野田・谷垣合意でも民主党内にクーデター決起の可能性/勝栄二郎財務省が野田首相に「G20欠席」を助言?

2012-06-09 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

野田・谷垣会談合意でも民主党内に「クーデター決起」の可能性あり!? ~野田氏が政治生命を懸ける「消費増税政局」の行方
現代ビジネス2012年06月09日(土)歳川隆雄「ニュースの深層」
 日本外交史上、前代未聞のことが出来するかもしれない---。野田佳彦首相が6月18~19日にメキシコのロスカボスで開催される主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を欠席する可能性があるのだ。
 先に米国キャンプデービッドで開かれた主要8ヵ国(G8)首脳会議を、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「新政権発足による内政上の理由」で欠席、メドベージェフ首相が代理出席したが、その背景には外交・安全保障上のロシアの対米不信があり、優れてプーチン氏の外交判断によるものだった。
 だが、仮に野田首相欠席となれば、それは、一にかかって消費増税関連法案を巡る流動的な国内政局に起因するものである。
■首相不在時にクーデターの可能性
 現時点で言えることは、野田首相がメキシコに向け政府専用機で羽田空港を発つ17日の前々日か14日に自民党の谷垣禎一総裁とのトップ会談が開かれることになるはずだ。この野田・谷垣会談で消費増税関連法案の修正合意・会期末21日の衆院本会議採決で一致を見るのではないか。
 その運びとなったとしても、野田氏にとっての懸念材料は依然として足元の民主党内の「造反」の動きである。小沢一郎元代表とその支持グループ(約100人)は既に「反消費増税」の旗幟を鮮明にしており、盟友の鳩山由紀夫元首相と同グループ(約20人)も同調する意向を明らかにしている。
 この小沢・鳩山連合に加えて、4日の内閣改造で農水相を更迭された鹿野道彦氏のグループ(約30人)や旧民社党系(約40人)など中間派の一部に消費増税関連法案先行の法案採決に異論を唱えるグループ、さらには関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に慎重論の超グループ勢力(衆参院議員117人が署名)がトップ会談合意に反発して大団円となる可能性が指摘されているのだ。
 要は、首相不在中に反消費増税勢力が宮廷クーデターを起こす心配をし始めているということである。勝栄二郎事務次官率いる財務省が、「クーデター決起」の可能性を指摘、野田首相に対しG20欠席を助言しているという情報が筆者の耳に届いている。
■これから激動の2週間が始まる
 もともと同法案の継続審議を模索してきた輿石東幹事長は、首相留守中、民主党所属衆院議員292人中、最低でも150人超が「採決反対」に署名すれば会期末採決を強行できないと見て、その署名活動を黙認(扇動)するのではないか。となると、G20に出席して20日午前に羽田空港に降り立った時点で、翌日の法案採決を断念せざるを得なくなる。それどころか、会期末に首相辞任表明といった事態も起こりうるのだ。
 従って、野田氏はその時期、遙かメキシコに行っている場合ではなくなるのだ。消費増税関連法案賛成に向けた多数派工作の陣頭指揮を執らなければならない非常事態である。もちろん、谷垣氏とのトップ会談が不調に終われば、いずれにしても「政治生命を懸ける」消費増税が実現しないことになり、G20出席のためのメキシコ行きは野田氏の"卒業旅行"になる。
 財務省がG20サミット欠席を助言するには、当然ながら根拠がある。今や民主党との修正協議を事実上、差配しているのは旧大蔵省OBの伊吹文明元幹事長(現衆院社会保障・税一体改革特別委員会筆頭理事)であることは周知の通りだ。伊吹氏が胸中に抱くプランは、法案採決で「小沢造反」によって民主党分裂・少数与党に転落させて、衆院解散権を実質的に自民党が奪取、友党・公明党が望む「早期解散」(遅くとも年末解散・1月総選挙)を実現することである。そして次期衆院選で自民党が第1党になり、民主、公明両党と大連立を樹立するというものだ。
 同プランにリアリティがあるかどうかはともかく、14、15日のいずれかに行われる野田・谷垣会談で「消費増税政局」の行く末が決まることだけは間違いない。これから激動の2週間が始まる。
*歳川隆雄
 国際政治経済情報誌「インサイドライン」編集長。1947年、東京生まれ。上智大学英文科中退。東洋経済アメリカ(ニューヨーク) 発行の「The Oriental Economist Report」の東京支局長も兼務。著書には、「外務省の権力構造」(講談社)、「日本の危機管理」(共同通信社)など多数。
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「民主党 小沢の読み通り反対派拡大」日刊ゲンダイ /「増税前にやることある」小沢グループがのぼり旗 2012-06-08 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
民・自・公「15日までに結論」 民主党内は真っ二つ
日刊ゲンダイ2012年6月8日 掲載
小沢の読み通り反対派拡大
 それみたことか。消費増税のために自、公との修正協議を始めた野田政権に、案の定、民主党内から反発が噴出し始めた。
 当たり前の話で「修正協議」という名の「自民党案丸のみ交渉」であるのは歴然だからだ。このままでは自民党にのみ込まれる。焦った中間派の議員たちが動き出したのである。
 そのひとつが「党の『民主的合意形成』を実現する集い」だ。党内の複数のグループにまたがっている議員らが呼びかけたもので、7日の会合には28人が出席した。旧民社党系を束ねる田中慶秋副代表があいさつに立ち、「自分たちは社会保障が前提で、消費増税が前提なのではない」とぶちかました。
 民主党は自民党との修正協議の実務者に、「ミスター年金」長妻昭と細川律夫の元厚労相コンビを内定していたが、自民党が「1人にしてほしい」と言い出したため、長妻を細川の補佐役に回らせた。マニフェストにこだわる長妻を引かせたことで、ますます、党内の警戒感が強まっている。
 内閣改造で農林水産相を外された鹿野のグループも不満タラタラだ。「党内を切り捨てて、どんどん自民党に傾斜している」(中堅)という怒りが渦巻いている。こうした動きを受けて、小沢元代表は意気軒高だ。7日の若手との会合では「約束をホゴにしていいんだということになれば、ちっちゃな子供たちの教育もできない」と野田首相を切り捨てた。
「野田首相との会談の中身も漏れてきました。首相が小沢氏を説得したのではなく、小沢氏が野田さんに『こりゃ無理だよ』と諭す場面が多かったらしい。『党内の反対は自分たちだけではないぞ』『どんどん広がるぞ』という趣旨のことを小沢氏は言ったそうで、その通りの展開になってきました」(民主党関係者)
 修正協議で自民党は「最低保障年金」や「後期高齢者医療制度廃止」の撤回を求めるほか、増税する際の経済成長率の目標値も引っ込めさせる腹積もりだ。民主党内の議論を全部、蹴散らすつもりである。輿石幹事長は必ず、党に持ち帰り、了承を求めることを約束している。民・自・公は修正協議の初会合で「15日までに結論」を確認したというが、絶対、スンナリまとまらない。
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「増税前にやることある」=小沢グループがのぼり旗
時事通信2012/06/08-17:07
 民主党の小沢一郎元代表が主宰する勉強会「新しい政策研究会」は8日、消費増税関連法案反対を訴えるのぼり旗を150枚作成し、同研究会に所属する議員向けに配布した。街頭活動などで使われる。
 小沢氏は、野田佳彦首相による政策の優先順位の付け方を批判しており、のぼり旗には、白地に赤で「増税の前にやるべきことがある」と書かれている。「前」の文字だけ赤白を反転させ、首相との「時間軸」のとらえ方の違いを際立たせた。
 小沢氏は7日に開かれた自らを支持する若手議員の会合で「国民の中に、大衆の中に入れ」と地元活動を強化するよう呼び掛けている。
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民主・再稼働「慎重」要請117人議員名一覧 大飯原発再稼働を慎重に判断するよう求める署名 2012-06-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 小沢、“野田いじめ”始動!原発再稼動でも倒閣へ
 ZAKZAK2012.06.06
 民主党の小沢一郎元代表が、新たな倒閣運動に乗り出した。同党の有志議員117人が5日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を慎重に判断するよう求める署名を、野田佳彦首相あてに提出したが、大半が、非主流派の小沢氏や近い議員だったのだ。「消費税増税反対」に加え、「原発再稼働問題」という武器も手に入れ、一気に「野田降ろし」に突き進むのか。
 「本当に国家、国民、次世代を考えたとき、何をやらなければいけないかは、多くの人が分かっている。当たり前のことが当たり前のように決まる政治を実現したい」
 野田首相は5日午後、都内で開かれた経団連の定時総会で、消費税増税、原発再稼働、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を挙げて、こう意気込みを語った。
 しかし、民主党内の動きを見ると、野田首相の苦境は明らかだ。
 5日に提出された署名を呼びかけたのは、菅直人前首相グループの荒井聡元国家戦略担当相と、内閣改造で閣外に去った中間派の鹿野道彦前農水相グループの増子輝彦元経産副大臣ら。だが、名簿の半数以上は、小沢氏をはじめ、鳩山由紀夫元首相や岡島一正衆院議員など小沢系議員がズラリと名を連ねた。「117」という数字は、民主党議員の3分の1にのぼる。
 小沢氏に近い議員は「増税反対だけでなく、再稼働問題でも、数の力を見せつけることができた。この問題は、大阪市の橋下徹市長ともつながる。これにTPPを加えれば、人数はさらに増える。『野田降ろし』に向けて、着々とウイングが広がっている」とほくそえんだ。
 実際、民主党内の“野田包囲網”は確実に狭まっている。
 30人を抱える中間派の鹿野グループは内閣改造で閣僚がゼロになったため、「誰のおかげで首相になれたと思っているのか」(幹部)と反発を強めている。輿石東幹事長は増税法案の与野党協議について、自民党が求めている採決日の確定を拒否。修正協議の実務者である長妻昭元厚労相らは自民党案の丸飲みに強く反対している。
 世論も野田首相には厳しい。内閣改造後の世論調査で、内閣支持率は、共同通信が32%(前回比4ポイント増)、朝日新聞は27%(同1ポイント増)となっており、効果はほとんどみられなかった。それどころか、増税法案を「今国会で成立させるべき」は17%と低調だった。
 ただ、小沢氏にとっては、「9月の代表選で野田首相を引きずり降ろし、息のかかった新代表・首相を誕生させるのが上策。小沢系議員は選挙基盤が弱いので、野田首相を追い詰めすぎて衆院解散・総選挙を打たれたら最悪」(民主党中堅議員)だけに、厳しい駆け引きが続く。
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◆民主・再稼働「慎重」要請117人議員名
署名議員
<衆議院>
逢坂誠二(北海道8区)
鳩山由紀夫(北海道9区)
階猛(岩手1区)
黄川田徹(岩手3区)
小沢一郎(岩手4区)
石山敬貴(宮城4区)
石原洋三郎(福島1区)
渡部恒三(福島4区)
福島伸享(茨城1区)
松崎哲久(埼玉10区)
松崎公昭(千葉8区)
櫛渕万里(東京23区)
羽田孜(長野3区)
斎藤進(静岡8区)
萩原仁(大阪2区)
稲見哲男(大阪5区)
村上史好(大阪6区)
梶原康弘(兵庫5区)
馬淵澄夫(奈良1区)
吉川政重(奈良3区)
古賀敬章(福岡4区)
菊池長右エ門(比例東北)
石井章(比例北関東)
高野守(比例北関東)
水野智彦(比例南関東)
川島智太郎(比例東京)
小林興起(比例東京)
田中美絵子(比例北信越)
今井雅人(比例東海)
大山昌宏(比例東海)
笠原多見子(比例東海)
室井秀子(比例近畿)
永江孝子(比例四国)
道休誠一郎(比例九州)
野田国義(比例九州) 
<参議院>
主浜了(岩手)
岡崎トミ子(宮城)
行田邦子(埼玉)
小見山幸治(岐阜)
斎藤嘉隆(愛知)
福山哲郎(京都)
姫井由美子(岡山)
江田五月(岡山)
佐藤公治(広島)
武内則男(高知)
大久保潔重(長崎)
外山斎(宮崎)
江崎孝(比例)
ツルネン・マルティ(比例)
那谷屋正義(比例)
西村正美(比例)
藤原良信(比例)
呼び掛け人
<衆議院>
荒井聡(北海道3区)
佐々木隆博(北海道6区)
畑浩治(岩手2区)
京野公子(秋田3区)
太田和美(福島2区)
小泉俊明(茨城3区)
石森久嗣(栃木1区)
宮崎岳志(群馬1区)
小宮山泰子(埼玉7区)
小野塚勝俊(埼玉8区)
黒田雄(千葉2区)
岡島一正(千葉3区)
生方幸夫(千葉6区)
奥野総一郎(千葉9区)
東祥三(東京15区)
初鹿明博(東京16区)
岡本英子(神奈川3区)
首藤信彦(神奈川7区)
橘秀徳(神奈川13区)
樋高剛(神奈川18区)
篠原孝(長野1区)
加藤学(長野5区)
近藤昭一(愛知3区)
牧義夫(愛知4区)
杉本和己(愛知10区)
鈴木克昌(愛知14区)
平智之(京都1区)
大谷啓(大阪15区)
辻恵(大阪17区)
中川治(大阪18区)
坂口直人(和歌山2区)
山田正彦(長崎3区)
福嶋健一郎(熊本2区)
川内博史(鹿児島1区)
玉城デニー(沖縄3区)
瑞慶覧長敏(沖縄4区)
工藤仁美(比例北海道)
山口和之(比例東北)
三宅雪子(比例北関東)
柳田和己(比例北関東)
相原史乃(比例南関東)
山崎誠(比例南関東)
橋本勉(比例東海)
玉置公良(比例近畿)
菅川洋(比例中国)
皆吉稲生(比例九州)
<参議院>
徳永エリ(北海道)
舟山康江(山形)
金子恵美(福島)
増子輝彦(福島)
大河原雅子(東京)
森裕子(新潟)
米長晴信(山梨)
谷岡郁子(愛知)
中村哲治(奈良)
松野信夫(熊本)
相原久美子(比例)
有田芳生(比例)
石橋通宏(比例)
大島九州男(比例)
今野東(比例)
田城都(比例)
難波奨二(比例)
はたともこ(比例)
藤谷光信(比例)
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野田内閣再改造 消費増税と取引する愚 / 「増税反対派」増やした改造人事 2012-06-05 | 政治 
 「増税反対派」増やした改造人事
 日刊ゲンダイ2012年6月5日 掲載
 中間派の鹿野グループ、長妻グループが反旗
 4日発足した「再改造内閣」について、「適切な時期に適切な人材を選んだ」と自画自賛している野田首相。しかし、これまで首相を支えてきたグループが「冗談じゃない」と大騒ぎしている。野田政権はいよいよ終わりだ。
 今回の人事でカンカンなのが、鹿野グループ(約30人)だ。鹿野道彦農相と前田武志国交相が外された上、新たな入閣者もいなかったからだ。「首相を支えてきたのに、裏切られた。増税法案にも協力しない」と反旗を翻す議員も次々と現れている。
「我々のグループの半分は、当選4回以上のベテランです。どうしても両大臣を内閣から外すというなら、大畠元国交相を再入閣させたり、末松前内閣府副大臣を昇格させたりすることも出来たはず。それなのに首相は一方的に『内閣改造をします』と鹿野さんに告げただけで、断行。民間人まで入閣させた。首相にはずっと協力してきたのに、この仕打ちは酷いですよ。これでは増税法案にも賛成できません。もともと反対だし、これを機に縁を切ろうという議員も多いです」(鹿野グループ中堅議員)
 鹿野グループといえば、昨年8月の民主党代表選の決選投票で、大半が野田に投票し、野田逆転勝利に貢献した。いわば野田政権誕生の立役者だ。野田は気を配らなければいけないのに、冷遇し、自民党の要求に沿った再改造内閣を発足させた。鹿野グループが「恩知らず」と激怒するのも当然だ。
 5日昼にグループ会合を開き、今後の増税法案への対応を話し合うが、この状況で「協力する」という議員は皆無だろう。
「鹿野グループに続き、中間派から増税反対にシフトしそうなのが、党の厚労部門会議の座長を務める長妻昭元厚労相のグループ(約20人)です。マニフェスト通り、後期高齢者医療制度の廃止の素案をまとめたのに、自民党が廃止の撤回を求めているため、野田首相は及び腰です。長妻グループからは『自民党にスリ寄るのもいい加減にしろ!』『マニフェストの旗を降ろせと言うなら、増税には反対する』との声が上がっている。鹿野だけでなく、長妻グループも増税反対に動けば、残る中間派も同調する。そうなると、首相を支えるのは岡田副総理や仙谷政調会長代行ら、わずか数十人。自民党全員が増税法案に賛成しても、衆院の過半数には達しないでしょう」(政治ジャーナリスト・小谷洋之氏)
 中間派には「小沢は嫌いだが、小沢の方がスジは通っている」と言い出す議員も目立ってきた。野田政権の終わりが、ぐっと近づいている。
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