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アイヌ民族とアボリジニの遺骨交換か 東大と豪博物館

2016-09-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/21 05:00、09/21 17:14 更新
 オーストラリアの博物館が、1930年代に東大からアイヌ民族の遺骨の提供を受け、それと交換する形で同国の先住民族 アボリジニ の遺骨3体を送った記録があると、北海道新聞の取材に明らかにした。東大は「現在、調査中」(広報課)としている。オーストラリア政府は国内の先住民族と共同で海外に持ち出された遺骨を取り戻す政策を進めており、日本国内でアボリジニの遺骨の保管が判明すれば、両国の間で返還問題が浮上しそうだ。
 アイヌ民族の遺骨をめぐっては、今年に入ってドイツの博物館が保管を認めるなど、研究目的で海外に渡った遺骨の事例が相次ぎ明るみに出た。今回判明したのは、反対に海外の先住民族の遺骨が日本にもたらされていた可能性を示すこれまで知られていなかったケース。日本政府はほかの交換事例があるかも含めて実態調査が課題となり、各国にあるアイヌ民族の遺骨返還をどう進めていくかも問われそうだ。
 遺骨交換記録の存在を明らかにしたのは、ビクトリア州立の各博物館を統括する「ミュージアム・ビクトリア」のリンディ・アレン上級学芸員。文書で同ミュージアムに保存されていた。当時の国立ビクトリア博物館が36年(昭和11年)4月、北部準州のアボリジニの遺骨2体をアイヌ民族の1体との交換で東大に送り、さらにこの年の10月に1体ずつを交換したとしている。
 ミュージアム・ビクトリアは現在、同博物館が受け取った2体のアイヌ民族の遺骨を保管しているという。アボリジニの3体について「保管されているか東大に照会したい」との意向を示している。
 遺骨交換がどちらからの提案かは不明だが、記録には仲介者として、ドイツで解剖学、人類学を学び、36年以前に東大教授を定年退官していた故小金井良精(よしきよ)博士の名が記されているという。
 博士は1894年(明治27年)にアイヌ民族はどの人種とも類縁性がないとする「人種の島(孤島)説」を展開したが、27年(昭和2年)には島説を維持しつつも、「オーストラリア原住民とアイヌ民族の頭骨や容貌に類同性があることは否定できない」との見方を示していた。(報道センター編集委員 小坂洋右)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0318386.html

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