小沢一郎氏の日米中「正三角形」「三本柱」説 /国際社会の現実と新しい情勢について理解できない人も多い

2013-03-01 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

〈来栖の独白 2013/3/1 Thu. 〉
 小沢一郎氏について弊ブログではカテゴリーを設け、考えてきた。秘書逮捕に始まる一連の事件・裁判がきっかけであった。これは唯に小沢氏についてのみではなく、司法・検察・政治家・メディア・・・など、実に広範な問題を私に考えさせた。「小沢潰しの後ろ(元)にはアメリカがいる」「全ての既得権益側(メディアも)による小沢潰しがなかったなら、小沢一郎は総理になっていた」という人もいた。
 ところで、小沢氏は鳥越俊太郎氏のインタビューで、中国にもアメリカにもズケズケ言ってるよ」と発言している。これはどうか? 小沢氏に、米中が見えているか? 政治家というものは、現状と、少なくとも数年後、数十年後を見通す目が必要だと私は思うが、3年前、団を組織して訪中し胡錦濤氏に謁見した小沢氏に、中国が見えていただろうか? またその直後の中国の動きが予見できていたか? 疑問である。中国は遅くとも1970年代から日本侵略を仕掛けていた。周到に諜報(インテリジェンス)を敷いてきた。
 昨年安倍氏や石原慎太郎氏の言動を「まるで大政翼賛会」と評した小沢氏に、中国という国が読めていたとは、思えない。アメリカは少なくとも民主主義国家であるが、中国はそうではない。すべての国が民主主義国家になるわけではない。中国は日本に対し挑発を繰り返して国連憲章の敵国条項を該当させ日米を分断、日本征服を企んでいる。
 小沢氏が総理になっていたら、対中国はどのような状況が現出していただろう。小沢氏は日米中の在るべき姿を「正三角形」「三本柱」と譬えたが、民主主義を斥ける中国に「共存共栄」という思想はない。繰り返すが、「核心的利益」と称する中国の覇権主義は、今に始まったものではない。時間をかけて練りに練られたものだ。 2013-03-01 17:37:43 

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◆ 『アメリカの新・中国戦略を知らない日本人』アメリカは尖閣で戦う! 日高義樹 ハドソン研究所首席研究員 PHP研究所2013年2月27日第1版第1刷発行 

     

p54~
第1部 オバマ大統領は石原前都知事に敗れた
 石原前都知事がアメリカの新聞に「尖閣列島を守ろう」という大きな広告を出したとき、彼はこう述べた。
 「尖閣列島が中国に占領されれば、船舶の自由航行が阻害される」
p55~
  これを読んだアメリカ海軍の首脳が私に電話をかけてきて、こう言った。
 「石原知事の行動は、戦略的に見て素晴らしいものだ。新聞広告も強い説得力があった」
  アメリカ海軍の首脳は総じて言えば石原前都知事に同情的である。表立っては言わないものの、心の中で拍手している。(略)
 オバマ政権は、基本的には親中国政権である。(略)『ニューヨーク・タイムズ』などのジャーナリストたち、学者たちは、ビジネス一筋の日本をあまり快くは思っていない。しかも歴史的に日本が侵略国家であったという認識を持っているため、侵略された中国や朝鮮に同情的である。
p57~
  尖閣列島についてもこれまでオバマ政権は基本的に日本を助けるつもりはなく、事態をうやむやに処理しようと日本側に圧力を加えた。だが2012年の選挙の結果、50%政権になってしまったオバマ政権の政治力は低下している。対中国政策も変わらざるを得なくなるだろう。
p58~
  尖閣列島とは何か。いまや尖閣列島は日本と中国の争いの象徴である。だがこの争いは、ある意味では国際社会における日常茶飯事とも言うべき、兵器なき戦いに過ぎない。この戦いを演出した石原前都知事は、日本とアメリカ、そして中国の3つの国の関係があまりにも欺瞞に満ちており、当然あるべき姿になっていないことを正すために尖閣列島を持ち出したのだと思う。
  日本では民主党政権が登場して以来、日本とアメリカと中国の3つが協力して世界を動かすという、いわゆる3本柱説が盛んに言われるようになった。この愚かしい説がどこから出てきたかの詮索は別として、民主党政権が成立した当初、民主党の小沢一郎元幹事長が中国と話し合ったあとにワシントンを訪問するなどといったことから推察して、国際情勢に疎い民主党政治家が先走りして3本柱説を言い出したとしてもおかしくはない。
p59~
  だが、この説を主張する人々が理解していないのは、ワシントンには大きく言って中国に対する3つの違った姿勢をもつグループが存在していることである。
  1つは、民主党の左寄りのリベラルなグループや『ニューヨーク・タイムズ』で、いまの中国と協力して国際社会を動かしていこうというグループである。
  もう1つは、中国が資本主義化を進めて経済的に豊かになれば、やがて民主主義制度に移行し、平和勢力として優れたアメリカの同盟国になるだろうと考える人々である。このグループは、キッシンジャー・グループと重なるが、すでに述べたように、現在のオバマ政権にはキッシンジャー・グループの人々が大勢いる。
  3つ目のグループは、独裁的な中国の共産主義体制を滅ぼさなければならないと考えているブッシュ前大統領のグループである。その中核は、共産主義を悪魔だと主張してソビエトを滅ぼすことに全力を挙げたレーガン大統領を信奉するグループで、「レーガン・リパブリカン」と呼ばれている。
  以上の3つのグループは中国に対する姿勢がそれぞれ違っているが、現実問題としてはっきりしているのは、中国がアジアにおいて帝国主義的な領土への野心を明確にしていることである。南シナ海や東シナ海だけでなく、中国は各地で領土拡大の動きを見せている。
p60~
  中国はここ数年、資源があると見られる南シナ海のベトナムやフィリピン、マレーシアなどの島々を奪おうとしてきたが、いまや日本の尖閣列島、さらには沖縄も狙っている。2012年12月、中国は国連の大陸棚限界委員会に対して、「中国の大陸棚は沖縄トラフに及ぶ」という申請を提出した。
  広大な中国は、14にのぼる国と国境を接しているが、国境を越えての侵略を恐れている国は多数ある。なかでもベトナムは1979年、北部ベトナムに対して行われた中国軍による攻撃の記憶が生々しく残っているせいか、私がハノイで会ったベトナム政府の首脳たちは、アメリカよりも中国が怖いと訴えていた。(略)
p61~
  アジア各国は中国の軍事力増強を警戒し、領土的野心に対抗して動き始めているが、アメリカに国の安全を頼りっぱなしにして半世紀以上を過ごしてきた日本は、自国の安全を守るための体制を積極的にとろうとしてこなかった。こういった情勢に火をつけたのが、石原前都知事の尖閣列島買い入れ発言だったのである。
  東シナ海に浮かぶ小さな島々に過ぎない尖閣列島は、アメリカのオバマ政権が触れたくないと思ってきた問題を白日の下にさらしてしまった。いまオバマ政権の閣僚や官僚たちは、尖閣列島問題がこれ以上拡大したり、さらに悪化して火がついたりすることを恐れ、話し合いで問題を収めてしまおうと全力を挙げている。
  しかし、オバマ政権はもはや、この問題をこれまでのようにうやむやのうちに片づけることはできなくなっている。中国の帝国主義的な侵略という事実は、誰の目にも明らかになっているからだ。しかも50%政権として政治力を失ったオバマ政権は、中国に対して厳しい姿勢を取るグループの存在を無視できなくなっている。
  いまわが国がとるべき道は、「尖閣列島の実効支配を行っているのは日本である」という事実を強化することである。
p62~
  石原前都知事が主張しているように、漁場をつくったり、台風避難施設をつくったりすることも有効な方法だと思われる。
  日本が積極的に動き出せば、中国側は当然のことに、『人民日報』や北京放送を通じて批判攻撃を強め、金にあかせて世界中に訴えるだろうが、それは北京政府の宣伝であるとして日本政府もアメリカ政府も聞き流さねばならない。
  中国が軍事行動に出た場合には、アメリカはいやおうなく軍事的対応を迫られる。いままでのような、うやむやな姿勢は許されない。日本にとって幸運なことは、親中国政策をとるオバマ大統領が再選されたものの、アメリカの主流である白人グループの信頼を大きく失ったことだ。
  尖閣列島の問題は、石原前都知事が予想した通りの方向に動いている。これは国際社会の現実から見れば当たり前のことだが、日本国民のなかには、そうした国際社会の現実と新しい情勢について理解できない人も多い。
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◆ 『日本の悲劇 怨念の政治家小沢一郎論』中西輝政著 PHP研究所 2010年04月15日発行 
p22~
■これは「対中追随」へ国策を転換する革命だ
 あゝ、やっぱりこういうことだったのか。
 2009年12月、民主党の小沢一郎幹事長に率いられた総勢600人以上(うち国会議貝は約140名)の訪中団が、大挙して北京を訪れた。日本のTVニュースでは連日、中国の胡錦濤国家主席とのツーショット写真の撮影に列をなして順番待ちし、一瞬のショットに収まる民主党国会議員たちの姿を映し出していた。
 一方、そのころ東京では、沖縄の米軍・普天問基地の移設問題の紛糾が連日ニュースで伝えられ、11月の日米首脳会談で合意を見たとされる「年内に結論を出す」という期限が迫っているのに、鳩山政権はなぜこれほど先延ばしを繰り返すのか、といぶかる声が日米双方から、しきりに発せられていた。
 そこへ次のような報道が日本に伝わってきた。一足先に韓国経由で帰国した小沢氏と別れ、訪中団の団長を務めていた山岡賢次国会対策委員長は、上海市で開かれたシンポジウムに出席して次のように語ったという。
 「日米関係が基地問題で若干ぎくしゃくしているのは事実だ。そのためにもまず、日中関係を強固にし、正三角形が築けるよう米国の問題を解決していくのが現実的プロセスだと思っている」 山岡氏はこう語ったあと、さらに続けて、「(12月10日の)小沢幹事長と胡主席との会談でも確認されたが、日中米は正三角形の関係であるべきだ。それがそれぞれの国と世界の安定につながる」と強調したという(『産経新聞」2009年12月15日付、『日本経済新聞』12月14日および15日付)。また、民主党訪中団の名誉副団長を務めた輿石東参議院議員も、訪中前の12月3日、記者会見で「日米中は等距離の三角形の関係にある」と語っていたと報じられた(上掲『産経新聞』)。
 やっぱり、これは「普通の政権交代」ではなかったのだ。少なくとも、12月の民主党の大訪中団の本質は、「正三角形への旅立ち」を中国と世界、とりわけアメリカに対してデモンストレーションする、という点にあったのである。
 ワシントンにとって山岡氏の言葉は、普遍的な外交の常識からいって、衝撃的ですらあったろう。というのも、それは「日米関係がぎくしゃくしているいまこそ、日中関係を強固にして日中米の正三角形を実現する現実的チャンスだ」といっているわけで、これは日本にとってたんなる政策の転換ではなく、国策の転換を意味するからである。
 とすれば、日本の民意はこれを了としているのか。少なくとも二〇〇九年八月の総選挙ではいっさい問われていない。しかし、そのことは中国の国家主席と日本の「最高実力者」のあいだですでに合意がなされていることも山岡氏は明らかにしており、おまけに山岡氏と並んで民主党内でも小沢幹事長の最側近として脇を固めている輿石氏までが、いまや日本の国家戦略の基本は「正三角形戦略」に置かれていることを口にしているわけである。
 やはり、これは「普通の政権交代」ではなく、民主党関係者がこの三カ月ずっと口にしてきた「無血革命」だった、と見るほかないだろう。「革命」ならば、民意を問う必要はいっさいなく、「子ども手当マニフェスト」を掲げて奪取した権力に依拠して、一気呵成に進めても「革命的正統性」はあるのかもしれない。
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「独裁者」の肖像 小沢一郎「天皇観」の異様 小沢が突き進む「民主集中制」への道 中西 輝政 京都大学教授  文藝春秋2010年2月号
 12月14日、小沢幹事長率いる訪中団の団長を務めた山岡賢次国対委員長は、上海で開かれたシンポジウムで、「日米関係が基地問題で若干ぎくしゃくしているのは事実だ。そのためにもまず、日中関係を強固にし、正三角形が築けるよう米国の問題を解決していくのが現実的プロセスだと思っている」(「産経新聞」12月15日付け) この「日中米正三角形論」は「最高実力者」小沢幹事長の持論を代弁したもので、鳩山首相の「友愛」イメージとも相俟って、「日本はアメリカとも中国とも仲良くしていく」というだけのこと、としばしば誤解される。しかし、そんな誤解は日本国内でしか成立しない。
 「日中米正三角形論」の正体とは何か。それは、日米同盟から日中同盟へのシフト・チェンジである。言うまでもなく、アメリカは日本の同盟国であり、中国はそうではない。これを「正三角形」、すなわち等距離に置くということは、日米同盟を破棄するか、新たに日中同盟を結ぶことを意味する。普天間移設問題とこの発言とを合わせるならば、「日本は同盟のパートナーをアメリカから中国に乗り替える」というメッセージ以外の何物でもない。
 さらに、山岡氏は同じ演説で、この正三角形論は、「小沢幹事長と胡錦濤国家主席との会談でも確認された」と述べている。これは驚くべき発言である。首相でも、外務大臣でもない与党幹部が、中国の最高責任者との間で、日本の根本的な外交方針について「確認」を行っているのだ。
 同盟関係の見直し、これは単なる「政策転換」ではない。日本国の運命にかかわる致命的な「国策転換」である。
 これほど重大な「国策転換」が、国民に対する説明もなく、民意の汲み上げもなく、易々と行われる。これが、今の民主党政権の危うさである。この軽さと危うさが重大な国難を招く可能性は高い、と言わざるを得ない。 今、国民が気づきつつあるのは、こうした「国策転換」の要に、外交に関する権限など何も有していない小沢氏が位置していることの不気味さであり、しかも、小沢氏自身が自らの「越権行為」をごく当然のこととして振舞い、誰も異議を唱えないことの奇怪さだ。
 そして、自らの権限を無制限に広げていくかのような小沢氏の危うさが国民の目にはっきりと露呈したのが、冒頭で触れた天皇陛下まで動かした特例会見問題だった。
なぜ中国は天皇との会見にこだわったのか
 山岡国対委員長が小沢幹事長を代弁する形で、「日中米正三角形論」をぶち上げた翌日、鳩山首相が普天間移設問題を無期限先送りし、日米同盟から日中同盟へのシフト・チェンジを宣言した。その12月15日に、天皇陛下と習中国国家副主席との“特例会見”が行われている。この符号は偶然ではない。
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小沢一郎民主党幹事長 胡錦濤国家主席と会談「野戦軍の総司令官として解放戦が終わるまで徹したい」 2009-12-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

      

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◆ 『世界の変化を知らない日本人』日高義樹著 2011年5月31日第1刷 徳間書店
第5章 民主党は日米関係の歴史を壊した
p134~
  私のいるワシントンのハドソン研究所には、アメリカの情報機関で分析官をやっていた人物がいる。彼の話によると、アメリカ政府は小沢一郎はじめ民主党首脳の対中国政策と動きを綿密に監視してきた。
  「中国からの情報もあれば、アメリカ情報調査局や国家安全保障局(NSA)などからの情報もある。あらゆる情報が担当者の手許に集まっている。日本の民主党と小沢元代表が中国に接近していく動きは手にとるように明らかだった」
  民主党の小沢元代表は、中国を取り込んで日中の協力体制を作り、アメリカを牽制して外交的にアメリカに対する強い立場を作ろうとした。こういった小沢元代表はじめ民主党首脳の動きは、私ですら耳にしていたのだから、多くの人々が知っていたに違いない。
  小沢元代表が「沖縄の海兵隊はいらない」と言ってみたり、日米安保条約に反対したりしているのをアメリカが苦々しく思ったのは、単に反米的な姿勢だからというだけでなく、中国と手を組んでアメリカに対抗しようとしたからである。
p135~
  小沢元代表の師ともいえる田中角栄元首相も、アメリカに対抗するために石油資源を獲得しようとしてアメリカに敗れた。田中元首相は結局、アメリカの石油メジャーと激突してしまい、ニクソン大統領とアメリカのCIAに打ち負かされてしまった。
  小沢元代表と民主党のアメリカに対する反乱は、そういった過去の出来事と比べるとあまりにも矮小である。まず小沢元代表の態度は中国と対等に手を結ぶというよりは、明らかに中国におもねっていた。民主党政権が発足した当時、長年の同盟国であるアメリカのワシントンではなく、まず北京に挨拶に行くべきだと示唆した態度などに、中国に対するあからさまな媚がよく表れている。
p142~
第2部 民主党の指導者には国家意識がない
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『アメリカに潰された政治家たち』孫崎亨著(小学館刊)2012年9月29日初版第1刷発行 

       

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小沢一郎裁判=「官僚支配に従う者」と「国民主権を打ち立てようとする者」とを見分けるリトマス紙である 2011-10-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
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『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と小沢一郎氏が対談〈全文書き起こし〉2011-07-30
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この国が恐ろしいのは、総ての権力が同じ方向を向いて走り、正義より自分たちの足元ばかり気にしている点だ 2011-10-03 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 

       

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【小沢裁判とは何だったのか】摘まれた首相の芽 毎日新聞 特集ワイド《鳥越俊太郎・小町谷育子・鈴木哲夫》 2012-11-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
小沢裁判「国民騙したメディアは猛省すべき」と鳥越俊太郎氏 2012-05-09 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
『小沢一郎 語り尽くす』TPP/消費税/裁判/マスコミ/原発/普天間/尖閣/官僚/後を託すような政治家は  2011-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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◆ 小沢一郎氏は「このままだと大政翼賛会」と言うが/ ただ単に戦争回避ではなく、「平和」の質が問われている 2012-12-11 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
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『最終目標は天皇の処刑』 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2012年1月27日 初版第1刷発行
p114~
  そして工作員は「大使館員」「新華社社員」「各紙特派員」「各種国営企業代表又は派遣員」「教員」の公的身分で入国します。ただし、その身分はまったくの表向きだけのものです。どんな肩書で来ようと、工作組織責任者だけの命令に従って、工作に専従すると書かれています。また、工作員は全員「第48党校日本部」の出身者から選抜するとしています。“党校”とは、一般に中国共産党直属の党員養成機関ですが、なぜ第48党校なのかは、その後の組織改編等もあり、現在ではわかりません。
p115~
  第2期工作要綱が発掘された1972年は、日本にとって重要な意味をもつ年だったと思います。「日中国交回復」「沖縄返還」さらには「あさま山荘事件」と、数多くの歴史的な出来事が起きています。(略)
 前年の1971年を振り返れば、中国が突然、尖閣諸島の領有を主張し始めています。それと合わせるかのように、朝日新聞の本田勝一(かついち)記者によって、“南京大虐殺”など旧日本軍の罪を捏造した『中国の旅』の連載が始まり、日本人に中国への“贖罪意識”を植え付ける工作が始まっています。不思議な話ですが、それ以前は中国国内で南京大虐殺に関する研究発表など、ほとんどありませんでした。ところがこれ以降、中国が南京大虐殺を喧伝するようになるのです。もちろん、本田勝一氏が中国の工作員であったと断定するつもりはありません。が、ここに書かれているように普通の日本人であっても正体を隠した工作員と接触する中で、本人が知らないうちに中国政府の走狗と化してしまう、という可能性も否定できないのです。
p124~
 日中記者交換協定
  1972年時点において、工作要綱に第2期と名付けられていることからもわかるように、すでに日本国内に相当の工作機関員が潜伏していました。特にマスコミ工作に関しては、かなりの環境作りがなされていたようです。そうした環境作りの一環といえるのが1964年に結ばれた日中記者交換協定でしょう。この日中記者交換協定によって朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞、西日本新聞、共同通信、NHK、TBSの9社の報道機関が、国交がない段階で北京に常駐できることになります。ところが、68年の改定で中国側から「政治3原則」が押しつけられ、各社は否応もなくそれを飲まされることになりました。
1、中国を敵視してはならない。
2、「2つの中国」を作る陰謀に加担しない。
3、中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げない。
 p125~
  これ以降、中国はジワジワと日本のマスコミに圧力をかけていくのです。例えば当時、日本のマスコミでは台湾の国民党政府(中華民国)と区別するために、北京政府を中共と呼んでいました。(略)そのため国交が樹立して真っ先に要求してきたのが、“中共”という呼称を中国に変えさせることでした。本当の中国は自分たちであり、台湾ではないということを認めさせたのです。この協定が結ばれて以降、中国に不利益となる報道はできなくなります。
  例えば、林彪がモンゴルで墜落死した事件が大手新聞社で報道されたのは、事件後半年も経ってからでした。おそらく、政権内部で権力闘争が続いていることが公になって、中国が推進する日中国交樹立に支障を来すことを危惧した新聞社が自主規制したのです。
  その後も朝日新聞などを中心として、“中国ブーム”のようなものを起す動きが顕著になっていきます。国交回復を機に贈られたパンダブームもそうですが、中国は巨大市場であり、中国は膨大なエネルギー資源があり、日本は近しくならなければ損であるといった具合に、マスコミによって親中国の世論醸成がなされていったように私は感じます。当時、朝日新聞に中国には大油田があり、関係がよくなれば石油は心配いらなくなるという記事が書かれていたのをはっきり覚えています。
p126~
  そして1972年の日中国交回復から、1978年の福田赳夫内閣による日中平和友好条約締結を経て、翌年からは大平正芳内閣によって莫大なODA供与が開始されることになるのです。
  この記者協定を楯にした、報道規制は現在でも明らかに残っています。2011年、北アフリカでわき起こった「ジャスミン革命」の余波が、中国にも波及しました。中国各地で民主化を求める集会が開かれましたが、その際、中国政府は集会をインターネットで呼びかける市民を逮捕するなどの弾圧を加えました。そして、こうした動きを取材しようとする日本や欧米のメディアに対しては、強制国外退去をちらつかせて圧力をかけるなど、いまだに自由がない国であるということを世界中に知らしめました。ところが、そのような事実があったことを、いつもなら「報道の自由」を口にする日本のメディアが積極的に報道したとは言えません。そうしたことも日本の大手マスコミが記者協定に縛られている結果だと思われます。また、先に述べたように、東日本大震災において台湾から過去最多の義援金が送られたにもかかわらず、中国ばかりが目立つような報道がなされたのも、記者協定という見えない圧力があったとみて間違いありません。
p209~
 つまり、ごく当然のこととして世界制覇という揺るぎない大望を抱いているのだと思います。中華思想という言葉がありますが、“中華”という言葉自体は孫文が考えた概念であり、実は誕生してから100年ほどしか経っていません。ただし、その根底にあるものは孔子、孟子、老子などの思想に西洋の植民地主義の考え方を導入したものです。孫文はアメリカ合衆国のような国民国家の連邦制を目指しましたが、それは中国人中心の国、中国人上位の民族主義でもあったのです。そうしたバックボーンを持つ彼らは「弱肉強食」という文化の中で生き続けているのです。
 中国以外のアジア諸国で成立した原始宗教、例えばチベットのボン教にしろ、インドのヒンズー教にしろ、日本の神道にしろ、精霊や万物に命が宿るという自然観があります。しかし、中国の場合は世界は善か悪か、生か死かの二元論なのです。中国で兵法が発達したのも、戦術を駆使していかに自分が生き延びていくかが大事だったからでしょう。そして、最終的には征服するか従属するかであり、共存共栄という概念はないのです。
 自然崇拝をする民族は、第1に自然との共生を尊び、他の人間とも共存共栄を図ることを目指します。そのために個人は、その共同体と一体化するという精神性を伝統的に持っています。征服する、あるいは従属するということではなく、どうにかしてお互いに生き、生かされる道を探そうという文化があるのです。
p210~
 このような精神性はアジアにおいて、現在ではイスラム圏に含まれるアフガニスタンまで通底していると思います。バーミアン文明に見られるように根底には仏教的な共存共栄の思想が残っているはずです。
 確かに中国にも仏教は伝わり、“信仰”として広まりましたが、残念ながら、“文化”として深く根付くには至らなかったのだと思います。生きるか死ぬかの世界では、価値観の根底にはならなかった。そしてその信仰の対象は、常に現世利益が中心であり、“来世と現世”あるいは“自分と自然”という観念を持つ宗教観は非常に薄いと思います。中国が約束を守らないということもそういう宗教観や倫理観の希薄さから生じていると思います。彼らにとって約束とは永遠に守るものではない。その時の利益を守るための方便、戦術でしかないのです。たとえ酔っぱらっていようと、自分の口から発した言葉には責任を持ってしまうという一般的日本人とは、そこが決定的に違うのです。
 工作要綱にもあったような、日中が共通の文化を持つ民族だというプロパガンダに騙されることなく、あくまで中国人は異質の人間として捉え、その人々とどう向き合っていくかを考えることが大事です。 *強調(太字・着色)は来栖
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中国の奥の手は「敵国条項」中西輝政 月刊WiLL:2013年2月号 2012年12月20日発売
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