■2018年新年ネット句会■
■入賞発表/2018年1月3日
【金賞】
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子
大年の魚市場は、新年を迎えるために、一年で最も活気づく。一歩市場に入れば潮の香がふんぷんと溢れている。なにもかもが「ふんだん」である。(高橋正子)
【銀賞/2句】
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
冬夕焼けは、みるみる消えてしまうが、その消える前に入日を惜しんで、室内へ、本棚へ明るく射し込む。静かで美しい時だ。(高橋正子)
24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
マンションのドアに思い思いの注連飾りが飾られ、形も材料も様々なものがずらりと並び、淑気漂う中、出入りする人たちの多彩な生活が想像されます。 (柳原美知子)
【銅賞/3句】
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
初詣は、すがすがしいことが一番である。手水には青竹を設えてそこより水を流している。淑気が漂う境内だ。(高橋正子)
21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
今年は元日に大きな満月が見られた。帰り道、偶然にいつもよりも明るい大きな月に出会えた。それが元日であることに特別の安らぎがある。また、口語表現で、さりげなく「高い」で切れていることが、この句のまた別のよさだ。(高橋正子)
26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海/柳原美知子
瀬戸の海に夕焼けが見えてきた。寒さなど忘れるくらいに雄大な景色です。(祝恵子)
瀬戸の海一面に夕焼け色が広がっている美しい景色が目に浮かびます。 (高橋句美子)
【高橋信之特選/9句】
15.初詣空の青さの全きに/高橋正子
新年の始まりの初詣から青く晴れ渡る大空が気持ちいいです。(高橋秀之)
12.松飾通りすぎれば松匂う/高橋正子
青々とした立派な松飾りの門が目に浮かびます。通りすぎた時の清々しい松の匂いに懐かしさと淑気がひろがります。(柳原美知子)
09.お元日晴れ賜りて国旗だす/祝恵子
冬晴れのお元日は何よりの天からの授かりもの。心も晴々と国旗をなびかせ、今年一年の平安を祈ります。(柳原美知子)
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
26.冬夕焼辿りて下る瀬戸の海/柳原美知子
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子
【高橋正子特選/9句】
16.正月の菓子が若草色なれり/髙橋信之
お正月にいただくお菓子は気持ちも華やぎ、若草色であればなおさら春を想い清々しい気持ちになります。穏やかなよいお正月が思われます。(柳原美知子)
01.新年の時報とともに着信音/高橋秀之
08.冬夕焼け日が室内へ本棚へ/祝恵子
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
19.天井に今日元日の灯が灯る/髙橋信之
21.元日の満月が高い帰り道/髙橋句美子
24.注連飾るドアが連なる様々に/髙橋句美子
27.大年の潮の香溢る魚市場/柳原美知子
28.石鎚の冬灯掲げて野は眠る/柳原美知子
【入選/6句】
02.元日の定点写真は鳥居前/高橋秀之
毎年、元日に初詣の際に撮る家族写真でしょうか。鳥居の前に皆で勢揃いして微笑む幸せと安堵感。来年
もまた撮れますように。(柳原美知子)
13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む/高橋正子
おみくじを結ぼうとする枝に梅の蕾がある。新年の訪れとともに春の兆しもそこに感じます。 (高橋秀之)
22.初詣石段上り願い事/髙橋句美子
神社は石段を上がった先にあるのでしょう。その石段を上りつつ、願い事を思うお参りのひとこまを感じます。 (高橋秀之)
03.帰省する友を迎えて初詣/高橋秀之
14.元日の家路にあがる円き月/高橋正子
18.時移りゆく元日の夜となりぬ/髙橋信之
■選者詠/高橋信之
16.正月の菓子が若草色なれり
17.元日の暮ゆく時の中にいる
18.時移りゆく元日の夜となりぬ
19.天井に今日元日の灯が灯る
20.元日の夜となり天井に灯を
■選者詠/高橋正子
11.初詣杜の落葉のかく踏まれ
12.松飾通りすぎれば松匂う
13.おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む
14.元日の家路にあがる円き月
15.初詣空の青さの全きに
■互選高点句
●最高点(5点)
10.青竹より流るる手水初詣/祝恵子
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
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