付け焼き刃の覚え書き

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「妖魔軍団」 菊地秀行

2007-09-18 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 妖魔招喚の地を叩きつぶすため、西日本へと旅立った念法の達人・工藤明彦を迎え撃つのは、独裁者ヒトラーがこの世に遺した奇怪な怪物軍団。その陰に暗躍する、魔道士・淫藤。
 この戦いに、自衛隊の超能力部隊が介入するのだが……。

 昔、『バタリアン』というゾンビ映画があり、それをもじった「オバタリアン」という言葉が流行し、類似品で「ジベタリアン」とか「ベジタリアン」とかいう言葉も生まれました(違います)。
 映画の方は走り回るゾンビの大軍勢が登場するものでしたが、『バタリアン』と聞いてパッと連想するのは「ラストバタリオン」の方かな。
 世界の命運を左右すると言われる「ナチスドイツ最後にして最強の大隊」は、あるときは単なるハッタリとか宣伝の産物といわれ、またあるときは南米や南極に潜伏してUFOを建造しているともいわれる、大いなるネタの宝庫。
 菊地秀行の妖魔シリーズ2作目『妖魔軍団』では本当に妖怪変化の軍団。復活させられたナチス第三帝国のラスト・バタリアンが念法使いの工藤明彦に襲いかかり、日本国内で勝手なマネはさせないとばかり自衛隊の超人軍団も迎え撃ち、三つどもえ四つども絵の死闘が繰り広げられます。まだ、山田風太郎の影響が強い一作。

 同じように平野耕太の『ヘルシング』では文字通りの吸血鬼部隊になっていましたし、そういえば『仮面ライダー』に登場する悪の組織ショッカーもナチスの生き残りという設定でしたから、わたしらの世代では超人…というよりバケモノばかり集めた部隊というのが共通認識なのかも。

【妖魔軍団】【菊地秀行】【カッパ・ノベルス】【念法】【ナチス】【妖魔シリーズ】

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