋がる実りある話ができればと思います。
茶室の障子越しの光を確認しましたが、すごくいいです。特別な時間をお愉しみいただきたいと思います。
塾は別室ですので、この時間帯も作品展示のみをご覧いただけます。

私は今の時代こそものを吟味し、大切に使い、次世代へ残すべきものを伝えなければならないと思っています。
道徳とか伝統とか愛国を押し付けるようなことではなく、自然の中で生かされている私達、人の手わざを育て、尊重し、使っていくことは、美しいものやことを自然に愛する人が育ってきます。
日本の豊かな本物の文化が途切れないことを切に願っています。

連休はお忙しい方もおられると思いますが、下旬の工房展示でも構いませんので気軽にお出かけ下さい。紬はあまり見たことのない方も私の仕事にご興味をお持ちでしたらお出かけ下さい。
小さな額装品もたくさん作りました。

とりあえず8日(月)までは自由ヶ丘でお待ちしています。

アクセスなど詳細はこちら

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「中野みどり 紬の会’17 」お知らせ その2(夏紬と吉野格子帯)

2017年04月29日 | 紬の会


前記事の「紬の会'17」のお知らせで挙げました写真の杏染夏紬「風薫る」と吉野格子帯「草若葉」について少し説明いたします。

夏紬は半精錬の玉糸で織ったもので、サラッとしていて、ハリ感があります。ただ、全くの未精錬と違って堅すぎることはありません。
タテ・ヨコ密度のバランスをとっていますので、ドレープもきれいにでます。
古くから絹のセリシンを残した堅い糸も人は上手に活かしてきました。ただ、シワにはなりやすいので、砧打でハリ感の微調整をして身体に馴染やすくはしてあります。

薄い緑の縞の部分は生け垣などによく植えられている五加木(ウコギ)の枝葉を染めたものです。緑系は堅牢度が低いので何度も染め重ね最終的に落ち着いた色です。
縞の中に更に細かいランダムな縞を配しています。繋ぎ糸などもこっそり入れてあります。無作為な感じの作為、大好きです。^_^
やや透け感もありますので6月下旬から9月初旬までの着用期間となります。
上質の夏帯と合わせていただくとかなりよそ行きな感じになります。
落ち着いた上品な大人ピンクです。


小川郁子さんの切子帯留と合わせた吉野格子帯「草若葉Ⅰ」は写真で色を再現するのが難しく、色はうまく出ていませんが地色は緑味のベージュです。見た目に重みはありますが、紬地ですので江戸小紋やお召、無地感覚の紬などと合わせて頂けます。


盛夏を除いてお使いいただけます。もう少し華やぎのあるものも織っています。
種々の草木で染めた微妙な色をぜひご覧ください。

小川さんの帯留も現在製作中で搬入ギリギリになると思いますが、私の紬に強すぎず弱すぎず互いの存在が響き合います。
現代の工芸として、小川郁子×中野みどりの取り合わせをぜひご覧いただきたいと思います。





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「中野みどり 紬の会’17 – 着る愉しみ 」お知らせ その1

2017年04月18日 | 紬の会

                             杏染夏紬着尺「風薫る」、竹バッグ(林まさみつ)

「紬の会'17」のお知らせです。
連休中に自由ヶ丘の大塚文庫で下記の通り行います。
5月下旬には櫻工房内でも行います。

この紬の会の後、染の仕事などに専念します関係でかたち21企画の展示会は暫く未定となっておりますのでこの機会にぜひご覧ください。

この「紬の会'17」では夏ものから、単衣、袷の新作を中心にご覧いただきます。
また取り合わせの愉しみとして、現代感覚にあふれた江戸切子の世界を拓いている小川郁子さんには帯留を、別府の竹細工の林まさみつさんには堅実な職人技をみせる竹バッグを私の紬に合う感じでお作りいただき出品してもらいます。

ミニ紬塾も開催いたします。「用と美と紬」をテーマとします。
自然素材が持つ美しさを、人が使う文化を踏まえ生かして布にしていくための秘訣などを話します。
非公開の織りの映像もご覧いただきます。
紬塾に今まで参加されたことのある方もお申し込みいただけます。

連休中のお忙しい中ではありますが、ぜひご覧いただきますようご案内させていただきます。
 
また5月下旬の「紬の会'17」櫻工房版では着物を着る上での様々なご相談事も承りますので、初めての方もこの機会にぜひお出かけ下さい。また近くなりましたら詳細をお知らせします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
於・大塚文庫 
2017年5月5日(金) – 5月8日(月) 10:30 – 17:30 (最終日16:00まで)

【出品品目】
着尺 帯 夏着尺・帯 ショール 帯揚 帯締 ヘンプ肌着 紬×麻のれん 袱紗 他
竹バッグ(林まさみつ) 江戸切子帯留(小川郁子)

【ミニ紬塾】
「用と美と紬」
堅牢でありながら身体に馴染み、繊細で自然な紬はどのようにして作られるのか。
織りの映像も交え、糸や植物の色についても解説します。
また、着こなしをより愉しむための日本的取り合わせについてもお話します。

日時:5月7日(日) 11:00 – 12:30 (10:30受付開始)
場所:大塚文庫茶室
参加費:3,000円
定員:5名 ※要予約(下記リンク先からご予約下さい)


於・櫻工房 
5月27日(土) – 6月1日(木)
※ご予約の上、ご来房下さい。

[予約・お問合せ・アクセス]
かたち21→こちら
※メールにお名前、お電話番号を必ず明記してください
※katachi@mbr.nifty.comからのメールを受信できるように設定の上、送信して下さい






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梅染刺し子織り絣縞着物と桜と春の草花模様の帯

2017年04月13日 | 着姿・作品

今日工房の桜は満開を迎えました。無風の状態で満開を保っています。


仕事を終え、スポットを当て夜桜花見をスタッフと楽しみました。
東南に位置する画面では左上の星は火星でしょうか?


先日の紬塾では刺し子織りの単衣紬にアンティークの染帯をしました。

この着物は体力、気力に満ちていた30代半ばに織った「梅染刺し子織り絣縞着物」です。
地色は梅、刺し子の絣は丹殻(マングローブ)で染めたものです。
刺し子は二重千切りの機で織ります。地と刺し子と別々にテンションを合わせながら普通に織るだけでも大変ですが、更に緯絣を経縞を覆うように重ねています。絣がよく合っていてただの縞に見えるかもしれませんが、、。


手間暇を惜しまずに無我夢中で仕事していました。
宗廣先生の仕事でも何反か織らせてもらいましたが、自分でも立て続けに織っていた頃のものです。
生地感は刺し子の分だけ地厚になり、単衣でもしっかりしています。皺になりにくく旅先にも良いものです。

帯はアンティークで、ざんぐりとした筆致の手描き友禅です。
手早い職人仕事を彷彿とさせます。描きすぎない省略が奥行き、広がりを感じさせます。
もともとは引き抜き帯だったとのことですが、普通の名古屋帯に仕立て替えられたものです。
長さが若干短めでしたので、、、、めったにしない仮紐を使うやり方で締めてみました。(~_~;)

竹籠に蕨、桜、菫などが盛られています。前柄はたんぽぽ、土筆、すみれなどが描かれています。繍(ぬい)も程よく施されています。

春になると亡き母が良寛和尚の和歌を声に出して詠んでいたことを思い出します。

・鉢の子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてな

自分が子供の頃に野山で花で遊んだ光景を重ねているようでもありました。
季節の花を仏様に供えたり、自然物を見て愛でるのも楽しいことですが、身にまといたいという気持ちを誰しもがもっていると思います。
梅で染めた着物に春の種々の草花の帯は気持ちを和ませてくれます。

こちらの着姿ページもご覧ください。
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第9期紬きもの塾スタートしました!

2017年04月10日 | 紬きもの塾’17


工房の桜は五分咲きです。

先週末の小糠雨降る中、紬きもの塾'17スタートしました。
今年は少人数での開催となりましたが、皆さんとても真剣に臨んでくださりホッとしました。

今日は紬とは何かについて、原始から今日的な紬についてまでお話しました染の生地以上に紬といっても様々ですので。。
そしてこれから違いを見分ける目を養ってもらいたいと思います。それは先に知識を詰め込むことではなく、違いを感じとる無垢で素直な感覚を大切にすることです。私も必要以上な説明や押し付けがましいことは言わないよう進めていきたいと思います。

そして毎年のことですが、身近な植物が持つ色素である梅で染めたピンク系の着物と、コデマリやリンゴで染めた黄色系の反物を当てて肌の映りなども見てもらいました。両方共似合わない人はいませんでした。
自然の色は単純な構成ではないので、色相の包容力があるのです。どんな肌色の方にもよく合います。この時が初対面で緊張気味のみなさんの顔がほころぶ瞬間でもあります。
次回から更に詳しく糸や色や織り方など解説していきます。

今期の方は着物を着ることにはなれていない方ばかりですが、着ることへも関心は寄せてくださっていますので、私も張り合いが出ます。

さて、今期も作り手の立場として、また私の着姿も直に見てもらいながら、上質の着物は自分を高め、豊かにしてくれますのでその良さを伝えていきたいと思います。
私自身が着物を着始めた頃にはネットで簡単に調べるということもできず、いろいろ試行錯誤してきましたが、身近にちょっとアドバイスをしてくれる人がいたら良かったと思うこともあります。アドバイザーとしてもお役立に立てればと思っております。
ご参加のみなさま、ブログ読者のみなさま一年間お付き合いのほどよろしくお願いいたします。


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