中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりが「紬きもの塾」を開講しました。このブログはその記録を中心に着物、工芸、自然を綴ります。

「中野みどり紬の会 ’16春夏 ー 紬から始めよう」お知らせ

2016年05月25日 | 紬の会




6月2日からの紬の会の準備を進めていますが、着尺、帯以外のものを一部ご紹介します。

昨年に引き続き、別府の竹工芸の林まさみつさんから新作の籠バッグの画像が送られてきました。
個展が続く大変お忙しい中、紬の会向けに巾着の布も新しい試みをしてくださいました。
手績みの麻糸で織られた生平を使ったものです。下の写真で少し繊維の濃淡のニュアンスがおわかりいただけるでしょうか?野趣のある布です。涼しげです。
紐の色もベージュ、ライトグレー、ブラウンがあります。

きものの取り合わせの邪魔になることもなく、添え物の布でもなく、存在感をもって装いを高めてくれるように思います。

籠自体も本当に丁寧にしっかり作られていて、紬の着物と擦れあっても滑らかな作りですので、使っていても安心感があります。
昨年お求めいただいた方が、洋服の時もしょっちゅう使っています!とおっしゃられていました。

上の写真のサイズは、300×120×155(奥) 280×95×135(手前)
価格帯は110,000円〜180,000円です。サイズは280×95×135〜340×105×190です。

画像では十分にはお伝えしきれません。ぜひ手に取ってご覧ください。


帯揚げも仕上がってまいりました。生地は丹後縮緬の上質のものです。
光に当てるとキラキラ輝いています。
この染は草木の生葉と化学染料を少しかけたものです。


こちらはカキやサクラ染め。


こちらはリンゴとサクラ染め。絽縮緬です。真ん中はごく淡いピンクです。


後染めストールもあります。銀のビーズ、天然石のビーズも付けました。


帯や着尺の織り始めにいろいろ糸を入れ、本番に向けてなんとなく織ってみるのですが、その端っこの布も案外面白いのです。
本番には全然違った感じになることが多いのですが、そこへ行き着くまでの大切な序章なのだと思います。計画的な感じではないのですが、何かが生まれてきそうな予感が感じられます。その小さな布に岸野承作「雲水」を置いてみました。
この布は帯をつなぎ糸で織って見たいと思い、紺と白の糸を繋いで織りました。
自然発生的にジグザグが生まれます。見る人が何かに見立てて見るのも面白いです。


こちらも帯の端布です。瀬沼健太郎作のガラス瓶を置いてみました。オブジェとして花を活けなくてもよいですし、小さな花や葉、小枝を一輪挿すのもいいですね。

こちらは着尺の端っこです。庭のドクダミを挿してみました。

他にも瀬沼さんからこれらの布や袱紗と合うような小さめのガラスの瓶などが届きます。
家の中に小さなスペースを設けて飾っていただければ・・と思います。
ぜひご覧下さい。

他にもまだ制作、準備中です。

紬の会の詳細はこちらから。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

第2回紬きもの塾「糸の力、色の神秘」

2016年05月22日 | 紬きもの塾’16
                                        ある一時期(20年ほど前)の桜で染めた糸を見てもらいました。

昨日は紬塾の2回目でした。

まずは繭を成す蚕の糸の根源的力を知ってもらうためのワークショップなどを行ないました。

春繭だから、生繭だから、節糸だからいいということではなく、それらをどのように生かせるかを見極められるかが重要。

そのあとは身近な植物に潜んでいる色の神秘に触れてもらいました。
自然は何を語っているのか・・身近な植物の多くが、黄色系、赤系を宿しています。
どちらに傾いているかはいろいろな条件で様々です。

桜は何色を見せてくれるのか、私は“何色”と語る言葉を持ちません。
既存の色名や、数値化された色に興味はありません。

見ているみなさんにも「これらは何色といえばいいですか?」と聞いてみましたが返事はありません。
ただ、「ワー、綺麗・・・」と、その美しさに魅入られているようではありました。

経と緯が織り成す色も固定されたものではなく、季節によって、光線によって変化して見えるものです。

何パーセントの染材や媒染剤、何分の煮出しも固定されたものではありません。
自分が発見、気づいていくものです。状態をよく観ることです。いい状態を見極めること。

染め上がった糸をどう生かし布にできるか――も自然との関わりの中で生まれてくるものです。
自分がどこまで固定された囚われや雑念から自由で、自然体でいられるかが良い染め、よい織物を生み出せるかにかかっていると思うのです。




コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「中野みどり紬の会 ’16春夏 ー 紬から始めよう」お知らせ

2016年05月18日 | 紬の会



「紬の会」に向け6日ほど帯揚げの染に追われていました。

織りたての夏帯に染め上げた絽東雲の帯揚げを載せてみました。

桜の若葉のみを煮出し、まずは下染をしますす。それから化学染料の青をほんの少しずつ掛けていったものです。
桜の若葉はアルミ媒染をすると青を少し含んだような黄色が染まります。


今の季節感や草木染めの着物や帯と馴染むよう、あるいはアクセントカラーになることも考慮しながら染重ねます。夕暮れに薫風になびく帯揚げたち。


まずは天日で乾燥させます。


眺めていてこれで本当にいいのかも見ていきます。更に追加で染めることもあります。


工房内は現在帯揚げだらけになっています。


染め上がってからは室内で1週間ほど空気酸化させます。
それから湯のし屋さんで幅出しの仕上げをしてもらいます。


桜の若葉も日に日に色濃くなってきました。


右端は柿の若葉。自然界の緑も様々な色を呈しています。

単衣、夏の着物に使える絽目のもの、平たい素材のもの、色も藤色系、ピンク系、黄色系、どれもとてもきれいに染め上がりました!!私もため息をついて眺めています。

「紬の会」(6月2日〜6日)でぜひ手にとってご覧ください。





コメント
この記事をはてなブックマークに追加

中野みどり紬の会 ’16春夏 ー 紬から始めよう

2016年05月11日 | 紬の会


「紬の会」のお知らせです。
概要は下記の通りです。
詳細は順次ブログにアップしていきます。

<日時 >
2016年6月2日(木) ― 6月6日(月)
11時 ― 17時(初日13時〜、最終日〜16時)
<場所 >
可喜庵(東京都町田市能ヶ谷3-6-22)
小田急線鶴川駅北口より徒歩8分 ※駐車場はありません

<出品品目>
着尺 ・ 帯 ・ 八寸帯 ・ 夏帯 ・ 帯揚・ 袱紗 ・ 額装 ・卓布・ 紬×大麻のれん
ヘンプローライズステテコ&肌襦袢・竹バッグ(林まさみつ作) ほか

今回は夏帯、単衣向け帯、単衣向きの紬着物を中心に発表します。
昨年も好評をいただいた竹バッグ(林まさみつ作)も展示販売いたします。

また副題の「紬から始めよう」にあるように、着物に未知の方や初心者の方にもお越しいただきたいと思います。
何から始めても構わないことですが、おしゃれ着として楽しむ場合には、紬は活用のシーンが多いですし、着るのも着やすいです。手入れも楽です。

上質の手紡ぎ、手織りの紬を自分の目で確かめ、一生付き合っていけるか判断し、自分の寸法で仕立てて着始めていただきたいと思います。
まずは自分の中に中心となる軸を立てること。
シンプルに、でも深く布と、着物と出会っていただければと思います。

着物はまだ遠い・・という方も、自然の色や絹の素材に触れて頂ければと思います。
小さな卓布などもあります。お気軽にお出かけください。

4日(土)には「ミニ紬塾 『長く愉しむ単衣紬』」 も行います。
単衣の時期に着る紬もありますが、3シーズンお召いただけるようなタイプの紬もあります。
どういうものが長い期間着る単衣としてふさわしいかなど、糸のこと、色のこと、下着のことなどもお話したいと思います。
先日お知らせいたしましたヘンプの肌着も大変ご好評をいただいておりますが、ヘンプ×リネンの蚊帳生地タオル(麻福製)で作る「バイアス汗取り伊達巻」の作り方などもお話します。
これがあれば鬼に金棒!です。蚊帳タオルの販売も致します。

また5日(日)には曜変天目茶碗の再現の第一人者である桶谷寧さんを囲んで『曜変天目談義』 を行います。
目からウロコの話が聞けると思います。
私は理にかなった作られ方の焼き物も織物も相通じるところがあると思っています。
作品展示コーナーも設けております。
桶谷さんのぐい呑で試飲もしていただけます。水やお酒が美味しくなります!

※展示スペースと別の部屋で各塾は開催しますので、展示のみご覧頂くこともできます。
 時間を気にせずご来場ください。

久しぶりの可喜庵での展示ですが、茅葺き屋根が目印です。
ただ古民家ということではなく、中は意外にモダンです。
とても素敵な落ち着ける空間です。ゆっくりと時間をとってお出かけください。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・
◆ ミニ紬塾 『長く愉しむ単衣紬』
6月4日( 土) 14 時 – 15 時半
参加費2,500 円 飲物付 要予約講師:中野みどり

◆ かたち塾 『曜変天目談義』
6月5日(日) 15 時 – 17 時
参加費3,500 円 飲物付 要予約
講師:笹谷央
ゲスト: 桶谷寧/ 曜変天目再現第一人者

※会期中、展示販売コーナー併設 抹茶碗・ぐい呑み(桶谷寧作)

※塾の時間も展示をご覧頂けます

<お問合せ&お申込み>
TEL : 080-6775-4892 (かたち21)
Mail:katachi☆mbr.nifty.com (☆を@に変えて送信してください)

※緊急連絡できる電話番号を添えてお申し込み下さい。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ヘンプローライズステテコ&肌襦袢を作りました!

2016年04月27日 | ヘンプ肌着(ローライズステテコ&肌襦袢)

                                          単衣紬との相性も抜群のヘンプ素材です!

間もなく5月に入りますが、汗ばむ日も出てきました。
着物を着ると、帯周りや、太ももが汗ばみますが、紬などのカジュアルな装いは少しでも快適に楽に着たいものです。

そこでヘンプ(大麻)の生地を使って、和装用ステテコと肌襦袢(いずれも女性用)を麻福さんのご協力を得て作りました。
ヘンプ素材の良さは以前にもシーツの時に書きましたが、調湿性、抗菌性、消臭性などにすぐれ、肌着などには麻の中でも特によさそうです。
実際に着てみるとその清涼感は今までに味わったことのないような気持ちよさです。
洗うごとに滑らかさも増し、麻のゴワゴワ、堅いイメージとは全く違います。
麻はチクチクしていやだという方も是非お試しいただきたいと思います。
(使用前には繊維の毛羽を落とすために、必ず一度水洗いしてからお使いください)

また今回サンプルを冬の間も使ってみたのですが、ヘンプは通年使えるということもよくわかりました。
今までほかの素材もいろいろ使ってきましたが、ベストな素材に思います。

[ヘンプローライズステテコ&肌襦袢の特長]


<ステテコ>
・ローライズ仕様です。下がり過ぎず、帯にかからず上げ下げもスムーズです。
・マチはたっぷりありますので、足さばきはよく、踊りをされる方などにも良いと思います。
・丈はひざ裏もしっかりカバーしますので、正座時にも汗を取ってくれます。
・ゴムひもの取り換え用の穴もあります。緩めがお好みの方は取り替えることもできます。
・平織りで楊柳のようなボリュームが出ませんので、上物にひびかずスマートな着こなしができます。
 平織りは夏だけでなく冬も暖かくお使いいただけます。裾除けは不要です。


                                        上質な糸で織られた清涼感のある生地です。

モデルは7号サイズの方。肌着は少し大きめで密着しないほうが蒸れないです。
<肌襦袢>
・身八口、袖下あきをやや大きめにしてあり、密着せず、通気がよく涼しく着用できます。
・前身頃の重なりをたっぷりとりましたので、襟元を詰めて着れば長襦袢の襟を汗や汚れから守ります。
・上前身頃には紐をつけ、着やすくしました。室内着としても使えます。
・袖丈も肘の汗をカバーできる長さです。
・馬乗り(サイドのスリット)を深くとりましたので、幅広い体型の方をカバーします。
・衿、紐も共布で、とても丁寧な縫製(日本)です。
・汗取り用の麻綿(わた)はあえてつけませんでしたが、蒸し暑い時期にはヘンプの蚊帳生地タオル(麻福)2本でバイヤス仕立ての「汗取り伊達巻」を作り、使うこともできます。
 6月の展示会(2日〜6日)でタオル販売と作り方の説明もいたします。
 これも汗取りとしては今までにない画期的なものです!!後日ご紹介します。

洗濯は、初回はネットなどに入れずに裏返して10分撹拌し、あとは流水でよくすすぎます。
2回目以降の洗濯はネットに入れて洗ってください(炭酸塩の洗濯がおススメです)。
乾燥機は絶対に使わないでください(縮みます)。

ステテコは和装としてだけではなく、長めのスカート下にもとても良いです。
私は冷房をほとんど使わないので、このステテコ&肌襦袢のサンプルをパジャマ代わりに昨年の夏に試着してみました。これがすごくて、これ以上の快適な真夏のパジャマはない!!と思いました。
贅沢なようですが、ヘンプは丈夫な繊維でもありますので、長く使っていただけると思います。

肌襦袢はまだサンプル段階ですが、予約受付いたします。出来上がり次第発送します。
価格は未定ですが、1万円程と思います。
サイズはフリーサイズで、9〜11号向けサイズですが、7号、13号の方にも対応できます。

ステテコはM、Lサイズがあります。
Mサイズ:腹囲80〜88cm、丈70cm、Lサイズ:腹囲88〜95cm、丈72cmです。
腹囲はウエストより3〜4cm下のサイズです。Mは7、9号サイズの方向け、Lは11号サイズの方向けです。
モニター価格11.664円(10.800円+税)で販売致します。メールで使用感など簡単なアンケートにお答えいただける方は是非ご利用ください。[5/8までの期間限定です]
送料無料にて発送いたします。
また紬塾関連の方など、住所をご登録くださっている方はメールでお申し込みくださっても結構です。
詳しくは櫻工房Online Shopをご覧ください。

麻福さんのOnline Shopからでもお求めいただけます。

今回は限定製作で数に限りがありますのでお早めにお求めいただきたいと思います。

大麻は日本でも縄文時代から活用されてきたそうです。日本では麻といえば大麻でした。
戦後、大麻取締法により許可なく栽培ができなくなりました。
現在は自然エネルギーとしてのバイオマス燃料や、土壌の改良、医療用、建材にも新たな使いみちも見いだされてきているようです。

ヘンプは環境にも人にも安心の有用な植物です。早く国内でもいろいろな製品が生産され、活用されることを望みます。
ヘンプの詳しい情報は麻福さんのHPもご覧ください。

櫻工房の着心地の良い紬とともに、爽やかな使い心地のヘンプローライズステテコ&肌襦袢を是非お役立ていただきたいと思います。









コメント
この記事をはてなブックマークに追加

第8期「紬きもの塾’16」開講しました!

2016年04月23日 | 紬きもの塾’16


今期も6名の方と来年1月まで紬織やきものにまつわるさまざまなことを一緒に学んでいきます。

今期の方々は着物を着ることにある程度慣れている方が多いのですが、もっと布のことを知りたい、紬になぜ魅かれるかを探求していきたい、美しいものはなんなのだろう?と自問する方など、ただきものを着たいだけではないもう一歩深く踏み込んでいきたい方が多いようです。
紬塾にピッタリ!の方たちです。

上の写真は、私の紬のサンプル布を皆さんに見てもらいました。
経糸をまずよく見ること、布の厚みや質感を触ってもらいました。鋭い質問もなどもありました。

自然な生きた色合いに「きれい・・・」とみなさんつぶやかれ、ふわ〜っと放心した状態のようになります。
もっとカラフルなもの、華やかなものが世の中にはたくさんあると思うのですが、こんな地味な?ものになぜ魅入られるのでしょう。これからその核心に迫っていきたいと思います。
それは特別なものでもなく、自分の身近に、自分の中に宿っているものかもしれません。


横から見ると少しやせたように見える‥ ^ヮ^v


今日は私は梅染の刺し子織りの単衣紬に陶画更紗の帯を締めました。
小物は枇杷染の淡いピンクの帯揚げ、薄紫の平唐組の帯締めを使いました。

時間ぎりぎりまで目一杯話をしました。今期も充実した会になりそうです!
よろしくお付き合いのほどお願いいたします。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

初めての入院

2016年04月14日 | こぼれ話

雨にぬれる大山桜。(工房にて4/7撮影)

少し無理を重ねてしまい体調を崩し、1週間ほど入院していました。
3月の個展の準備期間が少なかったこともあり、かなり無理をし、根を詰め、終わってからも残務処理、次の展示に向けての準備で休みを取れずにいました。
再来週あたり、区切りがついたら、1泊近場の温泉にゆったり浸かってこようと思って場所を探していたところでした。

大したことはなく退院できましたが、無理をしたということと、運動不足が招いた病いとも思います。根を詰める座り仕事で、加齢による硬化も加わり血流も悪く、体は悲鳴を上げていたのだと思います。
仕事を長く続けていくためには、まず自分の体を一番にいたわってやらなければいけないですね。若い時は無理がききますが、いい加減に自覚せねば、、、(~_~;)です。

また、町医者での診察からすぐの総合病院への入院になりましたので、家人に着替えなどこまごまと頼むことになったのですが、案外手間取りました。きちんとまとめて一式しておかなければならない年齢になっていたのだということも思い知りました。

私の母は60になる前から、ちゃんといざ入院というときの為に、たんすの引き出し一杯分に、父の分と一緒に、寝間着や下着、タオル、洗面具など用意してあったことを思い出しました。「急な入院の時にはここから持ってきてね」と言われてました。私と違って几帳面な人でしたので。。。

今なら病院の売店で、何でも買えますが、やはり間に合わせではなく、自分で合うものを選んで揃えておくことは大切だと思いました。人に頼んで用意してもらっても合わないものではゆっくり療養できません。

安静を強いられていましたが、愛読書の幸田文『きもの』を昼間読んでいました。
その中の、母親の看病について書かれた箇所で、るつ子は子供のためにはきれいなものを用意してくれるのに、自分はくたびれた浴衣を着て、腰ひもも擦り切れたものを使って寝ている母親の姿を悲しみ、祖母と一緒に、桜の模様の浴衣と腰ひもを一晩で縫い上げるくだりがあります。

家庭での寝間着といえども人の見舞いや、医師の往診、きれいにしておいてあげたいという着ることへの執念を感じます。何度も読んでいた箇所でしたが、身に沁みて分かりました。

また、最後を迎えた時の朝に着替えさせた寝間着は新しい、秋の七草が咲き乱れた模様の浴衣だった、とも書かれています。その時々のシーンとその時着ていた着物は強い印象になって残るものですね。
私も母の最期の別れをした時の寝間着を覚えています。母が自分で気に入って選んだ母らしい柄でした。よく似合っていました。

しかし、我が身は恥ずかしながら、、、普段からはいているスウェットタイプのパンツにTシャツというスタイルで、これはまずい・・・と思いました。母が見ていたら「そんなだらしない格好をして!」と怒ったでしょう。

昔の人達は、身支度、着る、ということをとても大事なこととして、生きることの中心に、個人の尊厳として据えているのですが、今はいくらでも大量に衣類が売られていて緊張感がなくなっているところもあります。
こういう点でも今回の入院はいろいろ考えさせられ、反省したのでした。

さて、病棟でもメールは使えますので、アシスタントとはメールでやり取りし、仮仕立ての仕事を進めてもらいました。
仕事再開です。これから6月の展示に向け、単衣、夏向けの帯、着尺にとりかかっていきます。間に合うか・・・?でも無理はしません・・・!


4/7夜、ライティングして撮ったもの。下の白い小さな花がブルーベリー。今はほとんど花はないです。>_<

入院前日、雨に打たれた工房の桜はほぼ満開だったのですが、病院から戻ると花はかなり散って、赤い顎とシベがめだっていました。
桜の下にあるブルーベリーの花もほとんど庭になついているヒヨドリに食べられてました。本当においしそうにムシャムシャ食べます。帰るなり「来年はネットを張り、私が食べる!!」と家人に宣言しましたが、元気になった証拠ですね。(*^_^*)

来週末から開講の紬塾に穴を開けずに済み良かったです。
健康のありがたさをかみしめつつ、読者のみなさまもくれぐれもご自愛くださいませ。







コメント
この記事をはてなブックマークに追加

麻の長襦袢を染めてもらいました

2016年03月29日 | 着姿・作品


先日の展示会で紬を単衣仕立てにするということで決めてくださったお客様から、襦袢が合うものがないので、袷と麻の襦袢も作ってほしいとご依頼を受けました。
色見本から色を決めさせてもらい、上質の麻地をブルーグレーに染めてもらいました。
袷も洗える仕様で今染めてもらっています。

逆光で撮影してみましたが平織は透けすぎず単衣用にも良いと思います。

単衣仕立ての紬を襦袢を替え、長い期間着用するのは合理的です。
たくさん着物をそろえるのは難しい人にとっても、少ない枚数で、長く着続けられるのは良いと思います。
ただ、紬なら何でもよいわけではなく、長い期間着用できるかは、色や地風、糸質などを見なければなりません。

<単衣を長く愉しむ>もご参考まで。
今回決めていただいた紬はやや太めの糸で、経て密度を少し上げてありますので、充分単衣で長くお召いただけるものです。

私は盛夏は絽の麻の白い襦袢ですが、5月、6月、9月は真っ白ではなく色のついた麻の襦袢(グレー)を着用しています。
5月は絹の単衣用のものでも暑く感じられて、色のついた平織の麻です。
そして何より自分で手軽に洗濯できるのがよいです。

10月から4月までは袷用のものに替えて、羽織やコート、ショールと組み合わせて、いろいろと愉しんでいただければと思います。

麻は吸湿性、速乾性、抗菌性に優れ、肌着にするにもとても良いです。
次回はヘンプ(大麻)のステテコ、肌襦袢をご紹介する予定です。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

『ジョルジョ・モランディ ――終わりなき変奏』展

2016年03月22日 | 工芸・アート



昨日は少し早めに仕事を終え、東京ステーションギャラリーへ『ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏』展へ行って来ました。休日で多少込んではいましたが、案外、ゆっくり観ることができました(〜4月10日)。
詳細はこちらから。

モランディは20世紀を代表的するイタリアの画家。
主に、花瓶や水差し、四角い物体、丸い物体、上戸を逆さまにして溶接したオリジナルな物体、それらをテーブルにどう配置するか、順番や奥行き、窓からさす光の加減などにこだわり絵を描いた。
モチーフとなる物体に積もる埃さえも絵の重要な要素となっているらしい。

特別な器物と言うわけでもなく、柔らかいけれど、少し黒を含んだ色調の静かな世界に引き込まれて見入った。見かけは静物画のようだけれど、観ていると普遍性をもった抽象絵画に見える。
水墨画を想起させる水彩画の小品も少しあって、東洋の影響も当然受けているのでしょう。
それから額縁もとても素敵でオシャレで、絵と共にしっかり鑑賞してきました。(@_@)

紬塾の染織実習で、3寸ほどの布を毎年織ってもらっています。
数種類の地糸と、自分でつむいだ少し太めの淡く染めたオフホワイト系の糸、ほんの少しの挿し色は使っても使わなくてもよいという条件。
条件は一緒だけれど、無数なバリエーションの布が生まれてくる。
モランディの絵を観て、この紬塾の実習にも通じるところがある・・と思いました。


チラシ裏面(印刷物では良さが伝わりませんが‥)

モランディは限られた数種類の物体や自然な状態をよく見、その配置や見え隠れする分量、あるいは窓から差し込む光を戸板で加減し描く。先に頭の中で構図を練りまわすのではなく、物体の形や色、状態を見ながら配置を生み出していく。

たとえば河原の石を数種類集め、ある大きさの枠に配置したとする。
どう配置するかは無数な可能性がありながら、また納まるべき位置は一つに限定されていくようなところもある。自然に導かれて生まれてくる世界。

自然や物や日常との関係性と向き合う世界こそ先端的であり、普遍性のある世界が、静かに存在してくるように思うのです。

紬きもの塾が「紬」や「きもの」という既存の概念に押し込められたりされるのではなく、また先入観や刷り込まれた知識で捉えるのでもなく、自分の目で素直に、自然を見詰め、見極められる目を養うことができれば、あるいはそのきっかけになればと思います。
「紬きもの塾‘16」申し込み受け付けは3月24日(木)からです。詳細は前記事をご覧ください。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

第8期 「紬きもの塾’16」の受講生を募集します

2016年03月10日 | お知らせ
「紬入門基礎コース」「染織実習コース」共に定員に達しましたので、受付を締め切りました。3/26追記 

紬きもの塾’16の受講生を募集します。
募集の受付は3月24日(木)からになります。

第9回と第10回の日程が変更となりました。
申し込みを希望されている方は恐れいいりますがご確認ください。3/12追記



第7期 麻の伊達締めを縫う

お蔭様で2009年より今年度8期目を迎えます。

少人数制でかなり濃密な時間を一年間ともに過ごさせてもらうことになりますので、
過去の紬塾のブログをよくお読みいただきご理解のうえお申し込みください。
ブログにすべて細かくは書いてはいませんが、趣旨はお分かりいただけると思います。

また、今期から染織実習コースは人数を減らしました。
いつも大変好評をいただいているのですが、少しコンパクトにして今年は試してみます。
次年度以降でも染織コースのお申し込みはできます。

16年の詳細とお申込みはこちらから。

お申し込みはかたち21(担当:笹山)までお願いします。

「1.入門基礎コース」、「2.入門基礎+染織実習コース」のいずれかと、

ご住所、お電話番号、お名前を明記してください。

折り返しメールで受付のお返事を差し上げます。一両日中に返信のない場合はお電話でお問い合わせください。

きものを着ている、いないにかかわりませんが、上質の手仕事、着物文化を大切に考え、次世代に伝えてくださる方々と共に学ばせて頂けることを願っています。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加