産経ニュース 2015.3.31 15:42更新
【最後のオウム法廷】高橋被告に無期求刑 地下鉄サリン 検察「寡黙で腕の立つ仕事人」
地下鉄サリン事件など4事件に関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判の論告求刑公判が31日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれた。検察側は「被告の責任は極めて重大だが、従属的側面があることも認めざるを得ない」として、無期懲役を求刑した。1日の弁護側最終弁論で結審し、4月下旬に判決が言い渡される。
高橋被告は、VXガス▽目黒公証役場事務長監禁致死▽地下鉄サリン▽都庁郵便物爆発-の4事件で起訴された。
論告で検察側は、起訴された全ての事件での被告の役割について「犯行の正否に関わる重要なものばかり」と指摘した。死刑求刑も検討したが、地下鉄事件で被告と同じ送迎役への過去の判決や、被告が上司の指示に従う立場だったことを考慮。「一生涯刑務所の中で自分の犯した罪と向き合わせることは、意味のないことでない」と無期懲役の求刑に至った理由を説明した。
この日の論告で検察側は、地下鉄事件の犯行前に高橋被告が教団への強制捜査を妨害する目的でサリン散布の計画を認識していたと主張。被告を「現場で臨機応変に行動した、寡黙で腕の立つ仕事人」と表現した。
約17年間の逃亡については「自己の都合のみを考え最後の最後まで逃亡を続けた」と批判した。
地下鉄事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(68)らが被害者参加し、検察の求刑後に「厳正な処罰を求める」との意見を代理人の弁護士が読み上げた。
高橋被告は地下鉄事件について「サリンをまくとは知らなかった」と無罪を主張。他の事件でも殺意や共謀を否認して、全ての事件で起訴内容を争っている。
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