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いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

為替によって首を絞められていくニッポン(続き)

2010-10-18 21:53:03 | 日記

 10月15日「為替によって首を絞められていくニッポン」の続きです。
 1usドルが80円を切ることも現実のものとなりつつあります。1usドル80円は、輸出企業の採算ラインすれすれだと思われる。大企業と言えども80円を割れば、赤字企業が続出するものと思われる。そこで話題になっているのが、「多くの企業が国外脱出する」のではないかということである。従って日本の雇用は益々奪われて行くことが心配される。

「一に雇用、二に雇用、三に雇用だ」と言っていた菅首相は、これでは益々日本の雇用が失われていくことを心配したのかどうか、13日の衆院予算委員会で次のように述べている。「事業所が国外に移転する動きを促進してしまう危険性があるので(引き留め策として?)、法人税率について欧州やアジア諸国に比べて高いとされ、引き下げの方向で検討を指示している」ことを改めて表明した。

 しかし、法人税を引き下げたところで問題は解決しません。現実は日本の企業が海外へ安易に脱出できる状況でもありません。中国にしても、中国の通貨「人民元」はアメリカの圧力で、usドルに対して若干「元高」傾向(95年~2005年:約8.25元→現在6.7元)ですが、日本円に対しては(1人民元13~16円→現在12.3円)円高・元安であり中国へ脱出しても以前ほどメリットはありません。又ご存知のように中国は、何かあれば反日の炎が燃え上がる国柄でありリスクは高い。その他の東南アジアにしても、基本は機軸通貨ドルに連動しているので、ドル安が進行する状況下では安易に国外脱出すれば痛い目にあうだろう。

 法人税率の引き下げに合わせて課税ベースを拡大する方針案を検討しているという。だがデフレ不況により赤字企業が続出しており、法人税を納めていない企業が7割近くもあるなかで、課税ベースを拡大したところで、税増収効果は殆ど期待できないことは素人でもわかる。
 税収は益々落ち込み均衡財政どころではない、財源は更に逼迫することは必定である。結局行き着く先はやっぱり消費税?とんでもない!国民の年収が年々落ち込むなかで、消費税アップすればどうなるかくらいはわかるだろう

 日銀は、再びゼロ金利と量的緩和策を打ち出したがこれも過去の実績から効果がないことは明らかである。水を飲みたくない馬を水辺に引っ張ってきて、無理やり水を飲ませようとしても水を飲むわけがない。本来ならば、2%や3%の金利でも資金を必要とする需要があるのが正常な姿である。既述したが「ゼロ金利と量的緩和」で喜ぶのは外ならぬ外資だろう、日銀はそ知らぬ顔をしながら円高を助長し、日本人の貧乏化に貢献(苦笑)している。

 菅政権の補正予算案の規模は5兆円余とみられているが、こんなちっぽけな予算では焼け石に水である、円高の減殺によるマイナス効果が大きくGDP押し上げには殆ど寄与しないだろう。
 
 菅首相は所信表明演説で「強い経済、強い財政、強い社会保障」を目指すと言っていたが、蓋を開けてみれば先行き不安満載の船出である

 日本は長年にわたる円高で首を絞められ、更なる円高により二進も三進も行かない状況に追い込まれているのである。

蛇足だが、中国の人民元について、
1970年代1usドル1.5~2元→現在約6.7元の「ドル高・元安」

当時1人民元は140~160円→現在12.2円である(円高・元安)。

日本の「円」は1us360円→現在81円である。円がいかに不当に高く扱われているかがわかろうというものである。

 円高にがんじがらめになって、今更円安誘導も夢のまた夢である。現状の円高が続く限り、半永久的に日本の不況は続きます。医療費や福祉予算、老人介護費、年金など日本が抱える様々な問題が深刻さを増すばかりである。それ故に、財政支出が欠かせない。

 最早きれいごとを言っているときではないのだ。不当な円高に対抗するには、これまで何度も述べているように、国の借金にならない政府貨幣を発行して必要な財政支出に充当し、国民に金をばら撒くしかないだろう(児童手当や農業の所得補償するのと同様に)。今の政治家は智恵もなければ、胆力もない。事業仕分けにうつつをぬかしている暇はないのだが・・・。


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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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溜息 (明け烏)
2010-10-19 17:04:24
本当に正規社員としての採用口が殆どない状態になっています。身内に大学院に行っているのがいますが、もう25歳ですから、ほぼ正社員は絶望的でしょう。洒落にもなりません。
五年ほど前、渋谷に仕事で行っていたのですが、そのビルの階下に「不動産会社」があり、リクルート・スーツ姿の学生がぞろぞろと並んでいました。帰りに雨が降っていたので女子大生を傘に入れて駅まで送ってあげたことがあり、「どこの大学なの?」「○○大学です」との答え。おいおい○○大学出て不動産屋もないだろう、と思ったのですが、あの当時からすでに就職口はなかったのでしょう。
国内に製造業が消滅すると、こういう風になるものなのですね。しかし分かったときには後の祭りなのでしょう。
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ため息 (いかりや)
2010-10-19 21:17:33
 最近、こんな話が多いですね。今春、4年制大学を卒業した学生の就職率が60.8%だったとか。

 大学の2年、3年生ころから勉強そっちのけで就職活動という。真面目に勉強した学生や個性派は就職できない?要するに要領のいいずるいやつばかりが就職も出世も?

10人のうち4人が就職できない世の中、どこかおかしい、国家の損失でもある。

 こんな国になったのはバブル後だけれど、特に1995,6年以降ですね。1usドルが80円を切ったのも95年でした。日銀の超低金利(公定歩合)がはじまったのも95年の9月でした、日銀は表向きは景気回復の突破口であるかのようにみせながら、低金利と規制緩和、量的緩和の導入でしたが、恩恵をうけたのは外資系金融機関だった。

 これは私の推測にすぎませんが、FRB-日銀の日本経済の構造改革だった。日本企業の年功序列と終身雇用制が崩壊していった。

そして1995~2008年のあいだ、世界各国のGDPは2倍近い経済成長を遂げながら、日本だけがマイナス成長でした。こんな馬鹿げたことはないと思う。その流れは今も続いています。

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>学生の就職率が60.8%だったとか (明け烏)
2010-10-19 22:07:48
この中身も問題ではないでしょうか。かなりの数が営業で使い捨てになっているでしょう。正社員は名前だけ、体を壊さないほうがおかしいようなハード業務で、1~3年で退職せざるを得ない人間がかなりいると聞きました。
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使い捨て (いかりや)
2010-10-21 16:13:04
日本人の労働環境は厳しくなるばかりで、一時話題になった「名ばかり管理職」は影をひそめたものの、ハード業務の実態は依然として変わりなく、身体も心もボロボロなって捨てられる。

職にあぶれている人がいっぱいるので、いくらでも補充がきく。
なぜこんな世の中になったのか腹がたつ。

日本はやりようによってはいい国になる潜在能力がある国なのに。
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今こそ「米百俵」 (明け烏)
2010-10-22 10:13:19
支藩から送られた米百俵を前にして、小林虎三郎は、この(長岡藩の)惨状は、教育の不備が原因だと考えて、米百俵を原資にして学校を設立しました。

「小泉の米百俵」ではなく(おそらく小泉はこの言葉の由来も知らなかったはず)、教育の不足こそが、現在の惨憺たる状態をまねいているのだから、今こそ教育の充実を考えるべきではないでしょうか。Media Violenceに侵されないためにも、どうしても必要だと思います。
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