このショッキングな言葉「首を洗って待っていろ」とは、8月11日午後の参院予算委員会の場で、自民党の西田昌司議員が、菅総理に向かって発した言葉である。国会審議の場で、一国の総理に向かって、そこまで言うほうも言うほうだけど、言われるほうも言われるほうである。
小沢氏に「政治と金問題」でクリーンな政治をと説き、小沢氏に責任を取れと迫っていたのは、ほかならぬクリーンイメージの菅首相自身である。そしてその小沢氏の党員資格まで停止を決定したのも菅内閣である、それがために近いうちに行われるであろう民主党代表選挙に小沢氏は出馬できなくなっているのである。
ところが 今問題 になっている菅首相の外国人からの献金と、北朝鮮拉致に関係する市民団体への菅氏側からの献金問題(国民の税金:政党助成金からの支出らしい)は単なる贈収賄以上に国民に対する裏切り行為である。菅首相自身の2つの献金問題は、明らかに身から出た錆である。自らの汚い垢を棚に上げて小沢氏の政治と金のことを云々する資格なかったのである、呆れた根性と言うしかない。結局は、天に唾したものは自分に降りかかる「首を洗って待っておけ」と言われるは、このことである。
本日は、菅首相の「禁止されている外国人献金問題」に関する西田議員の追求と菅首相の応答の模様について、8月11日の参院予算委員会の自民党議員西田昌司氏の質疑の模様を参考までに書き起こしてみました(このほかにも菅首相の資金管理団体「草思会」から北朝鮮拉致と関係のある団体へ6250万円の献金問題についての西田議員の追及質問もありますがそちらは又の機会とします)。
西田:
外国人からの献金について、
これについては、何度も質問して参りました、私の同僚衆議員、参議員からも・・・
要するに菅総理が外国人から献金してもらってですね、それを知らなかったと菅総理はおっしゃっているんですよ。ところがほんとうにそうだったのか、そのことを証明するために、我々は菅総理が献金を返したと言う日が3月14日だと言っているんですけれど、3月14日にそのお金を返したという領収書を見せて下さい、領収書を見せていただけますか。
菅首相:
私はその間申し上げたのは、ご指摘の人物が日本の方だと思っておりましたので、そうでなかったということがそれまで知らなかったということを一貫して申し上げております。それを弁護士さんがはっきりさせた段階で過去の献金を返金いたしました。その領収書は総務省に一定の手続きのもとに、領収書を添付して提出することになっていますので、そうした処置をとりたい、どうしてもと言うことであればそれをお待ちいただければ充分公開されると思っています。
西田:
これがいつも同じことを言って、堂々巡りしているんですよ。
私たちが何故そのことを言うかというとですね、要するに、元々この問題は、3月11日に朝日新聞が報道しました。しかし朝日新聞自ら言っているんですよ、3月9日に菅首相に取材したんです。そして菅総理から返事がなかった。そのまま報道が11日になされた。11日は決算委員会でした。私たちの同僚が質問したら、菅総理は知らなかった、もし外国人なら返すということだった。そして3月14日に返したということが、後々の委員会で明らかになったんですが、その一方で3月10日に菅総理の代理人が、K氏の代理人と秘密裏に合って返金したということが報道されているんです。ですから、もしこのことが事実でしたら、菅総理が言っていること自体が、既に矛盾しているんです。朝日新聞に取材をうけて慌てて10日に返したんです。だからそのことが違うと言うんなら、3月14日なら3月14日の領収書を見せるべきなんです。それをしないのは、まさに貴方がみせられないからじゃないですか。
じゃー、具体的にいつどこで誰に返金したのか、昨日この件質問通告してますから、誰がいつどこでどのように返金したのか具体的に述べて下さい。
菅首相:
私の依頼した弁護士が3月14日にその当事者とお会いして、きちんと公的な文書で外国籍であると確認した上で返金したという報告をうけております。どこでということは詳細に聞いておりません、弁護士におまかかせしております。
西田:
大事なのは、どのように返したかということ、現金なのか振り込みなのかということです、それを聞いているのです。
菅首相:
弁護士の報告は現金であります。
西田:
それがデタラメなんです。もし貴方がほんとうに、弁護士が返金したとするなら現金だというのは絶対あり得ない。何故あり得ないかというと、我々に後々こういうことを言われる恐れがあるからです。間違いなく振込みを確定させて私が返したのはこの日ですよと、外国人に返したのではないんですよとしなければ弁護士は職責を果たせない。現金であるということ自体が、つまり振り込みでないということが、問題の本質なんですよ。つまり、現金ということにすれば、後でいくらでも領収書が改ざんできる可能性があるんですね。しかし私が問題にしたいのは、そういう状況だけでなく、要するに朝日新聞が3月10日に、貴方の代理人とK氏の代理人が会って返金したそのことをしっかり取材しています。私も情報提供された方から直接聞いています。それが保土ヶ谷パーキングエリアではないかということまで聞いているんですよ。
ほんとうに貴方が辞めるんだったら、きれいにして、すべて国民の前に明らかにして辞めるべきじゃないですか。もう一度聞きますが、ほんとうに3月10日保土ヶ谷パーキングエリア、しかも午前中に貴方の代理人とK氏の代理人が会って返したんじゃないですか。そしてその領収書を貴方が持っているんじゃないですか。
菅首相:
西田議員が自分なりのか推測なのか、或いは想像なのかで言われるのは自由かもしれません。しかし私が申し上げたこと、私が申し上げたこと通りでございまして、3月14日に弁護士を通じて返金したということを、もしそうでないと言うなら話しをいくらされてもですね、弁護士からちゃんと報告を聞いておりますから、そのことをこの場で申し上げているだけです。
西田:
最後の最後までそういうデタラメをおっしゃるんですか。菅総理、この問題はですね。検察に告発されています、告発されて事件化されて、検察が捜査されているはずなんです。検察に聞きますが、検察は捜査中じゃないですか?事実関係お答えください。
西川刑事局長:
事件は告発をうけ、捜査中であると承知しております。
西田:
私が聞いた情報では、K氏は警察から2回事情聴取されていると聞いております。菅総理、貴方も検察から聴取を受けたんじゃないですか?
菅首相:
告発されていることは今聞きましたが、告発することはどなたでもできますから、告発されていることを私も承知しております。そのため、告発に関するすべてのことは依頼した弁護士にすべておまかせしております。
西田:
何を言うんですか。私は聴取を受けたかどうか事実関係を聞いているんです。
鳩山総理のときも・・・・鳩山さんは正直でしたよ。貴方の弁護士が貴方にかわって事情聴取されているんじゃないですか?答えてください。
菅首相:
まあ、このことは信頼する弁護士にまかせておりますから、弁護士にすべてをまかせているということであります。
西田:
まあねー、堂々巡りになるんで、このこと自体はやめます。
大事なことを言います。この問題は、告発されて検察が捜査中である。そしてそれがどういう形になるのかわかりませんよ。起訴されるのか起訴猶予されるのか
不起訴とかいろいろありますから、しかしいずれにしても、これは又検察審査会にもどって、検察審査会によって起訴されることが充分あり得るんですよ、つまり小沢さんと同じことがあるんですよ。そこでさまざまなことが調べられますよ。
そこで私は警察に聞きたいんですけども、保土ヶ谷パーキングエリアという具体的な場所を示しましたけれど、ここに行くためには或る高速道路、特定の高速道路を通らなければならないんですよ。そしてそこには、Nシステムという番号認識システムがあるんです。私は、どなたが菅総理の代理人、そしてK氏の代理人であるかを、私は情報として得ているんです、その番号も知っているんです。こういうふうに、特定の番号を指定した場合、あとからNシステムによってですよ、Nシステムによって特定の車両がすぐわかってしまうんじゃないですか?そういうふうにNシステムを運用することによって捜査ができるんじゃないですか、警察庁にお伺いします。
警察庁兼高刑事局長:
一般論ですが、犯罪関係の車両がNシステムの下を通過していて、且つデータの保存期間内であれば、一定の重要犯罪関係の捜査の目的のために車両がNシステムによって後から把握することが可能であると考えます。
西田:
それから、もう一つ言っておきますが、ここには料金所がありまして必ずその料金所を通らなければ、そのパーキングエリアに入れません。そこにも防犯カメラがついておりますし、パーキングエリアの中にも防犯カメラがあります。後々立件されると、こいうことが全部出てくるんですよ。ですから私ははっきり申しあげますが、総理を退任されるという話ですが、総理である限り、起訴も逮捕もできませんし国会議員であると逮捕もできませんが、あなたが辞められた瞬間立件される可能性があり、これは必ず立件されてしまうことを断言したいと思います。
ですから今のうちにもう一度きれいに身を処していかれたほうが、後々総理を辞めても、政治家をやるんなら、貴方のためだと思いますが、最後にお伺いしますがどうですか?
菅首相:
まあ、西田議員から私の将来のことまで心配していただくとは思いませんでした。西田さんが税理士さんであることは知っていましたけれど、税務以上に犯罪捜査に向いておられるのであれば、そういうことをされるのも、将来の仕事かなと思っております。つまり、今言われていることはすべて西田さんが自分で言っておられるわけでありまして、私が申し上げているのは、弁護士におまかせして、その弁護士が当事者と合って、3月14日にですね、その人物から、公的な書類で外国籍であることを確認して、現金で返金したと、それがまさに一貫してもうしあげていることで、これが事実でありまして、それ以外のことはすべて推測で言われたんじゃないでしょうか。
西田:
まあ、それが推測であるかどうかということは、後々、私が言ったことを裏付ける方が出てきますから、首を洗って待っておられたほうがいいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
以上、ここまでが菅首相が禁止されている外国人からの献金問題についてです。