【歴史戦 第2部 慰安婦問題の原点5】「日本だけが悪」演出~火付け、たきつけた日本人たち(第2部 終り)

2014-05-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

【歴史戦 第2部 慰安婦問題の原点(5)前半】「日本だけが悪」 周到な演出…平成4年「アジア連帯会議」
 産経ニュース 2014.5.25 10:54 
 「なぜ日本政府が、前年のソウルでの女性会議の『反日決議』とそっくりな談話を出すのか」
 フリージャーナリスト、舘雅子(87)は平成5年8月、慰安婦募集の強制性を認め、日本の悪行を強調した河野洋平官房長官談話が発表された際、こう戸惑ったのを覚えている。
 前年の女性会議とは、4年8月に開かれた「挺身隊問題アジア連帯会議」(現・「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」)のことだ。舘はこの会議が「慰安婦問題で事実にもとる日本の悪評を広める出発点になった」と振り返る。
 会議を主催したのは、韓国の反日団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)とアジア女性神学教育院。日本からは「日本軍『慰安婦』問題行動ネットワーク」と「売買春問題ととりくむ会」が参加し、日韓のほか台湾、フィリピン、香港、タイから計数百人が出席した。
 社会党参院議員の清水澄子弁護士の福島瑞穂、12年に昭和天皇を有罪とした女性国際戦犯法廷の共同代表の一人も務めた朝日新聞記者の松井やよりらも参加し、報告に立った。
 この会議に参加した舘は会場で迷い、ドアの開いていたある小さな部屋に足を踏み入れてしまった。
 そこでは、韓国の伝統衣装、チマ・チョゴリを着た4~5人の元慰安婦女性が1人ずつ立って、活動家とみられる日本人女性や韓国人女性の言葉を「オウム返し」に繰り返していた。
 「元慰安婦に(シナリオ通りに)言わせるのは大変なのよね」
 日本からの参加者がこう話すのを耳にしていた舘は、あの部屋で見たのは「元慰安婦女性たちの振り付けだ」と確信した。
 この日の午前中の会議は紛糾を極めた。各国の代表が発表に立った際のことだった。
 「私たちは韓国の女性と違って、優しくて従順なので日本の兵隊さんにかわいがってもらい、遠足にも一緒にいきました。だから韓国の強い姿勢とは違う」
 台湾代表がこう主張し、韓国側が要求する個人補償を求めない考えを表明すると、激しいヤジが飛んだ。声を荒らげて怒る人、議長席に詰め寄る人などで会場は騒然となった。
 続いて、インドに住むタイ人女性が「日本軍さえたたけばいいのか。インドに来た英国兵はもっと悪いことをしたのに」と泣きながら訴えると、日本語の怒鳴り声が会場に響いた。
 「黙りなさい。余計なことをいうな!」
 舘はこのときの様子を「日本だけが悪いというストーリーを作り上げていた」と述懐する。
 会議では、慰安婦問題のためのアジア連帯を結成し、今後の連帯行動を進めることが決まった。さらに、日本に対し(1)歴史認識を改める(2)謝罪する(3)元慰安婦に賠償金を支払う(4)再発防止のための教育を行う-などを求めることで一致したという。
 日本からの参加者は帰国後、日本政府に事実の調査と個人補償を要請する活動を展開した。舘は、このときの会議の決議が「河野談話の基となったことを疑う余地はない」と断言する。(敬称略、肩書は当時)
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【歴史戦 第2部 慰安婦問題の原点(5)後半】火付け、たきつけた日本人たち
 産経ニュース 2014.5.25 12:59 
 平成4年8月にソウルで開かれた「挺身隊問題アジア連帯会議」で、日本だけをたたく韓国とは違う視点を示した台湾やタイの女性に対し、「余計なことを言うな!」と怒鳴った相手が誰かを、ジャーナリストの舘雅子は記憶している。
 声の主は、日本キリスト教婦人矯風会メンバーで「売買春問題ととりくむ会」事務局長を務める高橋喜久江。明治19年に発足した矯風会の初期の主な活動の一つに公娼制度の廃止運動(廃娼運動)がある。
 高橋によると、矯風会が慰安婦問題に関わるようになったのは昭和63年のことだ。高橋が、のちに韓国の挺身隊問題対策協議会(挺対協)共同代表になる梨花女子大教授の尹(ユン)貞(ジョン)玉(オク)に出会ったことがきっかけだった。
 この年の春、高橋は韓国・済州島で尹の講演を聞き、「講演で挙げた資料に(日本の作家の)千田夏光の本がないのはなぜか」と尹に話しかけた。帰国後、「従軍慰安婦」という造語を広めた千田の著書を尹に送り、連携を強めていった。高橋は日本国内での慰安婦問題の拡大、過熱について「挺対協がのろしをあげてくれた」と評価した上で、こう自負する。
 「私も火付け役をした」
 高橋は平成2年6月6日の参院予算委員会での議事録を尹に送った。それは、社会党参院議員の本岡昭次の質問に、労働省職業安定局長が「(慰安婦の)実態について調査して結果を出すことはできかねる」と答えた部分だった。
 この答弁について、現在、挺対協常任代表を務める尹(ユン)美(ミ)香(ヒャン)は今月20日、日本人記者団にこう評価した。
 「韓国世論が(慰安婦問題に)関心もなく、被害者自体も(名乗り)出ていなかった中で、世論(の共感)が盛り上がる大きなきっかけは、本岡の国会質問に対する日本政府の答弁だった」
 日教組傘下の兵庫県教組委員長出身の本岡は、元年から兵庫県における「朝鮮人強制連行」の実態調査を開始した。その過程で慰安婦問題にも着目し、3年12月に神戸市内で韓国人元慰安婦の金学順と面会した。その時のことを、本岡はこう振り返る。
 「『国会議員でしょ。本来ならあなた方が解決しなきゃいかんことじゃないですか』とやられた。『そこまで言われたら、国会議員としてやれるだけのことはやってみせます』とたんかをきったんですよ」
 本岡は以後、慰安婦問題に本格的に取り組む。13年8月に参院副議長に就任するまでの間、慰安婦と日本政府の法的責任をめぐる国会質問は20回以上にのぼった。
 「日本で問題にならないなら、ジュネーブの国連委員会に議論を持ち込もう」
 こう考えた本岡が白羽の矢を立てたのが、英語に堪能で、国連に人脈を持つ弁護士、戸塚悦朗だった。
 戸塚は4年2月、ジュネーブの国連人権委員会に対し、慰安婦問題を取り上げるよう求め、初めて慰安婦は「性の奴隷」だと主張した。「龍谷法学第45巻第2号」の中で、戸塚は「この問題を国連に報告すべき時期が到来したと判断した」と説明している。
 別の雑誌では「性奴隷」という言葉を用いた理由について、こう記している。
 「『従軍慰安婦』問題に関する国際法上の検討がなされていなかったため、これを法的にどのように評価するか新たに検討せざるをえなかった。結局、日本帝国軍の『性奴隷』(sex slaves)と規定した。直感的な評価だった」
 戸塚は、7年までに少なくとも15回以上欧米などに渡航し、国連などで活発なロビー活動を展開した。その結果、8(1996)年2月、国連人権委は、慰安婦を性奴隷と認定した「クマラスワミ報告」を採択するに至る。それが2007年7月の米下院慰安婦決議などにもつながった。
 戸塚を運動に巻き込んだ本岡だが、慰安婦を性奴隷と規定することには違和感を抱き、「戸塚と言い争った」と語る。
 本岡は「国の責任で法律をつくって『慰安婦』問題を解決すべきだ」との立場だ。とはいえ、「20万人強制連行説」や「性奴隷説」が慰安婦像や碑文とともに世界で流布されている現状に対しては不満がある。
 「納得がいかない。そういうことが独り歩きするのは嫌だし、問題の解決に役立つとは思わない」
 産経新聞は戸塚に複数回にわたって取材を申し込んだが、「(私の)論文を読んでいただきたい」として応じなかった。
(敬称略、第2部おわり)
 この企画は有元隆志、阿比留瑠比、大竹直樹、是永桂一、櫻井紀雄、田北真樹子、田中靖人、原川貴郎、ソウル・加藤達也が担当しました。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *リンクは来栖
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