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台湾・蔡英文総統、20日退任 存在感向上、末期まで支持失わず

2024-05-20 | 先住民族関連

毎日新聞5/19(日) 20:24

台湾の蔡英文総統=台北市の台湾総統府で2023年1月1日午前8時27分、岡村崇撮影(毎日新聞)

2期8年にわたって台湾のかじ取りを担った民進党の蔡英文総統(67)が20日に退任し、同党の頼清徳新総統(64)が誕生する。蔡氏は中国が統一に向けた圧力を強める中で、米国などとの連携強化を通じて国際社会での台湾の存在感を高めることに成功。内政に対する批判はあるものの、政権末期まで大きくは支持を失わなかった。

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 学者出身の蔡氏は同党の陳水扁(ちんすいへん)政権(2000~08年)で対中政策を担当する大陸委員会主任委員(閣僚)などを歴任した。12年に続き2度目の挑戦となった16年の総統選で、中国との経済緊密化を強めていた国民党・馬英九(ばえいきゅう)政権を批判して初当選。台湾初の女性総統となった。

 民進党を独立を目指す勢力とみなして批判する中国に対し、蔡氏は中台関係の現状維持を訴えるとともに、対話を呼びかけた。だが台湾が中国に属するとする「一つの中国」原則を掲げる中国との隔たりは大きく、緊張緩和に向けた対話が実現することはなかった。

 蔡氏は18日に公開された英BBC放送とのインタビューで、中台の間で維持すべき「現状」について「自分たちのことを自ら決められるということだ」と説明。台湾は他国による外交的な承認を除いて、憲法や軍隊など国家として必要な要素を備えていると強調している。

 武力統一を否定しない中国を前に、蔡政権は防衛費の増額を続けて潜水艦など軍備の自主開発を進める一方で、安全保障上の後ろ盾となる米国との結びつきを固めた。22年8月には米国のペロシ下院議長(当時)が現職としては25年ぶりに台湾を訪問。反発した中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を展開するなど、緊張が高まった。

 蔡氏は「民主主義、自由の灯台」として台湾の役割を世界にアピールする一方、強硬な台湾政策を取る中国に対して極端な言動は取らず、相手に攻撃の口実を与えるようなことは避け続けた。民進党幹部は「過去に両岸(中台)政策を担当した経験などから、粘り強い交渉の重要性を熟知していた」と話す。

 また蔡氏の任期中、中国と関連した地政学的な位置のみならず、半導体分野など経済面でも台湾は存在感を高め、日米だけでなく欧州からも議会や研究機関による訪台が相次いだ。蔡氏は23年10月の演説で「台湾は既に世界の台湾となった」と自信をみせた。

 蔡政権は内政分野でアジア初の同性婚合法化や先住民の権利保護などさまざまな改革を進めたが、時に強い逆風にも見舞われた。1期目には懸案の年金制度改革に着手し、公務員など既得権益層からの反発が噴出。民進党は18年の統一地方選で惨敗を喫した。

 だが、19年に香港で起きた政府への抗議デモを中国が抑圧したことで情勢は一変。20年総統選では中国が受け入れを迫る1国2制度を拒否し、「台湾を守れ」と訴えた蔡氏への共感が再選をもたらした。

 蔡氏の退任を前に台湾のテレビ局が行った世論調査では、蔡氏に「満足」と答えたのが42%、「不満」は46%だった。食料や住宅の価格が高騰する中で賃金が伸び悩むことなどへの批判は根強い。ただ前任の馬氏に対する同時期の調査では「満足」が23%、その前の陳氏は「満足」が13%だったのに比べると、良好な結果で、蔡氏への評価が民進党として3期目となる頼政権誕生を後押ししたともいえる。【台北・林哲平】

https://news.yahoo.co.jp/articles/e2d8c50ff8589db769eee890bd209146a2f22281

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