放送法違反の偏向NHKに受信料を払う必要なし 尖閣も竹島も歴史上明らかに日本領土、中台以上に呆れる日本政府の姿勢~小山和伸氏
「マット安川のずばり勝負」JBpress 2012.05.04(金)
マット安川 今回のゲストは経済博士・小山和伸さん。都による尖閣購入表明の話では、日本国帰属を示す古地図や外交文書など歴史資料をスタジオで検証。また日本の安全保障や主権者意識についても幅広くお聞きしました。
■放送法4条を守らないNHKに受信料を徴収する資格ナシ
小山 メディアの偏向報道是正を目指すメディア報道研究政策センターを一般社団法人化して、10カ月ほどたちました。
われわれが特に重視しているのは、NHKへの対抗措置です。NHKは最近、民事訴訟も辞さずに受信料を払わせようという姿勢を強めています。
その論拠になっているのが放送法第64条で、NHKの放送を受信できる機械、要するにテレビを買ったものは、放送を見ていようがいまいが受信料を払わなければいけないことになっている。
しかし、一方に4条というものがあって、公序良俗に害しないこと、対立のある問題については両論併記すること、事実を曲げて報道しないことなどの原則が定められています。
NHKはこの4条に違反してるんじゃないかというのが、われわれの立場です。
例えば南京大虐殺とか従軍慰安婦の強制連行とか、実際にあったという立場からの報道ばかりなんですよ。反対意見については、今さら「なかった」と言う酔狂な人がいるというトーンで紹介するだけ。とうてい両論併記とは言えません。
強制連行について言えば、韓国政府は今でも20万人が連れ去られたと言い張っていますけど、連れていかれたところを見たという第三者証言はゼロです。
私が連れていかれたと言う人は時々いるけれど、きちっと裏が取れたのもゼロ。調べてみると当時7歳だったとか、生まれてなかったとかね。日本軍が駐留してなかった地域で何百人の兵隊に囲まれたと言ったりする。
そういう確証のない問題について、あったと決めつけるような報道をしちゃダメでしょう。僕はNHKに抗議しました。謝罪とともに、あれは間違いだったという同じ長さの番組を流すまで、受信料は払いませんと。
そのとき自動引き落としになったお金がこれから先の分なら返してくれと言ったら、返還してきましたよ。以来僕は受信料を払っていません。
■中国、台湾にもまして日本政府にもあきれる尖閣問題
石原(慎太郎・東京都知事)さんは起業家精神がある方だと思いますよ。尖閣諸島をめぐっては寄付を募ると言って、それがもう集まっているようじゃないですか。都民の税金で買うのは云々なんて言ってるうちに、かえって都の財政が潤っちゃうかもしれない。
尖閣諸島について復習しますと、日本政府は1895年に沖縄県の行政所管に入れました。それ以降、ずっと日本の領土です。
日清戦争で日本が勝ったときに割譲された領土がありましたが、尖閣はそこに入っていない。つまり戦争に勝って取り上げたものじゃないんです。
産経新聞にも出たことですが、1920年、長崎にいた中華民国の領事が発行した公文書があります。嵐で遭難した中国の漁民を助けた石垣島の人への感謝状です。その文書には、日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島と書いてある。日本の領土だとはっきり認めているわけです。
1960年、中共(中華人民共和国)が出した地図でも、尖閣は日本領になっています。しかし1968年、国連のアジア極東経済委員会が、尖閣海域にイランに匹敵する海底油田がありうると発表した。そしたら途端に、台湾も中共もオレのだと言い始めたわけです。
1978年、日中平和友好条約を結んだとき、小平って人は尖閣問題の解決は次世代の知恵に委ねましょうなんてことを言った。次世代の知恵もへちまもないじゃないですか。日本のもんでしょ、明らかに。
なのに解決を棚上げしたまま、日本政府は条約を結んだわけです。国際間の条約は最新のものが一番有効ですから、これはまずいことです。
そして今も自らの主権をきちっと主張しない。台湾も中国も開いた口がふさがらないぐらい図々しくてあきれるんだけれど、日本政府もあきれたもんだと思いますよ。
■韓国は竹島問題の国際機関への提訴を拒否した
竹島だって日本のものです。朝鮮半島の李王朝は1438年から、なんと443年間も空島政策を続けていた。これは要するに無人島のままにしておくということですね。島に渡っちゃいけないと。つまり李王朝は、竹島のみならず鬱陵島も放棄していたわけですよ。
日本はどうかというと、1625年、江戸時代の初めに徳川幕府が大谷、村川両家に渡航許可を出しています。
韓国側の主張は、元禄のころ、安龍福という男が竹島に行って日本人を追っ払ってきたというのが根拠なんですが、調べてみるとそれは竹島じゃなくて、于山島という別の島です。
だいたい安龍福は空島政策に違反して死罪になるところだった。日本人を追っ払ったというのは、死罪を逃れるための言い訳に過ぎません。幕府の公文書と彼の言い分と、どちらに信憑性があるかってことですよ。
サンフランシスコ講和条約でも竹島は日本領とされていますが、その翌年、韓国の李承晩大統領が突然、李承晩ラインを引いて自分のものにした。
その後、日本の漁船328隻が拿捕、漁民3924人が拉致されたほか、海上保安庁の巡視艇が銃撃される事件が起こったりした末、1954年に韓国が竹島の灯台の運用を開始したんですね。
日本はこのとき韓国に、国際司法裁判所への提訴を提議したわけです。出るとこに出てはっきりさせようじゃないかと。しかし韓国はこれを拒否した。戦えば負けるって分かってたということですよ。こういう経緯を日本はもっとアピールしてもいいんじゃないですかね。
■拉致問題も復興も前に進まないのは「他人事」だから
今の政府の体たらくぶりにはほとほとあきれます。あまりにも意識が低いし、国民の気持ちが分かっていない。
結局のところ、みんな他人事なんですよ。だってそうじゃないですか。拉致問題にしたって、自分の娘が連れ去られたら黙っていられるわけがない。
しかも向こうは最初、知らない、いないと言っていたのに、やっぱりいたけど死んじゃった、これが骨だって送ってきたわけです。調べてみたら個人には無理というくらいの高温で焼いてあった。
それでもDNA鑑定した結果、横田めぐみさんの骨ではなかったと日本政府が言ったら、北朝鮮はあんな高温で焼いたのにDNA鑑定ができるわけないだろって返してきたんですよ。
これ、おかしいでしょ。ご両親の立場になって考えたら怒るだけじゃ済まないですよ。政治家は自分の娘だと思って事に当たらないといけません。そういう意識を持たなかったら国民の負託に応えられるわけがないんですよ。
最近、京都府の亀岡市で起きた交通事故だってそうです。教頭先生や警察が加害者の少年の父親に被害者の電話番号を教えちゃったという話ね。
被害に遭った人の身になって考えたら、事故が起きたばっかりなのに、そんな電話がかかってきたらどんな気持ちになるか、なぜ考えられないのかね。当事者意識があったら教えるわけがないと思うんだ。
拉致問題もそう、東北の復興が進まないのもそうですよ。僕はこういう今の世の中、非常に危ないと思います。
「マット安川のずばり勝負」4月27日放送
・小山 和伸(おやま・かずのぶ)氏(1955年2月18日-)
神奈川大学経済学部教授。経済学博士(東京大学)。横浜国立大学経営学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専門分野は、経営管理論、組織論、戦略論、技術経営論。著書に『救国の戦略』(展転社)、『戦略がなくなる日』(主婦の友新書)など。