「かたち21」のHP
桶谷寧作「曜変天目茶碗」(以下の写真はいずれも部分撮影したもの)
朝日新聞出版社から出ている週間朝日百科「国宝の美」シリーズの第7巻が19日に発行されました。
国宝の曜変天目茶碗を中心とするやきものを特集した号ですが、
ここにわが「かたち21」のHPにもサイト(下記)を設けている
陶芸家の桶谷寧さんが曜変天目の解説者として登場しています。
桶谷さんが創作している曜変天目茶碗を、国宝のそれに匹敵するレベルのものと評価してきた私としては、
たいへん慶ばしいことであると思っています。
曜変天目茶碗というのは中国の宋の時代に焼かれた、美的な価値としては最高峰に位置するとされるやきもので、
現代にまで伝承されているのは3点しかなく、いずれもわが日本で国宝に指定されています。
そして、この100年の間にも多くの陶芸家がその再現を試みましたが、
成功した例は、少なくとも私の知る限りではまだなく再現は不可能とされてきたやきものです。
唯一の例外が桶谷さんというわけです。
桶谷さんの「曜変天目茶碗」は「曜変天目」と名づけられるやきものがどういうものであるかを明らかにしていると私は思います。
あるいは、中国の宋時代のやきものが何を目指していたかがわかったような気がします。
その意味では同じ宋時代の青磁・白磁も同じ志から生み出されてきたものです。
それは何かというと、私の解釈では「土から玉(gem)を作る」ということです。
これはいわば東アジアの錬金術ですが、「土から玉へ」と物質を変容させることが
国家的なプロジェクトとして行なわれていたわけです。
そこから生まれてきたのが青磁であり白磁であり、そして曜変天目茶碗であると私は思います。
しかし桶谷さんの創作に対する評価は、単に古典の再現ということだけにあるのではなく、
むしろ重要なのは、現代の「やきもの」の概念を根底から変革する要素を持っているという点にあります。
つまり私たちはここで「やきものとは何か」を改めて問い直し、
「土を焼く」ことの意義について検討する必要が迫られているわけです。
私は現代の新しいやきものは、桶谷さんの曜変天目茶碗から始まると思っています。
桶谷寧のサイトはこちら
桶谷寧作「曜変天目茶碗」(以下の写真はいずれも部分撮影したもの)
朝日新聞出版社から出ている週間朝日百科「国宝の美」シリーズの第7巻が19日に発行されました。
国宝の曜変天目茶碗を中心とするやきものを特集した号ですが、
ここにわが「かたち21」のHPにもサイト(下記)を設けている
陶芸家の桶谷寧さんが曜変天目の解説者として登場しています。
桶谷さんが創作している曜変天目茶碗を、国宝のそれに匹敵するレベルのものと評価してきた私としては、
たいへん慶ばしいことであると思っています。
曜変天目茶碗というのは中国の宋の時代に焼かれた、美的な価値としては最高峰に位置するとされるやきもので、
現代にまで伝承されているのは3点しかなく、いずれもわが日本で国宝に指定されています。
そして、この100年の間にも多くの陶芸家がその再現を試みましたが、
成功した例は、少なくとも私の知る限りではまだなく再現は不可能とされてきたやきものです。
唯一の例外が桶谷さんというわけです。
桶谷さんの「曜変天目茶碗」は「曜変天目」と名づけられるやきものがどういうものであるかを明らかにしていると私は思います。
あるいは、中国の宋時代のやきものが何を目指していたかがわかったような気がします。
その意味では同じ宋時代の青磁・白磁も同じ志から生み出されてきたものです。
それは何かというと、私の解釈では「土から玉(gem)を作る」ということです。
これはいわば東アジアの錬金術ですが、「土から玉へ」と物質を変容させることが
国家的なプロジェクトとして行なわれていたわけです。
そこから生まれてきたのが青磁であり白磁であり、そして曜変天目茶碗であると私は思います。
しかし桶谷さんの創作に対する評価は、単に古典の再現ということだけにあるのではなく、
むしろ重要なのは、現代の「やきもの」の概念を根底から変革する要素を持っているという点にあります。
つまり私たちはここで「やきものとは何か」を改めて問い直し、
「土を焼く」ことの意義について検討する必要が迫られているわけです。
私は現代の新しいやきものは、桶谷さんの曜変天目茶碗から始まると思っています。
桶谷寧のサイトはこちら