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米先住民の起源はアジア、DNA分析

2014-02-15 | 先住民族関連
日刊アメーバニュース 2014年02月14日 18時09分
提供:ナショナルジオグラフィック
 北米最古の広範囲な文化は、アジアから「新世界」にたどり着いた人々に由来することが、約1万3000年前に埋葬された幼児の骨から抽出したDNAの分析で分かった。
 この集団はクロービス人と呼ばれ、特徴的な石器が北米とメキシコの広い範囲で出土している。研究結果によれば、現在のアメリカ先住民の多くがクロービス人の直接の子孫だと示唆されるという。
 クロービス石器を作っていた人々の起源と遺伝的継承は、科学者の間で論争の的となってきた。多くの考古学者がクロービス人はアジア人に由来すると考える一方、クロービス人の先祖は1万5000年以上前の最終氷期極大期にヨーロッパ南西部から移住してきたという説も出ていた。
 論文の共著者でテキサスA&M大学付属ファースト・アメリカンズ研究センター(Center for the Study of the First Americans)所長のマイケル・ウォーターズ(Michael Waters)氏は、「今回の発見は、『ソリュートレ仮説』として知られるヨーロッパ起源論への強力な反証だ」と話す。「最も早くアメリカに渡ってきた人々の祖先をたどっていくとアジアに行き着くことを、とても明白に示している」。
 テネシー大学ノックスビル校の人類学者で、この研究には参加していないデビッド・アンダーソン(David Anderson)氏も同意する。「現代のアメリカ先住民はクロービス人よりも数千年早く東アジアから来た人々の子孫だという通説は以前からあったが、今回の発見でそれが確実になった」。
 オレゴン大学の人類学者で、同じく今回の研究には関わっていないデニス・ジェンキンス(Dennis Jenkins)氏は新たな成果について、「大変重要で、非常に質の高い研究」であり、古代アメリカ先住民の骨を用いた新たな遺伝的比較への扉を開くものだと評価する。「この成果の重要性はいくら強調しても足りない」。
「最も古い物で1万3200年前の人糞や遺物が見つかっているオレゴン州のペイズリー洞窟とクロービス人がどんな関係にあるのかしばしば尋ねられては、“それが分かれば素晴らしいが、今のところクロービス人のDNAは採取できていないから”と答えるばかりだった」。
◆北米最古の埋葬
 今回の研究に使われたクロービスの子どもの骨は、1968年にモンタナ州西部アンジックにある埋葬地で発見され、専門家によって約1歳〜1歳半の男児と判定された。同じ地点から出土した数十個の石器は黄土が塗られており、クロービスの技術と一致する。放射性炭素年代測定法で、約1万2600年前の人骨であることが明らかになった。
 ウォーターズ氏によれば、アンジックの人骨は「北米で最も古い埋葬例で、分かっている中ではクロービス文化と関連する唯一の埋葬人骨」だという。
 研究者らはこの頭蓋骨の一部を削り取り、クロービスの幼子の全ゲノムを丹念に復元した。デンマーク、コペンハーゲン大学の進化生物学者で、配列決定作業の中心となった研究リーダーのエシュケ・ウィラースレフ(Eske Willerslev)氏は、「非常に難しい挑戦だった」と振り返る。「採取したDNAのうち、ヒトのものはわずか1〜2%しかない。それ以外は、死後に骨に侵入した細菌のDNAだった」。
 古代のDNAの比較研究により、男児の遺伝情報は太古のシベリアに住んでいた人々と、東アジア人の祖先のゲノムに似ていることが分かった。また、南米とカナダに暮らすアメリカ先住民52集団とも高い遺伝的近縁性があることが明らかになった。
「アンジックの人骨は、我々が調査対象とした現在のアメリカ先住民集団のほとんど全てと共通の祖先を持っている」とウォーターズ氏はみている。
 今回の研究成果は、2月12日付で「Nature」誌オンライン版に発表された。
Ker Than for National Geographic News
http://news.ameba.jp/20140214-524/
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