産経ニュース 2015.4.1 19:20更新
【オウム公判】オウム公判、判決は30日 高橋被告「事実と向き合う」 地下鉄事件で改めて無罪主張
地下鉄サリン事件など4事件に関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第38回公判が1日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれた。地下鉄事件について、弁護側は改めて無罪を主張。高橋被告は最終意見陳述で「一連の事件で自分ができることは何なのかと回答を出すために、事実と向き合い日々考えることが今必要だと思う」と述べて結審した。判決は30日。
検察側は「一連の事件で重要な役割を担っており、責任は重大だ」として無期懲役を求刑している。
弁護側は最終弁論で地下鉄事件について、「被告にサリンをまくと説明した」とする上司だった元幹部の井上嘉浩死刑囚(45)の証言が信用できないと主張。また、被告を含む犯行メンバーが教団拠点に集まった際も「サリン」という言葉は出なかったと指摘した。その上で「被告は液体が何なのか全然知らずに運転のワーク(修行)をしただけだ」とし、無罪を主張した。
他に起訴されたVXガス事件でも無罪を主張。目黒公証役場事務長監禁致死と都庁郵便物爆発事件では、一部起訴事実に関して幇助(ほうじょ)犯にとどまるとして「懲役10年を超えることはありえない」と主張した。
高橋被告は「この裁判で被害者をはじめさまざまな人の話を聞けたことは大変良かった」とも述べたが、最後まで事件の遺族や被害者への謝罪はなかった。
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◇ オウム高橋克也被告 第21回公判 井上死刑囚が証言「『サリンをまくから運転手をするように』と伝えた」
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