洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

What is louder? ~訳しすぎたらもったいない!!英語はできる限り「そのまま丸かじり!」が大事です!②~The Absent Author by Ron Royより~

2023年09月28日 | 英語表現

みなさん、こんにちは。

前回、TV commercial の音量の話をしましたが、今回は、A to Z Mysteriesという、アルファベットのAからZまで、それぞれのアルファベットを使ったタイトルが付けられたミステリー小説(例えば、2作目はThe Bald Bandit、3作目はThe Canary Caperという風に)の本の1作目、The Absent Authorより"loud"を使った表現をご紹介します♪

このシリーズは、DinkとJoshという2人の男の子とRuth Roseという女の子の仲良し3人組が主人公の1話完結型のスタイルの小説です。そのシリーズ第1作目のThe Absent Authorは、Dinkが出した手紙をきっかけに彼の大好きな作家が彼らの街の本屋さんにサイン会にやってくるというところから始まります。使われている英語の表現も話の展開も面白いので、詳しい内容はぜひ実際に読んで楽しんで頂きたいと思いますが、今回紹介する表現は、一緒にサイン会に行く約束をしていたRuth RoseをDinkがJoshと2人で迎えに行くシーンに登場します。ここからが引用です

・・・・・・・

Dink pressed the doorbell. 

Ruth Rose showed up at the door.

As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house. 

"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"

Dink and Josh covered their ears.

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・・・・・

さて、いかがでしょう?

今回の引用文はRuth Roseが初めて登場するシーンでもありますので、前半はRuth Roseの服装について書かれています。

 

"As usual, she was dressed all in one color."

 

as usual は「いつも通り」という意味を表す、覚えておくと便利な決まり表現です。

この続きの文章で色の話が出てきますが、”be dressed in 色” で「~色の服を着ている」という意味になります。

状態を表すbe動詞と共に使って、”be in 色”の形にしても同じことが伝えられます。

"someone in 色"とすると「~色の服を着た人」となり、例えば I see a man in green.で「緑色の服を着た男性が見えます」という意味になります。

"in"が身に着けていることを表しますので、色の代わりに、具体的な服を持ってきて、例えば、I see a man in a suit. (スーツを着た男の人が見えます)という風に言うこともできます。

 

”Did you see a woman in a red hat?”はどのような意味になるでしょう?

 

「赤い帽子を着た女の人を見ましたか」という意味ですね。

 

Ruth Roseの話に戻ります

"As usual, she was dressed all in one color." 

"all"は「全部、すべて」の意味ですから、なんと、Ruth Rose はいつも全身1色でまとめたコーディネートをしているようです。

日によって、その色は色々変わるようで、 ”Today it was purple.” だそうです。("today”からその日によって色が変わることが分かります)

ところで、「今日は紫です」という時、ついつい日本語と英語をそのまま置き換えて、Today  is  purple.と言いたくなるかもしれませんが、ここでの主題は「色」ですので、Today it is purple.と"it"を入れて表されているところも大事ですね。

「今日は暑い」と伝えたい時なども Today is hot. とするより、暑さ寒さを伝える時の主語の基本、”it”を入れて、"Today it is hot."と表すほうがより自然な英語になります。

もう一度、Ruth Roseの服装の話の全文を見てみます♪

・・・

As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

・・・

・coveralls = オーバーオールのこと

・have on clothes/shoes = 服/靴を身に着けている、履いている

・A purple baseball cap kept her black curls out of her face. 

 ➝keep ~ out of ・・・ = ~が・・・に入らないようにする (髪の毛の話をしていますので、”帽子で髪が顔にかからないようにしている”)

 

さて、ここから先が今回の本題です。

「Dinkたちが迎えに来たので、行ってくるよ~」と家の中にいるお母さんに向かってRuth Roseが叫びます。

そのシーンをもう一度見てみます

・・・

"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house. 

"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"

Dink and Josh covered their ears.

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・

Ruth Roseには服装の他にもう一つ特徴があって、それが文字で表されているのですが、それは一体何でしょう?

 

正解は「声が大きいこと」です。

それを表すために、Ruth Roseが叫んだ言葉がすべて大文字で書かれています。

さらには、”Dink and Josh covered their ears.” その声が大きすぎて、DinkとJoshが耳をふさいでいます。

その後のJoshのコメントが今回の一番のポイントです。

・・・

"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."

・・・

出だしの”Geez”は驚いたり落胆した時に出る言葉です。文脈に合わせて、何となくこう言っているのじゃないかな?と想像して理解するといいです。ここでは、「うわ~」とか「あぁ~」とかそのような感じで、Joshの驚きとやれやれという気持ちが表されています。

そして、"I don't know what's louder"と続いていきます。

loudは「音が大きい」ことを表す形容詞ですが、ここで比べられているのが、"your outfit(=clothes)"と "your voice"です。

声(voice)がloudなのは分かりますが、outfit(=clothes)がloudとは?

実は、loudには服装や色彩などが「派手な、けばけばしい」という意味もあります。オックスフォード現代英英辞典の定義では”too bright and lacking good taste”と説明されています。lacking good taste(趣に欠ける)とは面白いですね。

声の大きさと服の派手さをどちらに対しても使えるloudを使って、そのどちらがloudか分からないと言っています。

日本語にも音以外に対しても何か不快なものを表す時に「うるさい」という言葉が使われることありますので、それに似た感じかもしれません。ですので、"I don't know what's louder, your outfit or your voice."をあえて訳すと、「君の声か服装か、どちらのほうが騒々しいか、僕はわからないよ」というようなことを言っていますが、この英文は、日本語に訳さず、英語のまま理解(直読直解)するほうが、より生き生きとJoshのコメントの面白さを味わうことができます。

 

レッスンで、生徒のみなさんの理解を確かめさせて頂くため、大事なポイントとなる文章などの訳をして頂くことがありますが、最終的には、レッスンを通して、より多くの方に英語の文章を原文のまま理解してもらえるようになって頂きたいなと思いながら授業を行わせて頂いています。

先日、ある生徒の方が、レッスンで色々と洋書や記事を読む練習を重ねるうちに、会社で読む英文が前よりずっと読みやすくなったとおっしゃっていました (Iさん、嬉しいコメントをありがとうございました。)

英語を英語のまま、自分で理解できるようになると世界が広がります!

ちなみに、直読直解できるようになるとリスニング力もUPします

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"It's not you."とは?  TV Commercialsの話 -Reader's Digestより-

2023年09月16日 | 英語表現

みなさん、こんにちは。また少し久しぶりの更新になりましたが、今回はテレビコマーシャルに関する記事より、使える英語表現をご紹介します。

みなさんは、テレビを見ている時にコマーシャルになると急に音量が大きくなったように感じたことはありますか。

私はよくあります。先日もコマーシャルになった途端に急に音が大きくなったため、慌てて音量を下げました。番組自体の音は小さいため、番組が始まると音量を上げて、コマーシャルが始まると音量を下げて、面倒だな~と思いながら、Reader's Digestをパラパラとめくっていましたら、ある記事が目に留まりました。

その記事のタイトルがなんと"Why Are TV Commercials So Loud?"というもので、何というタイミング!と驚きました。

コマーシャルのあの音量には理由があるのだろうとは思っていましたが、それをテーマにした記事があるとは。

ということで、今回はその記事から英語表現をご紹介します♪

U.S, 版のReader's Digestに載っていましたので主にアメリカの基準と観点で書かれていましたが、日本にも通じる所があると思います。

記事の出だしに面白い表現が使われていましたので、今回ご紹介するのはそちらからの引用です

知っている表現と前後の流れ(今回はタイトルがヒントです)と常識を手掛かりにまずは辞書なしでお読み下さい。

.......................................................................

Why Are TV Commercials So Loud?

It's not you. Those television spots really do sound much louder than the programs they interrupt. Here's why.

........................................................................

 

さて、いかがでしょう。

音が大きい小さいの話になった時、音量自体の問題はさることながら、もう一つ気になるのが自分の耳の具合(聞こえの具合)かもしれません。大抵の場合、もしかしたら自分の耳に問題があるのでは?と思ってしまうかもしれませんが、この記事は、タイトルを読んで読者がそのような気持ちになる前に、まず "It's not you. "「あなたではないです」つまり「(音が大きいと感じるのは)あなたが原因ではないです」と本文の出だしでスパッと伝えているところがいいなと思います

 

”It's not you.”は、恋人に別れを告げる時などに「あなたに原因があるわけじゃない」”It's me. (私自身の問題だから)”のようによく使われるフレーズだそうですが、英語の単語もしくは表現の意味は、最終的には文脈で決まりますので、ここで使われている"It's not you." はコマーシャルの音量の話ということで、あなたの耳に原因があるわけではないです、心配しないで!と伝えています。

文脈の話をしましたが、文脈によっては、It is you. で「あなたらしい」という意味になることもあります。

ジーニアス英和大辞典に、The dress isn't really you.という例文が紹介されていたのですが、「そのドレスではあなたの個性はまったく生かせない」と訳がついていて、面白いなぁと思いました。(どんなドレスなのか、また、その人がどんな人なのか気になりますね

辞書の例文の話はさておき、今回の引用文に戻りますと、"It's not you."のあとに、 "Those television spots really do sound much louder than the programs they interrupt. "とあります。

TV commercialsという言葉は使われていませんが、Those television spots does sound much louder ・・・ ⇒sound は「~は聞こえる」、louder「より大きく」とありますから、does soundの前にある”television spots” がTV commercials のことを表しています。

通常の文章でしたら、television spotsと主語が複数になっていますので、動詞(ここでは”sound")はそのままの形で、Those television spots sound much louder ・・・と表すとOKですが、ここでは、do sound とdoを付けることによって、「本編よりコマーシャルの方が本当にとても大きく聞こえます」と強調されています。

Here's why. (その理由がこちらです)と、この後に続いて、理由が説明されているのですが、理由をまとめると要するに音を大きくすることによってAdvertisers want to get your attention.  (advertisers:広告主)というのが主な理由のようです。

そのことが凝縮して表されていた文章がありましたので、今回そちらもご紹介します。それがこちら。

Advertisers like it noisy.

Contrast counts. 

上記の文章でcount は「(数を)数える」という意味ではなく「~が大事」という意味で使われています。

 

「~が大事」という意味でのcountもよく使われます。Contrast(対照、、対比)が大事。つまり、本編が静かな場合、コマーシャルに入った途端に大きな音になることで、視聴者の気を引くことができるということですね。

 

ちなみに、テレビの音量の上げ下げは、turn と前置詞のup/downを使って次のように表します。

I turn up the TV.

I turn down the TV.

※テレビの機械自体の話をする時はTVにtheを付けます。

 

 

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