ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

AKB48「唇にBe My Baby」オリコン初動がミリオン割れ、パンドラの箱が開き始めている [15Dec15]

2015-12-15 19:30:00 | 芸能
乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

星野みなみ主演のSTATION ID『あたし、本と旅する』
毎週月曜から金曜 24 : 30 ~ 25 : 00 [CS] スペースシャワーTV プラス『アイドルヒッツ』。『あたし、本と旅する』は、この30分番組の真ん中あたりに、毎回、30秒ドラマとしてオンエア。
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テレ東ゴールデンタイムのバラエティに秋元、生駒、高山が出演
12月15日(火) 18 : 57 ~ 20 : 54 [地デ] テレビ東京『ウソのような本当の瞬間!30秒後に絶対見られるTV』。秋元真夏、生駒里奈、高山一実が出演。真夏さんは、リポーターの模様。

フジテレビ大型音楽祭『FNS歌謡祭』の続編、アイドルのコラボ祭りがあるらしい
12月16日(水) 19 : 00 ~ 20 : 54 [地デ_生放送] フジテレビ『2015 FNS歌謡祭 THE LIVE』。乃木坂46と欅坂46が出演。「躍動感溢れるフレッシュなLIVE空間!」が謳い文句。

まいちゅん冠ラジオ番組に真夏さんとまっちゅん登場
12月16日(水) 24 : 00 ~ 24 : 30 [FM] bayfm78『OL兼任アイドル 新内眞衣のまいちゅんカフェ』。秋元真夏と松村沙友理がゲスト出演。

アンダー武道館2DAYS がいよいよ開催
12月17日(木)『乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館』[初日] 第1公演(18:30~)
12月18日(金)『乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館』[2日目] 第2公演(18:30~)

週刊プレイボーイ人気連載の単行本が発売開始
12月18日(金) 書籍 『乃木坂46物語』(集英社)が発売。乃木坂公式サイトの関連記事

乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のページをご参照下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 01Nov15 ~ 注目されるテレビ・ラジオ番組と重要イベントのスケジュール



AKB48の42枚目シングル「唇にBe My Baby」が、オリコン初動で90.5万枚となり、21枚目「Everyday、カチューシャ」から始まった連続22作初動ミリオンは達成出来ませんでした。

ただ、初動が百万枚に届かなかったといはいえ、売り上げは90万枚を越えており、20枚目「桜の木になろう」以来の連続23作&トータル24作となる累計ミリオンは、まだ実現する可能性が残っています。

昨年春にリリースされた39枚目「Green Flash」が初動100万、累計105万弱となるなど、AKB48のCDセールスは、近年、百万枚ギリギリに留まるケースは珍しくなかった。

そのため、「唇にBe My Baby」の初動ミリオン割れは、まあ、いづれ来るだろうものがやって来たという感じで、「衝撃的」というほどのインパクトはありません。

では、今回のミリオン割れが、大したことのない出来事かと言うと、全然、そんなことはない。

AKB48Gを取り巻く現在の状況と合わせて考えると、42枚目初動が90.5万枚に留まったことは、グループの未来にとって、極めて重大な意味を持っていると思います。


まずは、AKB48のオリコン初動推移を見ておきましょう。

(表1) AKB48シングルのオリコン初動推移 ~ 総選挙サイクルの視点から

凡例
総選挙サイクル記号 : オリコン初動 (一般販売第1週売り上げ[一般販売CDの特典イベント], 一般販売寄与率%, 特定販売第1週売り上げ[特定販売CDの特典イベント]) 発売日「タイトル略記」

# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下1桁目を四捨五入。「唇にBe My Baby」だけは、小数点以下1桁目までを表記
#「一般販売第1週売り上げ」は発売第1週にサウンドスキャンTOP20入りしたすべての盤種の売り上げ枚数合計
#「特定販売第1週売り上げ」は「オリコン初動」から「一般販売第1週売り上げ」を引いた数字
#「一般販売寄与率」は「一般販売第1週売り上げ」を「オリコン初動」で割った比率。%表示で小数点以下2桁目を四捨五入
#「全」全国握手会、「個」個別握手会。続く数字は開催日数
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位はすべて1位

2011年度
A 21枚目:133 (54, 40.8%, 79[個3]) 2011/05/25「Every」
B 22枚目:135 (49, 36.4%, 86[個3]) 2011/08/24「フラゲ」
C 23枚目:130 (38, 29.4%, 92[個3]) 2011/10/26「風は吹」
D 24枚目:120 (22, 18.7%, 97[個3]) 2011/12/07「マリコ」
E 25枚目:129 (50, 38.8%, 79[個3]) 2012/02/15「GMF!」

2012年度
A 26枚目:162 (73, 45.3%, 88[個3]) 2012/05/23「真夏」
B 27枚目:118 (45, 38.2%, 73[個3]) 2012/08/29「ギンガム」
C 28枚目:113 (40, 35.3%, 73[個3]) 2012/10/31「UZA」
D 29枚目:107 (26, 24.6%, 81[個3]) 2012/12/05「永遠」
E 30枚目:104 (33, 31.9%, 71[個3]) 2013/02/20 「SoL!」

2013年度
A 31枚目:176 (59[全7], 33.2%, 118[個4]) 2013/05/22「クロール」
B 32枚目:133 (44[全7], 33.0%, 89[個4]) 2013/08/21「恋する」
C 33枚目:120 (31[全7], 25.5%, 90[個4]) 2013/10/30「エレキ」
D 34枚目:103 (20[全7], 19.7%, 83[個4]) 2013/12/11「鈴懸」
E 35枚目:109 (24[全7], 21.6%, 92[個5]) 2014/02/26 「前しか」

2014年度
A 36枚目:166 (49[全7], 29.4%, 117[個4]) 2014/05/21「レトリバー」
B 37枚目:101 (23[全7], 22.8%, 78[個4]) 2014/08/27「プラカード」
C' 38枚目:113 (21[全7], 18.7%, 92[個6]) 2014/11/26「希望的」
D' 39枚目:100 (18[全7], 18.2%, 82[個7]) 2015/03/04「Green Flash」

2015年度
A 40枚目:167 (43[全7], 25.6%, 125[個3]) 2015/05/20「戦わない」
B 41枚目:128 (16[全7], 12.6%, 112[個6]) 2015/08/26「ハロウィン」
C" 42枚目 : 90.5 (??[全7], ???%, ???[個6Ps6]) 2015/12/09「唇にBe」

#「Ps6」は「フォトセッション&囲み取材大会」6日間を示す


AKB48は、「総選挙」投票券の入った5月のAシングルを皮切りに、総選挙選抜が表題曲を担当する8月のBシングル、10月のCシングル、12月のDシングル、翌年2月のEシングルと、年間5枚をリリースするスケジュールを2013年度まで続けていました。

しかし、CDセールスの伸び悩みから、2013年度に入って、個別握手会の総日数を、それまでの3日から4日、さらに5日に増やしたため、未消化の握手会が積み重なっていきます。

こういった握手会の規模拡大に伴って、日程的及び経済的に、グループやメンバーの負担が膨れ上がっていくのは容易に想像出来ることですが、一方で、売り上げ枚数は思うように伸びなかった。


負担軽減を図るため、2014年度は、リリースするCDの枚数を、年間5枚から4枚に減らしますが、総選挙選抜が歌うBシングル「心のプラカード」で、いきなり初動が101万枚に落ち込み、AKB48のCDセールスが極めて厳しい状況に陥りつつあることが、明確になります。

その後、C'シングル、D'シングルでは、個別握手会の総日数が6日、7日とさらに増やされ、握手会セールスを引き上げる措置が取られます。

しかし、個別握手会は、増やした総部数に見合った伸びを見せず、また、店頭販売CDの売り上げも、20万枚前後に留まり、「Green Flash」は初動が100万枚を1千枚上回るという、ギリギリの連続ミリオンだった。

年間のCDリリース枚数を4枚に減らし、個別握手会の総日数と総部数を引き上げたにも関わらず、2014年度のD'シングルは薄氷のミリオンとなったわけで、2015年度の後半に、連続ミリオン記録が途切れるのは、まあ、十分に予想されたことでした。


42枚目の初動ミリオン割れで、一番問題なのは、売り上げ枚数が100万を下回ったことではなく、もはや連続ミリオンを維持する力がなくなっていると、事前によく分かっていた筈なのに、無理に無理を重ねて、その結果、記録が途切れてしまったことです。

41枚目「ハロウィン・ナイト」は、個別握手会を6日も設定し、総部数は3200部にも達していますが、オリコン初動に算入されたのは112万枚と推測されます。

一方、乃木坂13枚目「今、話したい誰かがいる」の個別握手会は、6日間ですが総部数は730部で、初動算入は45万枚。

総部数100部あたりの売り上げを計算すると、以下のように、「ハロウィン・ナイト」の3.5万枚に対して、「今、話したい誰かがいる」は6.2万枚で、2倍近い効率の差がある。

3.5万枚/100部 : AKB48の41枚目「ハロウィン・ナイト」
6.2万枚/100部 : 乃木坂46の13枚目「今、話したい誰かがいる」


AKB48の合同握手会は、300人近いメンバーが参加する、驚くほど大規模なイベントで、会場費、人件費、警備費、レーン設置費、運搬費、宿泊交通費、食事費など、多額の開催費が必要な筈ですが、肝心の売り上げ効率は、乃木坂よりずっと宜しくない。

しかも、2011年度Bシングルの22枚目「フライングケット」が個別3日で86万枚を売り上げたのに対して、2015年度Bシングルの41枚目「ハロウィン・ナイト」は、個別6日で112万枚。

この3年間で1日あたりの売り上げ効率は35%も落ちてしまっている。

イベント開催における収支が芳しくない方に進んでいるのは、容易に推察出来ますが、効率が悪く、莫大な費用が掛かるのに、それでも握手会の規模を見直さないのは、収支や効率ではなく、ミリオンという「総量」を優先しているためだと思います。

つまり、どんなにお金が掛かっても、「連続ミリオン」を維持していれば、AKB48はまだまだ人気があるとアピール出来て、スポンサーが現れるという発想です。


そして、42枚目「唇にBe My Baby」でも、ミリオンを維持するため、個別握手会の総部数を3300部程度にまで増やした上、さらに、「フォトセッション&囲み取材大会」という特典イベントを新たに付けている。

これは、握手会の合間に、同じ会場で個々のメンバーが10分ほど行なう、ファン参加型のステージのようですが、申し込むためには、個別握手会用劇場盤CDとは、別の劇場盤CDを買う必要があるようで(笑)、何としてでも、CDセールスを伸ばすという、運営の執念が伝わってきます。

このように劇場盤は、大まかに分けて、個別握手会用とフォトセッション用の2種類が用意されています。

また、店頭販売CDにも、生写真以外に、「高橋みなみプロデュース公演参加応募抽選券」「AKB48グループリクエストアワーセットリストベスト100 2016投票券」「AKB48単独リクエストアワーセットリストベスト100 2016投票券」が封入され、TypeA、B、C、Dの初回限定盤と通常盤の合計8種類が揃っている。

ミリオン維持に向けて、特典イベントを充実させまくった感があります。

しかし、それでも初動が百万枚に届かなかった。


もし、AKB48の運営が、グループを取り巻く状況を分析して、個別握手会の総日数、総部数を減らして、意図的にミリオン割れを導いたのであれば、かりに初動が50万枚であっても、むしろ評価出来る数字だと思います。

今後、ミリオンという「総量」ではなく、収支や効率を優先させる方針に転換すれば、再度、AKB48を建て直すチャンスが出てくるからです。

ところが、現実には、2013年度から始まった握手会の拡大路線を見直さず、今回も、前作を上回る規模の日程部数設定を仕掛け、その結果、記録更新を逃してしまった。

そして、今後も、拡大路線にこだわり、「総選挙」ではダブルミリオンを目指して、CDセールスの数字でAKB48の勢いを誇示するといった発想を続けるならば、やがて本格的な人気の「大崩壊」がやって来る危険がある。

実は、そういった深刻な危機の兆候が、最近、いくつか目につき始めています。


AKB48シングルの「合同握手会」は、収録楽曲に参加していない人を含め、SKE48、NMB48、HKT48の全メンバーが参加することが特徴です。

そして、キングレコードが発売するCDなので、握手会もこのレコード会社が中心となって主催されているようです。

しかし、「支店」グループが単独で発売するシングルは、SKE48はavex、NMB48は吉本、HKT48はユニバーサルと、キングレコードではない。

そうなると、「合同握手会」は、自社が扱う歌手を、他社CDを売るために、派遣しているようなもので、よく考えると、かなり珍しい販売形式と言えるでしょう。

例えれば、東宝の「ゴジラ」映画に、大映のガメラを登場させるようなもので(笑)、なかなか実現しないコラボです。


レコード会社の垣根を越えて「合同握手会」が可能なのは、「支店」が誕生した経緯もあるけど、やはり、何と言っても、AKB48のCDがミリオンを突破して注目を集めることが、グループ単独のCDセールスにもフィードバックされるからだと思います。

AKB48の選抜に、「支店」メンバーが入って知名度が上がれば、単独シングルも、その流れで関心を呼ぶので、ウィン・ウィンの関係になるわけです。

ところが、AKB48本体のシングルが勢いを失い、人気が低落しているという雰囲気が漂い始めると、「支店」が「合同握手会」に主要メンバーを出すうま味が薄れてしまいます。

こうなると、「支店」グループのシングルを扱っているレコード会社が、不満を感じても不思議ではない。

何と言っても、「合同握手会」は年間20日近く行なわれます。

そんな長期間、しかも地元を遠く離れて、他社CDを売る為に活動するなら、自社CDのPRにもっと力を入れて欲しいと考えるのは、もっともなことでしょう。


松井珠理奈は、10月下旬、AKB48との兼任を終了させ、SKE48専任になることを発表しました。

兼任解除の背景には、色々な事情があると思いますが、SKE48のCDを担当するレコード会社が、グループトップの主要メンバーに対して、AKB48ではなく、所属グループにもっと専念するよう、要望した可能性は考えられます。

実際、SKE48のCDセールスは、ここ最近、決して、芳しいものではない。

(表2) SKE48シングルのオリコン初動推移

# (表1)と同じスタイルだが、発売日前の{括弧}内は、2015年12月14日付オリコンウィークリーまでの累計売り上げ枚数
# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「個t」チーム別個別握手会、「MC」はミュージックカード、「卒」は松井玲奈卒業イベント。
# 下記シングルの発売第1週オリコン順位は、「コップの中の木漏れ日」の2位以外は、すべて1位

2013年
11枚目 : 53.9 (13.0[全5], 24.0%, 40.9[個5]) {67.2} 2013/01/30「チョコの奴隷」
12枚目 : 51.1 (16.7[全6], 32.6%, 34.4[個6]) {66.2} 2013/07/17「美しい稲妻」
13枚目 : 44.9 (14.8[全6], 32.9%, 30.1[個6]) {57.0} 2013/11/20「賛成カワイイ!」

2014年
14枚目 : 39.8 (11.9[全3L6], 29.8%, 27.9[個7]) {50.5} 2014/03/19「未来とは?」
15枚目 : 32.4 (10.3[全2], 31.7%, 22.1[個5個t4]) {46.4} 2014/07/30「不器用太陽」
16枚目 : 38.6 (08.8[全0], 22.9%, 29.8[個8]) {45.3} 2014/12/10「12月のカンガルー」

2015年
17枚目 : 64.0 (08.9[全3], 13.9%, 55.1[個8MC]) {70.2} 2015/03/31「コケティッシュ渋滞中」
18枚目 : 37.0 (11.6[全?卒2], 31.3%, 25.4[個7]) {46.0} 2015/08/12「前のめり」

ラブ・クレッシェンド (SKE48メンバーによる派生ユニット)
01枚目 : 18.1 (???[全4], ???%, ???[個7]) {19.9} 2015/11/25「コップの中の木漏れ日」


11枚目「チョコの奴隷」を頂点に、2013年は、初動50万枚、累計60枚を売り上げていたSKE48ですが、2014年に入って、初動が40万枚を下回り、累計も50万枚に届かなくなっていきます。

その一方、AKB48本体と同じく、個別握手会の総日数は7日、8日と増えていきます。

AKB48の合同握手会が20日に加えて、SKE48単独でも20日ほど行なわれ、何と、一年間に40日も個別握手会が開催されている。

ここに、全国握手会や特典としてのライブが上乗せされるので、メンバーは大変な負担を強いられることになる。

それでも、CDセールスが好調であれば、プラス面もあるけど、奮わない数字が続くと、メディアやネットに、人気低落という声が上がり、勢いが落ちているというイメージが広まってしまい、グループに大きなダメージとなります。


さらに、「合同握手会」に一切参加しない乃木坂46が、順調にCDセールスを伸ばし、もっとも勢いのあるグループとして台頭してきた。

乃木坂の成功は、「総選挙」や「合同握手会」でAKB48と絡まなくとも、人気を上昇させることが出来るというメッセージを送ったようなもので、SKE48を始めとする「支店」に、発想の転換を促す効果があるかもしれません。

SKE48は、ラブ・クレッシェンドなど、ユニットが担当する曲を収録した「コップの中の木漏れ日」を、11月25日(水)に発売しましたが、興味深いのは、この個別握手会は、ユニットメンバーのみが参加していることです。

実は、握手会の「効率」を考えると、握手人気の高いメンバーだけで、小規模に行うのがベストで、「コップの中の木漏れ日」は、まさにそれを実践しているようです。

多額の開催費を投入して、大規模握手会を行なっても、それほどオリコンの数字が伸びず、厳しい「収支」だけが残るのであれば、「総売り上げ」ではなく、「効率」優先で、無駄の少ない小規模握手会を行なった方が、よほどお得なわけで、理に適った手法だと思います。


SKE48の場合は、レコード会社がavxと、キングレコードと異なる上に、各メンバーの所属も、必ずしも同じではないという、複雑な事情があります。

そして、レコード会社はCDを売ることを最優先しますが、芸能プロダクションはタレントを売ることをまず考えるので、ここにも利害が対立するポイントがある。

松井玲奈は、2015年の「総選挙」に参加せず、乃木坂との兼任解除の後、ほどなく、SKE48からの卒業を発表します。

2014年後半頃には、彼女は、ゴールデンタイムのバラエティ番組多数出演する人気タレントになっており、女優としても、2014年6月に公開された映画『gift』で、初出演&初主演を果たすなど、順調にキャリアを積んでいました。


一方、松井玲奈の所属事務所は、AKSとは関係のない芸能プロダクション。

バラエティやドラマで人気が出始めたとき、AKB48とSKE48を併せて年間40日に上る握手会への参加を、事務所がどう捉えるかは、容易に想像がつきます。

「総選挙」や「合同握手会」に参加して、AKB48とつながることが、グループとして、あるいは、個人として、必ずしも得にならないケースが出始めたことを、松井珠理奈のAKB48兼任解除や松井玲奈の卒業は、物語っている気がします。


今、私が注目しているのは、島崎遥香の動向です。

ぱるるも所属がAKSではない上に、単独のタレントとして、ドラマや映画で華々しく活躍し始めている。

8月上旬、幕張メッセで3日連続で行なわれた40枚目「僕たちは戦わない」の「合同握手会」以来、体調を悪化させ、握手会には参加していないようですが、今後、どういう形で戻ってくるのか、事務所がどう判断するのか、気になるところです。

やはり、年間20日も握手会に拘束されるのは、とくに女優指向のタレントとしては、極めて不自由な話で、所属事務所とすれば、よほどプラスのバックがなければ、納得出来ないでしょう。

連続ドラマや大作映画は、撮影が長期に渡ることが少なくないので、握手会がある限り、オファーや抜擢が限られてしまいます。


AKB48のシングル初動が遂にミリオンを割り込み、今後も、回復の見込みが不透明な今、「支店」のレコード会社や所属事務所が、負担の大きな「総選挙」や「合同握手会」に参加するメリットを再考し、本店との関わり方を見直し始めても、不思議でありません。

「唇にBe My Baby」の初動は、100万枚を10万ほど下回っただけですが、様々な利害関係に、連続ミリオンという重しで蓋をしていた感のある巨大グループにとって、ミリオン割れが持つ意味は、決して小さくないんじゃないでしょうか。


最後に、一つ興味深い点を指摘しておきます。

(表3)「唇にBe My Baby」の「合同握手会」スケジュール

2016年02月21日(日) 幕張メッセ
2016年04月30日(土) パシフィコ横浜
2016年05月01日(日) パシフィコ横浜
2016年05月07日(土) インテックス大阪
2016年05月08日(日) インテックス大阪
2016年05月21日(土) インテックス大阪
2016年04月24日(日) 幕張メッセ (追加)


「唇にBe My Baby」のカップリング曲に、山本彩センターの「365日の紙飛行機」が収録され、それがNHK大阪局制作の連続テレビ小説「あさが来た」の主題歌になっている。

こういう関係から、個別握手会が大阪で開催されるのは分かるのですが、いくら何でも、3日というのは多過ぎる印象があります。

NMB48にとっては好都合だけど、HKT48は福岡、SKE48は名古屋、AKB48は秋葉原が本拠地なのだから、ここまで大阪を優先するのは、不可解な設定です。

あくまで憶測ですが、「合同握手会」という大規模イベント、多額の開催費が必要ですが、今回、NMB48に関わる大阪の資本が、その一部を負担しているんじゃないでしょうか。

そうでもなければ、ここまで大阪に偏るのは、ちょっと考えられないんですが。


AKB48の人気の地盤は、やはり関東なので、大阪3日というスケジュールは、CDセールス全体にマイナスとなる可能性があって、AKB48の運営も、分かっていたと思います。

にも関わらず、こういった開催地を選んだということは、強力なスポンサーが出現しない限り、「合同握手会」を6日も開くのは、難しいという局面にまで来ているのかもしれません。

ただ、特定の「支店」に有利な形での開催は、他グループに関わる個人や団体が、AKB48との関係見直しを、さらに加速させる可能性があります。

初動ミリオン割れが「パンドラの箱」を開けるのか、そして、そこから何が出て来るのか、AKB48Gが、いよいよ正念場を迎えたのは間違いないと思います。


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// 過去の記事を読みたい方へ

2015年9月 ~
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Oct15 ~ 関連記事の目次 (02Sep15 ~)

2014年7月 ~ 2015年8月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡11Aug14 ~ 関連記事の目次 (01Jul14 ~ 31Aug15)

2013年11月 ~ 2014年6月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Nov13 ~ 関連記事の目次 (01Nov13 ~ 28Jun14)

2013年4月 ~ 2013年10月
アレチの素敵な乃木坂業務連絡14Nov13 ~ 関連記事の目次 (19Apr13 ~ 31Oct13)


// 星野みなみの溢れる魅力

7月18日14:18 星野みなみ

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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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