先月の日経新聞の一面のコラムにこんな記事がありました。
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▼ノンフィクション作家の黒岩比佐子さんから小欄あてに丁寧なお便り
をいただいたのは、4年前の今ごろだった。村井弦斎の小説「食道楽」
に触れたコラムについての感想である。手紙には細かなワープロの文字
がびっしり並んでいた。
▼この明治の奇人に黒岩さんはひとかたならぬ関心を寄せて評伝を書き、
大きな賞を得たばかりだった。さっそくお会いしてみると、不勉強な当
方など彼女の博覧強記に舌を巻くほかなかった。こんな仕事がしたい、
こういうテーマも取り上げたい、と語り口は静かだが情熱がひしひしと
伝わってきたのを覚えている。
▼そんな気鋭の書き手が先週、すい臓がんで亡くなった。52歳の、働き盛りの死だ。ここ数年の活躍はめざましく、近代史の埋もれた事象を掘
り下げた作品のファンは少なくない。新刊の「パンとペン」は社会主義
者、堺利彦の知られざる一面を浮かび上がらせて反響を呼んでいた。な
のに、なんという無慈悲な病か。
▼日本人の2人に1人は生涯のいつか、がんになる。この身近でしたたか
な敵とどう向き合うべきか、感慨を深めさせる黒岩さんの早世だ。その
とき「なぜ、私が」と嘆くより「私もか」と受け止める心構えを。40歳で虫垂がんを体験したエッセイストの岸本葉子さんはそう記している。
粛然とせざるを得ない。
(日経新聞、H22.11.26「春秋」)
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日本人の2人に1人はがんになるそうですが、日本人の全員はいつか必ず
死にます。
この身近でしたたかな敵とどう向き合うべきか。
死ぬ間際になって「私もか」と言っているようでは、あまりに遅すぎる
のではないでしょうか。
まじめに人生をみつめざるを得ません。
永遠に死なないと思っているこのこころ。
仏教を聞いて、見つめていきたいと思います。