落合GMのコストカットは21世紀型球団経営なのか? / 落合GM「明るい話題」岡田俊哉投手 大幅増

2013-11-14 | 相撲・野球・・・など

落合GMのコストカットは21世紀型球団経営なのか?
 THE PAGE 11月14日(木)10時12分配信

    

   [表]中日 主な選手の減額一覧
■厳冬と表現された中日の契約更改
  中日の落合博満GMが主導で行っている契約更改は、厳冬と表現され、その合計減額がいくらになったのかがメディアの焦点となっている。大事なはずのチーム生え抜きの井端弘和を退団に追い込んだ2億3000万円の削減を筆頭に、吉見一起が1億1500万円、和田一浩が8000万円、荒木博雅が6800万円、浅尾拓也を5500万円、山井大介が2000万円という大口もあって、締めて5億円に届きそうな勢いである。
 野球協約の限度額25%(1億円以上の選手は40%)いっぱいの金額を提示されても、一人として保留せずにサインするに至っている。今季チームはBクラスに低迷した。まさに信賞必罰を実行した厳冬更改である。中日球団の赤字を本社が広告費として補填している金額が、年間6億から10億円と言われているから、その赤字の大半を落合GMの豪腕で消したことになる。
■専門家の評価は「経営合理性が高い」
  果たして、この落合GMの手腕を、どう評価すべきなのだろうか。
  Jリーグやプロ野球の球団経営に詳しいスポーツ総合研究所の広瀬一郎・所長は「中日の詳しい内部事情は知らないので一般的なプロスポーツ経営学の観点から見て」という前提の上で「他の球団がやりたくてもやれなかったことを落合さんがやった。経営合理性が極めて高い契約更改だ」と、高い評価を与えた。
  「プロスポーツの経営で一番のリスクは選手人件費です。そこが球団経営を圧迫することになります。しかしプロ野球界では、『上げる時は大きく下げる時は小さく』という常識のようなものがまかり通っていて、私は経営学上、疑問でした。これまでは落合さんのような手法はタブーでしたから。本来は50%を超える年俸アップがあるならルールに従って25%のダウンはあって当然なんです。しかし、日本のプロ野球界は、選手がパワーを持っている。契約更改も情緒的で悪い時に下げるということがなかなかできない。落合さんだからこそできたことかもしれないが、非常に合理的です。今回、落合さんがやったことは21世紀の球団経営のデファクト(一般的な基準)になるかもしれません」
■勝てば勝つだけ球団経営を圧迫する?
  広瀬氏は、数年前に某球団の経営をコンサルティングしていたが、チームが勝ち始めると、財布を握るフロントは逆に青冷めていたという。「勝てば、その分年俸をアップしなければならないが、それに見合う経営収入が増えない」というのが理由だった。
  球団経営を圧迫している最大の要因は選手年俸の問題だ。そのアップ率に比例して観客動員や放映権料、マーチャンダイズも含めた球団の収益がアップすれば問題はないだろうが、そのバランスが悪いのが実情である。つまり人件費の増加に収益増加が追いつかず、チーム成績が悪くなったときに、これまで上げてきた分が重荷になる。
  そのリスクを回避するには、“下げる時には下げる”という荒っぽい人件費の調整が手っ取り早い。しかし、契約更改で、選手と査定担当者が面と向かえば、「来季こそ頑張って欲しい」「怪我をしたからしょうがない」というような温情が間に入ってきて、なかなか大胆なカットは難しい。選手の一部は代理人を使っているから、なおさら下げ幅は限られてくる。確かに広瀬氏の言うように元監督で現場と選手を熟知している落合GMが、選手以上のパワーを持っているからこそできた日本的温情を排除した革命的なコストカットだったかもしれない。
■低評価に引退を考えていたという山本昌
  だが、この一方的な経営サイド視点に立ってのコストカットに問題はないのだろうか。例え野球協約に準じた下げ幅であっても、これが企業で行われば、ユニオンが出てきて大騒動になる案件であることは間違いない。
  「(問題が)あるとすれば、選手のモチベーションですね。そこを含めて来季の中日の結果に私は注目しています」とは、広瀬氏。
  実は、今季16試合に先発、5勝2敗の成績に終わった山本昌は、下交渉の段階では6000万円から50%ダウンの3000万円を提示されていた。金額云々ではなく、あまりにも低い評価に山本昌は、周辺関係者に「もう引退した方がいいかも」と漏らしていたという。結局、本交渉では、落合GMが出てきて1000万円をアップした4000万円の提示と「50歳までプレー」の実質2年の複数年を“口約束”して山本昌を納得させたようだが、一度は、やる気を失せさせ、ここまでの恐怖政治を敷いたことは、山本昌に限らず、どこかでチームの歪になって跳ね返ってくると思う。
 「グラウンドに銭が落ちている」は、名将、鶴岡一人氏の名言だが、出来高払いのインセンティブも採用せず、駄目ならば大幅減額の恐怖心だけを選手に植え付けてしまっていては、ここ一番での主体性に大きな影響が出てくるのではないだろうか。
■ドラフト戦略にも影響を与える危険性も
 また今後、FA補強などについても「中日に行くと契約更改が怖い」と敬遠される可能性もあるだろう。新人選手の年俸には、よほどのことがない限り手をつけないのが球界の常識だったが、落合GMはルーキーの福谷浩司投手(9試合に登板して1敗3ホールド)の年俸も下げた。
  今後のドラフト戦略においても、アマチュアの各チームが「中日さんよりもっと待遇のいい他球団を」と考えて中日を敬遠する風潮が生まれ危険性もある。そうなると落合GMの取った方式は、長期的に見たチーム強化への影響も出てくるかもしれない。落合GMの契約更改方式が、本当に21世紀の球団経営のデフェクトになるかどうかは、まずは2014年シーズンの結果にかかってくるだろう。(文中年俸額はすべて推定)
 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル(http://www.athlete-journal.com/))
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【中日】落合GM「明るい話題」岡田大幅増
 日刊スポーツ 11月14日(木)1時26分配信
 中日落合博満GM(59)は13日、岡田俊哉投手(21)の年俸を417%増の3000万円とした理由について「アイツがいなかったら最下位だろ? 中継ぎで90イニング近く投げて1度もファームに行ってない。やった者は報われる。やらない者は落ちていく。この世界の原理原則を守って、それなりの評価をちゃんとしました」と説明した。  「よかったねえ、明るい話題で」とにんまりする一方で、思ったほど昇給しなかった大野雄大投手(25)と平田良介外野手(25)についてはこう説明した。
 「こんなもんでしょう。2ケタ(勝利)と言えば2ケタ、(本塁打)15本と言えば15本。でも2人とも(1度は)ファームに行ってるわけだし。普通に考えてくれれば、(大幅アップしない)察しはつくんじゃない?」。また、先発転向する岡田には「今度はこれ(3000万円)がベースになる。遊んでいる訳にはいかないよ」と、来季活躍できなければ大幅ダウンもあると、アメとムチをチラつかせることも忘れなかった。(金額は推定)
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【中日】岡田感激!417%アップ更改
 日刊スポーツ2013年11月13日15時21分
 中日4年目の岡田俊哉投手(21)が13日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、417%アップの2420万円増の3000万円でサインした。
 1軍デビューした今季は先発&中継ぎに大車輪の活躍で、チーム最多の66試合に投げて7勝5敗、防御率2・79。1時間前に更改した大野の60%アップ、1050万円増を抜き、率、額ともチーム最高の大幅昇給となった。
 岡田は「3000になりました。1500ぐらいあるといいなぐらいだったので、予想以上で驚いています。一瞬わかんなくなりました」と感激。厳冬更改が続く中で、左腕の大奮闘が報われた。
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