石巻3人殺傷事件(裁判員裁判で初の少年死刑判決) 控訴審初公判 2011/11/1 仙台高裁(飯渕進裁判長)

2011-11-01 | 少年 社会

石巻・3人殺傷 「一審死刑判決は不当」 初公判
河北新報 2011年11月02日水曜日
 宮城県石巻市の3人殺傷事件で殺人罪などに問われ、一審仙台地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた石巻市の元解体工の男の被告(20)=事件当時18歳=の控訴審初公判が1日、仙台高裁で開かれた。弁護側は事実誤認や量刑不当を主張して一審判決の破棄を求め、検察側は控訴棄却を求めた。
 被告が民家に侵入し、長女の南部美沙さん=当時(20)=らから交際相手の次女(19)を連れ去ろうとして、美沙さんらを殺害した事実認定について、弁護側は「(電話を手にした)美沙さんが警察に通報したと思い込み、感情を制御できなくなった。記憶が欠けるほど強い情動による衝動的な犯行」と主張した。
 さらに「精神状態を踏まえず残忍な態様とした事実認定に加え、更生可能性があると判断した鑑別結果などが正しく用いられず、審理が不十分。科学的調査から慎重に審理されるべき少年事件は、裁判員裁判の対象として限界がある」と訴えた。
 検察側は「被告から次女を離そうとする人を全員殺害しようとした計画的な犯行。被害者のどの部分を何回刺したか、共犯者らに説明したが、実際に受けた傷の状況とおおむね合う。自己の行為を十分認識して、犯行に及んだ」と反論した。
 一審判決については「最高裁判決などの死刑選択の基準に従い、詳細に検討した上で結論に達しており、適切」と指摘。「鑑別結果は弁護側の請求によって証拠調べした。十分吟味されているはずで、主張には根拠がない。審理不足は認められない」と結論付けた。
 一審判決によると、被告は2010年2月10日朝、共犯の無職少年(19)=東松島市、殺人・殺人未遂のほう助罪で不定期刑=と石巻市の民家に押し入り、次女の左脚に切り付けた上、美沙さんと、次女の友人の大森実可子さん=当時(18)=を刺殺。会社員男性(21)に大けがをさせ、次女を連れ去った。
 被告は上下黒のスーツ姿で出廷。10年11月の一審の時には、短かった髪が肩近くまで伸び、時折、髪をかき分けながら、弁護側と検察側の主張を聞いていた。
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石巻3人殺傷事件 検察側、少年(事件当時18歳)に死刑求刑 (⇒2010年11月25日、判決言渡し) 仙台地裁
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