苦境に立つ日本経済、まずは貧乏神ドジョウ首相の退陣が必要だ、

　昨年２０１１年の貿易赤字は▲２．５６兆円で、昨年３月以降恒常的に貿易赤字は続いている。今年に入ってからも、1～９月の合計赤字額は、既に昨年１年間分を遥かに超えて▲４兆7732億円に達している。日本は貿易赤字国に転落しているのである。これは言うまでもなく、超円高によるもの・・・・２０１０年７月に、１ｕｓドル９０円を切り８０円台に突入、更に昨年の７月には８０円を切って今日に至っている。

　この超円高の影響を裏付ける現象が起きている。

ソニー中間決算 ２年連続赤字、最終的な損益が４０１億円の赤字予想。

シャープは当初、今年度の決算について2500億円の赤字を予想でしたが、主力の液晶テレビ事業などの不振が響き、赤字は当初の2倍近い4500億円規模と過去最大になる見通し。

「パナソニック」は、今年度の決算が7650億円の巨額赤字になる見通しを明らかにしました。

苦しいのは、上記３社だけではありません（又悪化しているのは家電ばかりではありませんが）。日立、東芝、富士通、三菱電機なども、いまのところ赤字予想ではないものの、大幅な売り上げ減が予想されています。海外勢に押され、苦境に立つ日の丸電機に、再生の道はあるのだろうか。

「ＮＨＫスペシャル　メイド・イン・ジャパン　逆襲のシナリオ　第１回　岐路に立つ“日の丸家電”　10月27日放送」で、”日の丸家電のどこに問題があるのか、再生へのシナリオをどう描いていくべきかを考える。”というのだが、同放送では、「再生へのシナリオを企業の研究開発の重要性を説いている」、研究開発の重要性を否定する積りは全くありませんが、諸悪の根源になっている「円高」を是正しないかぎり、根本的な問題解決にはならない。

　本来ならば、貿易赤字が進めば市場原理が働いて円安方向へ振れるはずだが、現在の「為替の変動相場」は、「カネでカネを売ったり買ったり」の圧倒的な投機マネーが「為替レート」を支配する世界となっている。現在の「為替の変動相場」そのもののありようを変えないかぎり、現在の「変動相場制」を公正なものと信じて疑わないお人好しの日本経済は翻弄され続ける。

　いくらデフレ脱却だのリフレ政策だと言っても、「円高」というデフレ圧力から解放されないかぎり、効果はない。日銀がこれまで金融緩和をこの２０年近く、ひたすら金融緩和策に励んできたにもかかわらず、効果はなかったではないか。ここ２年間だけみても、ゼロ金利政策と国債購入をセットにした「包括金融緩和策」という金融政策を導入したが、日本経済は依然としてデフレからは脱却できていない。

　自民や民主党の政治家のなかには、デフレが改善しないのは日銀の金融政策のまずさにあると信じている者がいる。前原経済財政担当相は１０月５日の日銀の金融政策決定会合にまでわざわざ出席した。更に、１０月３０日の金融政策決定会合には、城島財務相、前原経済財政担当相が出席し（前原氏の持論は外国債の購入という話もある）、追加緩和措置を決定し発表した。いくら日銀が強力な金融緩和を繰り返したところで、これまでの実績が示すように、効果はないだろう。

”前原君よ、まちがったボタンを押しても、ダメなものはダメなんだよ。君らの為すべきことは、一刻も早く、ドジョウ首相と共に、舞台から降りることだよ。”

　強力な追加金融緩和という蛇口を緩めても、資金需要が劣化しているのだ、需要の蛇口を絞ったままでは、いくら追加金融緩和しても効果はない。根本的な原因は、これまでなん度も述べたように、円高で日本国民の賃金を半強制的に抑え込み大幅な収入減をもたらしたことが、デフレの最大要因であることを理解しなければならない。また円高により、多くの企業が海外に生産拠点を移して国内産業の空洞化が生じていることである。

　仮に何らかの方法で円安に急激に移行させれば、輸入物価の急な値上がりを招く、その場合の被害者もまた貧しい人たちである。