老人ホーム転落死 無罪を主張
NHK NEWS WEB 2018/01月23日 12時21分
４年前、川崎市の有料老人ホームで高齢の入所者３人をベランダから転落させて殺害したとして、殺人の罪で起訴された２５歳の元職員の裁判員裁判が、２３日から横浜地方裁判所で始まり、元職員は起訴された内容について「私は何もやっていません」と述べ、無罪を主張しました。
平成２６年の１１月から１２月にかけて、川崎市幸区の有料老人ホーム「Ｓアミーユ川崎幸町」で、いずれも入所していた※丑澤民雄さん（当時８７）と仲川智惠子さん（当時８６）、浅見布子さん（当時９６）の３人が死亡し、元職員の今井隼人被告（２５）が３人を４階や６階のベランダから転落させて殺害したとして殺人の罪に問われています。 この事件の裁判員裁判が、２３日から横浜地方裁判所で始まり、今井被告は起訴された内容について「私は起訴状に記載されたいずれの事実について何もやっていません」と述べ、無罪を主張しました。
このあと検察側は冒頭陳述で「事件が起きた時間帯にいずれも夜勤だったのは被告だけであり、３人を殺害したと認めた取り調べの様子は録音・録画もしていて信用性もある。職員への信頼を利用し非力な高齢者を狙った連続殺人だ」と指摘しました。
一方、弁護側は「３人が死亡したのは事故や自殺の可能性がある。自白は、捜査機関からの圧力もあり捜査員の意向に沿ってしたもので、信用性はない」などと述べて無罪を主張しました。
裁判は２３日からことし３月１日まで、行われるとする日程が決まっていて、その後、判決が言い渡される見通しです。
【傍聴希望１８６人】
裁判所によりますと、今回の裁判では１８６人が傍聴を希望し、抽選の倍率はおよそ４倍となりました。
傍聴を希望した今井被告の学生時代を知るという横浜市の２５歳の男性は、「３人が亡くなった痛ましい事件なので何が起こったのか、明らかになってほしい。被告には真実を話してほしい」と話していました。
また、横浜市の２２歳の大学生の女性は「老人ホームという場所で、なぜこのような事件が起きてしまったのか、本当のことを知りたい」と話していました。
◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――
老人ホーム転落死、被告が無罪主張 横浜地裁で初公判
日本経済新聞 2018/1/23 10:40
川崎市の介護付き有料老人ホーム「Ｓアミーユ川崎幸町」で2014年に入所者３人が相次いで転落死した事件で、３人を転落させたとして殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告（25）の裁判員裁判の初公判が23日、横浜地裁（渡辺英敬裁判長）で開かれた。今井被告は「何もやっていません」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
被告が３人を転落させたことを示す具体的な物証や目撃証言はない。ただ捜査段階で当初犯行を認める供述をしており、自白の信用性が公判の争点になる。弁護側も「事件性、犯人性を争う」と述べたうえで、予備的主張として責任能力について争う方針を示した。
起訴状によると、今井被告は施設に勤務していた14年11～12月の深夜～未明、入所していた当時86～96歳の男女３人の体を抱え、施設のベランダから転落させ殺害したとしている。
検察側は冒頭陳述で「入居者は自分で飛び降りる力は無く、全事件の時間帯に勤務していた職員は今井被告だけ。今井被告以外の犯行の可能性は極めて低い」と指摘した。
一方、弁護側は「いずれの被害者も自ら飛び降りた可能性もある」などと、事故や自殺の可能性を主張。自白については「警察から母親と妹を守ってやると言われたことで、嘘の自白をしてしまった」と述べた。
３人は施設の裏庭で転落死しているのが見つかった。当初は事件性がないとされたが、事故が連続したことから県警が捜査。16年２月に殺人容疑で今井被告を逮捕した。
捜査関係者によると、今井被告は任意の事情聴取や逮捕直後、「殺そうと思ってやった」などと犯行を認める趣旨の供述をした。しかし逮捕後しばらくして黙秘に転じたという。
◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
――――――――――――――――
◇ 川崎・老人ホーム入所者殺害 今井隼人容疑者、殺害認める供述を始める前「母親に相談した」 2016/2/19
◇ [川崎老人ホーム転落死]元職員今井隼人容疑者、3人殺害認める2016/2/16 （昨年は窃盗罪で執行猶予４年）
◇ 老人ホーム転落死 今井隼人容疑者「お見送りをやりたいと思い介護業界を選んだ。遣り甲斐は感謝の言葉」
...........