石巻3人殺傷(事件当時18歳被告の裁判員裁判)死刑判決…「理解まるでなく、心底がっかり」井垣康弘弁護士

2010-11-26 | 少年 社会

〈来栖の独白〉
 石巻3人殺傷事件の死刑判決に心底がっかりしたのは、私だけではなかった。井垣康弘弁護士も、批判しておられる。
 横浜の裁判員裁判では驚いたことに、裁判官が被告人に控訴を勧めた。その池田被告は控訴しない意向を示している。「極刑を望む遺族の意向を無視できないから」と。
 中途半端な気持ちで判決を下すから、とんでもないことになった。上訴を当てに、死刑判決を出すなど、裁判所は素人(裁判員)を取り込んでメルトダウンしてしまった。命をあまりに軽くやり取りしていないか。まことに、正気の沙汰ではない。
 泣いたり「一生悩む」と言ってみたり、裁判員には甘えの構造が窺われるばかりで、人間に対する理解も優しさもない。このような裁判員にも裁判員制度にも不愉快千万、呆れ果てる。
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石巻の3人殺傷:死刑判決 理解まるでなく、心底がっかり--井垣康弘弁護士/宮城
 神戸家庭裁判所で約6000人の非行少年を担当した経験のある井垣康弘弁護士は、判決について、「『残虐な』人格に育て上げたことに対する理解がまるでなく、極度にゆがめられた『人格』も少年院での数年の育て直しで更正可能なことも分かっていない」とし、「心底がっかりした」と批判した。
 井垣氏は「弁護団に元家裁調査官などの少年司法の実務家が加わるべきだった」と強調。その上で「犯罪者に対し厳罰で臨む制度を維持し、死刑も活用しようとし続けているわが国自体の『残虐さ』を指摘せざるを得ない」とした。
毎日新聞 2010年11月26日 地方版
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横浜・男性2人殺害:死刑判決 池田被告、控訴しない意向
 裁判員裁判で初の死刑判決を16日に横浜地裁で言い渡された住所不定の無職、池田容之(ひろゆき)被告(32)の弁護団は25日、池田被告が控訴しない意向を示していることを明らかにした。
 弁護団によると、22日に接見した際、池田被告は「事件と向き合って考えを深めているので、(極刑を望む)遺族の意向を無視できず、控訴することは、それを傷つけることにもつながる恐れがある」などと語ったという。
 控訴期限は30日で、主任弁護人の青木孝弁護士は「今後も(控訴に向けて)説得を続ける」と語った。
 判決では朝山芳史裁判長が「重大な判断になったので控訴を勧めたい」と異例の説諭をしていた。【山田麻未】
毎日新聞 2010年11月26日 東京朝刊
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改正少年法 井垣康弘・神戸家裁判事の寄稿全文(1)(2)
井垣康弘・神戸家裁判事の寄稿全文(3)(4)
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