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学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

ほめる

2012年11月13日 | チャレンジ英語教室(読み書き困難)

チャレンジ教室では、

ほめる

ことをとても気をつけて行っています。

 

よく、

「ほめて育てなさい」

「子どもはほめると伸びる」

と聞く反面、

「ただほめればいいってもんじゃない」

とか

「ほめすぎたら子どもが手を抜く」

という相反する意見を目にすることがあります。

 

ほめるときに、何をほめるか、ということが一番大切です。

それを考えずに、ただ「ほめる」から

意図した結果(あるいは意図していないのかもしれませんが)と

違うように子どもが伸びます。

 

ほめる、というのは、

何が大切なのか、何に価値があるのかを教える行為なのです。

 

あなたがほめることを、子どもは大切にします。

 

もしお皿を片付けることをほめたら

その子にとって、

片付けるという行為に価値が生まれます。

 

ですがそこで、

「お母さんの言うことをきいてえらいね」となると

お母さんの言うことを聞くことが価値があることだと教えています。

 

でも例えば

「自分で気づいて片付けられてえらいね」と言うと

自発的に気づくことが大切なのだ、と教えることになります。

 

「お皿が上手に洗えたね」、というと

お皿がぴかぴかになったことがいいことなのだと伝えています。

 

そして「お皿を洗ってくれると、お母さんが助かって嬉しいな」というと

人を手伝うことの喜びを教えることになります。

 

同じお皿を洗うお手伝いでも、

ほめ方、ほめるところによって、何が大切かを子どもに伝えているのです。

 

また、結果をほめるのか、過程をほめるのか、気持をほめるのか・・・

そういったことも、

いや、むしろそういったことこそが

とてもとても大切だと思っています。

 

 

 

チャレンジ教室の子どもたちには、

自分を信じてがんばれる人になってほしいと思っています。

 

「がんばる人」「あきらめない人」「自分を信じる人」

「自分は大切な存在だと思える人」

になってもらうには、

そういうほめ方をしたいと思います。

 

どうすれば、その部分を育てられるのかなあと

思いながら、言葉をかけています。

 

 

いろんなほめ言葉があると思いますが、

例えばこんな言葉があるかな。

 

1)努力する子になってほしいから

¤「ここまでやったんだ。よくがんばったね。」
 
¤「前よりも、ここまでできているよ。すごくがんばったね。」
 
¤「これは大変だったでしょう?よくやったね。」
 
¤「ここが上手にできるようになってきてるよ。だいじょうぶ。」
 
 
 
 
2)一人じゃないよ、って伝えたいから
 
¤「いつもがんばっているのを知ってるよ。」
 
¤「先生は、○○くんを応援してるよ。」
 
 
 
 
3)間違いを恐れない子になってほしいから
 
¤「間違いは、賢くなるチャンスだよ。」
 
¤「正解の数なんて全然どうでもいいのよ~。間違ったところが一番大切。」
 
¤「間違った問題の数は、それだけ自分が賢くなれるリストやで。さあ、賢くなろう!(間違いの見直しのときに)」
 
¤「良く考えたやん!考えると脳みそにしわがいって、賢くなるんだよ~!
  あ!今脳みそにしわができてるできてるぅ~~」
 (↑某先生のお言葉♪初めて聞いたときは笑った!)
 
¤「焦らなくていいよ。自分のペースでやればいいんだよ」
 
¤「間違ってるところを大切にしよう。これが次に伸びていくところなんだよ。
 たくさんあって、よかったやん。」
 
¤「これわかんなかった?じゃあ、これならどうかな?」
 
 
 
 
4)学ぶことは自分の責任なんだ、と自立して欲しいから
 
¤「これをやってみようと思うけど、○○さんはどう思う?」
 
¤「○○さん、これをやってみてどうだった?難しすぎた?簡単だった?」
 
 

 

 

ほめることは、たくさんあります。

 

先日、福岡の下津浦先生と雑談していたときに、

この子達は本当に、本当につらい思いをして勉強をしているよね、

えんぴつを持って字を書こうとすることにすら、よくがんばってる、って思うよね。

という話をしていました。

 

 

普通に努力なしに読み書きができる人には、

できない人のストレスや苦労をともすれば忘れがちです。

「できるはず」と思っているので

できない人をほめられません。

 

 

これはやっぱり想像しなくちゃ。

何でもいいので、自分がもうめちゃくちゃ嫌い!苦手!

ということを、一日8時間以上やらされている人の身を考えてみて、

しかも、失敗してけなされてばかりで、

努力しても皆に追いつくことができない。

でもやらなくちゃいけない。

 

(例えば私は、完璧な正確さを求められる、校正作業が

無茶苦茶ダメでした。雑誌で校正を担当してたとき、

じんましんは出るし、冷や汗と動悸がひどかったし、

つらかった・・・・(>_<)。

一生懸命やっても、間違いまくり、そんな自分が情けなかった日々・・・を思い出します)

 

そういう状況で、まだその苦手な物に向き合うだけでも、

同じ人間として、賞賛に値する勇気のある人だ!!!と尊敬します。

 

本当に心からそう思うから、

子どもたちの努力を、「あんたはすごい」と、ほめ続けたいです。

 

 

失敗する恐怖やストレスを抱えながらも、

自分や先生を信じて、怖いものを乗り越えようとしているのが

この子達です。

 

 

何度でも書きますが、結果じゃないのです。

 

点数なんて、本当にどうでもよいのです。

 

学習というのは、終わりのない体験です。

終わりを勝手に第三者が決めつけ、点数化するようなものではなく、

生きている限り、何らかの学びが常に要求され続けます。

結果ではなく、常に動き、向上していくものです。

ゴールではなく、続けること、続ける方法といったことのほうが

ずっとずっと大切です。

 

 

社会で生きていくのに、一番大切なのは、何だろう?

 

ほめるというのは、

それを知らない子どもたちに、教える行為です。

 

 

日々の進歩を一緒に喜ぶことも、大切です。

 

ほめる部分は、他にも、たくさん、たくさんありますよ。

 

時間を守れること、

静かに座っていられること、

プリントをなくさずに持って来たこと、

宿題やってきたこと、

ちゃんと消しゴムで消してること、

間違いを見直したこと、

などなど・・・

まずそもそも、今日来てくれたこと!

 

 

先生の言葉を子どもたちは待っています。

先生が子どもを信じていなくても、

子どもは無条件に、先生の言葉を信じるんですよ。

 

だから、たくさん、たくさん、ほめてあげてください。

 

がんばれる子、自分を好きになれる子がもっと増えますように。

 


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ひろころ)
2012-11-14 13:46:27
素敵な記事をありがとうございます。

ともすると忘れがちになる大切なことをいつも
思い出させていただき 襟を正しています。
返信する
ありがとうございます。 (まとりょん)
2012-11-14 14:20:50
自分が当たり前と思ってやっていることが、人から見ると新鮮であったりするのだなあ、と最近思います。

きっとひろころさんもきっと、そのような視点をいくつもお持ちでしょうね!ぜひ、機会があればシェアできたらなあと思います・・・。
返信する
Unknown (sisi)
2012-11-15 00:11:30
夫のことを考えながら読んでました。

生徒や子供相手なら褒めることができますが、夫相手だと努力している・・・だけでは心から褒めることができません。

当たり前・・・と思うことが難しい・・・っていうのも理解しているつもりなんですけど。
それでも同じ年齢の夫が相手だと
なぜ、これくらいのことができないの?と思ってしまうのです。

まあ、私も呆れるほど片付けが苦手なんですけどね。

まとりょんさんのブログは本当に胸に突き刺さり、そしていろいろなことを学ばせてくれます。

ありがとう。
返信する
sisiさん (まとりょん)
2012-11-18 18:55:05
そうですね、私は離婚しちゃったけど、結婚していたときは、やっぱり、「これくらいやって当然!」って思っていた。それって、独身になった今振り返るとね、ずいぶん相手に期待して甘えていたなって思います。
現実を受け入れる!!!これしかありませんぞ~。
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