モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

「アート鑑賞いろは塾」第4回のお知らせ

2012年10月15日 | アート鑑賞いろは塾


第4回会場「家の展示館」(鈴木工務店内)夜景


「アート鑑賞いろは塾」第4回を下記のように開催します。

テーマ:「取合せの美」
日時: 11月10日(土)午後2時~4時
会場: 「家の展示館」(可喜庵と同じ鈴木工務店敷地内 最寄駅は小田急線鶴川)

「取合せの美」はいわば日本的な美学の一番大きな特徴をなすものと言えます。
それを創り出したのは「おもてなしの文化」で、発生的には室町時代の中期あたりから、
そして桃山期の茶の湯によって集大成されていったものです。
だから「取合せの美」を表す代表的なものとして茶事における
茶室のしつらえが挙げられます。またそれに関連して床の間飾りや会席の膳一式もそうです。
きものの装いも取合せがイノチであるし、もっと広く、
私が思うには日本の伝統的な生活文化の全体が「取合せの美」の意識で貫かれています。
これを日本における「用の美」と言うのです。

茶事の究極の目的は「一座建立」ということにあります。
そして喫茶後の礼としての茶道具の鑑賞も、一座建立の一環としてなされます。
ここが西洋美学における、作品に一対一で向き合う鑑賞法と根本的に異なるところです。
そして一座建立的なアート鑑賞が日本の文化を育てていったと私は見るわけです。

今回の会場は、これまでの可喜庵のある鈴木工務店の敷地内の
「家の展示館」を使わせていただけることになりました。
ここには茶室を兼ねた日本間があるので、床の間などを活かして、
「取合せ」のいくつかのサンプルを目の前にしてお話していくことを考えています。

とはいえ、この塾は単なる「お勉強の会」ではなく、
「床の間飾り」は「床の間奪回」という意識で捉えているように、
「取合せの美」を(つまり一座建立的アート鑑賞法を)いかに現代に取り戻していくか
という問題意識の下で話していくつもりですので、
そのようなものとしてご了解しておいていただきたいと思います。


開催の詳細および聴講の申し込みは実践知塾サイトでどうぞ。

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