鶴亀万年

元素周期研究会総帥の亀けんじがおおくりする、あまり役に立たないお知らせや気まぐれな情報が連日満載!

元素周期『マンガで覚える元素周期』ホウ素

2012-02-20 13:08:40 | Weblog

 中性子を吸い取る性質なんかもあるようで、原発事故の後始末にも活躍中のホウ素が本日のキャラです。なぜ、なまはげなのかと申しますと、それは天啓、天の啓示があったんですね。言い方を変えればなんとなく思いついたというやつですが。でもまあ、家庭にやって来て悪いゴキブリを退治する怖い鬼のイメージだからいいんじゃないですかね。妹の方が舌が回らなくてちゃんと言えないところがとてもかわいいと思います。
 ホウ素を発見したのは、フッ素のときにこの人でもダメだったということで場違いな紹介のしかたをしてしまったイギリスのデービー卿です。この人は18世紀末から19世紀にかけて活躍した人で、ナトリウムやマグネシウムを発見したのもこの人とされております。ギロチンでこの世を去ったフランスのラボアジェ亡き後、なんかおいしいとこ取りをしたような気もしますが、まあ、そういった意味で歴史的な偉人の一人であることに間違いはありますまい。イギリスの米村伝次郎とか言いましたけど家柄もいいし実力はそれ以上。科学者としてすぐれていただけでなく、人柄もよくてめっぽう話し上手、そのうえたいへんなイケメンであったとも言い伝えられておりまして、イギリス王立協会のスターのような存在だったんですね。だから、たまに開かれるクリスマスレクチャー(これは今だにやっておりまして、日本の科学者も何人か講師として出たことがあり、読売新聞がスポンサーになって夏には日本でも開催されています。)をはじめとした講和会は社交界ってんですか、上流階級のご婦人方で開場が溢れ返ったとか…。
 ホウ砂というものが天然にとれるので、昔から医療や工業にはさかんに使われていたようですね。毒性はありますが、ホウ酸水なんかは家庭の常備薬として目の消毒なんかに利用していた覚えがあります。ホウ酸水にひたしたガーゼを割り箸でつまんで、そいつで目を洗ったもんです。もちろん割り箸は一度使ったやつを洗って取っておくんですよ。使った割り箸は検便のときにも使いましたよ。さすがにそれ以降は取っておきませんが。そういえば、検便って容器に入れてからさらに燐寸箱に入れて持って行ったような気がします。
 最近ホウ素が身近なのはやっぱりパイレックスとホウ酸団子でしょうかね。パイレックスはホウケイ酸ガラスというやつで、熱膨張率が低いので温度が急に変わっても変形しない。だから電子レンジや煮炊きもOKなんですね。昔は料理番組といえば必ずパイレックスの鍋で調理していましたが、今はどうなんでしょうか。それからホウ酸団子もおなじみ。うちでも使っているようです。あれをゴキブリがかじると毒もさることながら、脱水症状を起こしてひからびて死んじゃうんだそうですね。しかし、効果のほどはよくわかりません。
 あとは、不思議物体スライムの製造にも欠かせません。使うのはホウ砂の水溶液と洗濯のり。毒性がないことはないのでうるさいこと、いやいやご心配な向きもいらっしゃるようですが、玩具系とはいえ基本化学物質なのでそれなりの配慮が必要なのはもちろんのことです。少しぐらいなら食べてもおなかをこわす程度ですが、1kgとかを一気食いすると子どもだったら死んじゃうかもしれません。しかし、実際につくってみると、なんとなくおいしそうで口に入れてみたくなる気持ち、わかりますね。だから、できるだけ毒々しい色をつけることがおすすめですが、たとえば真っ赤にするとそれはそれ、イチゴのゼリーとかジャムとか水飴とか、そういったものにも見えちゃうので安心はできません。

燐寸主義:いろは印

2012-02-19 00:08:40 | Weblog

 本日の燐寸はいろは印。あまり見かけませんが現行商品です。これ、登録商標みたいですが、だれもそんなの侵害しないって。いろはの帯が地球をぐるっと取り巻いて、なかなかグローバルな絵柄ですが陸地の感じからすると地球じゃないですね。そのようなことはさておきまして、きっぱりとしたデザインで直線と曲線がうまく使い分けられており、なかなかよろしいのではないでしょうか。
 白東燐寸というブランドはありますが、販売をしているのは姫路市にある、その名もいろは商事という会社です。なんだかサザエさんかなんかに出てきそうな現実味の薄い社名ですが実在するんですね。燐寸のブランドはこのほかにニュース印というのがあるみたいなんですが、いまだかつて一度もお目にかかったことがありません。きっと関東では流通していないんでしょうね。燐寸のほかに100円ライターの名入れとか、ポケットティッシュとか、そういった印刷分野でここまでやっている会社のようです。

元素周期『マンガで覚える元素周期』ベリリウム

2012-02-18 16:36:42 | Weblog

 最初の方にあるのに以外と知られていない元素、ベリリウムが本日のキャラです。元素語呂合わせでおなじみの「水兵リーベ僕の船~」ではリーベの「べ」ですからね。最初から4番めの元素なんで原子番号は4です。ベリルという鉱物からとれることからベリリウムという名前がつきましたが、ベリルといえばエメラルドの原石ですね。だからいいうちの坊ちゃんという設定。ベリリウムは軽くてかなり特殊な性質の金属なのですが、人間に対する毒性がものすごく強いのでやたらに使えない。家柄も性格もいいんだけど毒があるんで近寄りがたいという、そんな存在です。
 金属のベリリウムは単体では使われませんが、合金にすると相手の金属のよさをぐっと引き立てるのでいろいろなところで使われております。たとえば、金属は打ち付けると火花が散りますが、ベリリウム合金は不思議と火花が散らないという性質があります。そこで燃えやすいガスや粉塵なんかを扱う現場用の工具に利用されたりしているんですね。また、F-1なんかでもスプリングとかエンジンまわりの部品なんかに使うと、アルミやマグネシウムなんかより軽くて丈夫でいいんですが、削りかすにも猛毒があるもんで、規定によって現在は使用禁止になっております。
 というわけで、活躍の場を宇宙に移して再出発をはかります。それが宇宙望遠鏡。ハッブルの後継機として決まっているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が2015年に打ち上げ予定なのですが、その主鏡にベリリウムが採用されているんですね。ハッブルは丸い鏡筒に包まれておりますが、こちらはむき出し。すばるなんかもそうですが、最近の巨大望遠鏡はこういう主鏡むき出しタイプが多いです。ぼっちゃんの頭の上に乗っているのがそれでありまして、主鏡はでかいので1枚ものではなく、6角形のやつを何枚も組み合わせるタイプです。

燐寸主義:寿福助印

2012-02-17 01:19:52 | Weblog

 本日のご案内は寿福助印です。これはイラストを色分解してあるし、燐寸主義的なデザインではないのですがなんか心惹かれます。それは絵がものすごく丁寧に描かれているからかもしれません。それから、寿の文字が2つあるのに1つは斜線を入れてうすくしてあるのもきっと意味があるんでしょうね。ふつうなら寿に合わせて福とかそういうめでた系の漢字を入れるんじゃないかとも思えますが、そうするとおそらく文字のウエイトが大きくなりすぎてしまうんでしょう。このグッドフィーリング、これはきっと名のある画家の手によるものなんじゃないか、などという想像も広がります。全体に黄色の地が敷いてあるのもこの絵柄だと自然な感じだし、箱を開けるとなんと頭薬の色が水色。全体で見るとひじょうに美しいと思います。
 北陸燐寸という会社はすでにないようで、寿福助のブランドは岡山にある業界大手の中外燐寸が受け継いでいるようです。ただ、この中外燐寸も燐寸製造の業務は縮小傾向にあるらしく、工場の敷地のかなりの部分が更地となり月極の駐車場になっていました。

120216元素周期『マンガで覚える元素周期』水銀

2012-02-16 09:49:55 | Weblog

 マンガネタ、まだまだ続きますよ。今日は水銀です。体温計の中身として、子どもの頃、それもほんとに小さいころからその存在自体は知っていましたね。あれ、「中身」でいいんでしたっけ、それとも「中味」でしたっけ。ちょっと調べたら「中身」みたいですが、どっちでもダメというわけではなく、並記している辞書もあるみたいでした。あれ、「並記」だっけ「併記」だっけ、辞書で調べたら「戦闘で使う道具」ってそれは「兵器」ですね。だいじょうぶか? これは「平気」。ならべて書くのはどっちもありですが「併記」がふつうみたいでした。以上。
 それで水銀ですが、体温計の水銀柱って測り終わったあといっしょうけんめい振らないと下がりませんよね。患者の前でやってる姿って看護婦さんのステレオタイプなイメージ、ありますけど。あれ、「ステレオタイプ」だっけ「ステロタイプ」のほうが正しいんだっけ。じつは、これも両方ありのようですね。で、話もどります。体温計の水銀柱って測ったあと下げるのがめんどうですが、下がらないからこそ温度をちゃんと記録して使えるんですよね。それで、上がったまま、そのままでは下がらないのって水銀の特性なのだと長いこと思っていたのですが、じつはそうではなかったんです。知ってましたか。水銀柱の根本近くにくびれがあって、そいつがあるんで下がらないんですってね。
 これを初めて考案したのは17世紀初頭のイタリアの科学者サントーリオ。ん、17世紀初頭のイタリアっていうとガリレオと同じ頃じゃんと思ったあなたはなかなか鋭いですね。このサントーリオ、ガリレオのお友達だったそうです。もちろん得意は医学分野。そういえば、ガリレオの名前はガリレオ・ガリレイで、たしか長男には名字と同じファーストネームをつけるならわしがあったんでこのようになったとかですが、サンントーリオのフルネームもサントーリオ・サントーリオっていうんですよ。ガリレオは名字と名前がちょっとだけ違いますがこの人はまったく同じ。どういう人生だったでしょうね。
 というわけで、物質中唯一の液体金属というとすごく不思議な気もしますが、沸点と融点の範囲が常温というだけのこと。といえばそれまでですが、まあものごとの見方や考え方は、どこに視点をおくかでずいぶん違ってまいります。先日のガリウムなんかもそうとう低い温度で液体になっちゃうわけですからね。でも、常温で液体というのはこの水銀と臭素だけ。
 液体金属といえばターミネーター2に出てきたアレですかね。T-1000。とりあえずそんなイメージでしたが近年はアニメのPちゃん(知っている人は神奈川県民のごく一部だと思いますが)も進化して液体金属化してました。でも、ネタ元はたぶんターミネーターでしょうね。自由に変身してネコをびびらせるところが気に入ってます。自販機ネタはどこかで見たような気もしますが、まあいいじゃん。てことで。