NEVER TOO LATE

この年齢になって、チェロを始めた、、、、、

梅雨明け

2006年07月28日 | チェロ
長く激しい梅雨が明けた水曜日、朝9時過ぎにエプロンおばさんのレッスンへ向かった。
久しぶりの強い日差しで、ようやく蝉も鳴き始め、土と草木のもうもうとした匂いに圧倒される。
エプロンおばさんのお宅は、山間の谷間を登り切った駐車場のさらに上の傾斜地にある。
駐車場から練習室までの急勾配の坂道は、雨が降ると危険だが、
暑い季節はいっそう身体に堪える。
ちなみにチェロケース一式は実測9,5kg、+小物入れが結構重い。

 8月12日のコンサートに向け、課題曲のまとめにかかっているが、
いまひとつ先生も本人も納得できない。ただ弾いているという感じ。
いろいろアドバイスを下さるがいかんせんバイオリンが本職。
それでも楽しいお稽古とおしゃべりを1時間あまり。

午後からは、高速をとばして2時間、笛子先生のレッスン。
昼食はさすがに風に吹かれて、というわけにはいかずPAで車内で。
コンビニで買った「穴子の寿しおにぎり」1個と、
「お~いお茶 濃い味」。じつは密かにダイエットを始めている。

 シュレーダー31,32番をみっちり一時間。
短い弓でのスタッカートと付点の弾き方。
弓を弦から離さず。左手の悪い癖は「半分くらい」改善。

後半の一時間は、コンサートのことを気にしてくださり、
課題曲をみてくださった。
「私ならこうします」と思いがけない指使いを教えてくださった。
[安易な方法はとらないで、出る音も安易になります」
同じ曲なのに、先生が弾くとどうしてこうも違うんだ。
柔らかく音がつながって紡ぎ出されて聴き惚れる。

「次の音をよく考えてから弾いて」
「暗闇を歩くように音を探すの」
「意味のない音を出しても意味はないでしょ、一音一音すべて意味があるの」

ぐさっとくる言葉がさりげなく連発されたがなにかがわかったような、、、、、
あらためて指使い、ボーイングやりなおそ。

悪い癖、あらためて

2006年07月22日 | チェロ
 コンサートが近づいたからといって、今回は7割方練習曲を弾いている。
ヴイクター・セイザーと言う人の「新しいチェロ奏法」という本があって、
副題には【身体に優しいチェロ演奏のために】とある。
そう、昨年の今頃は右親指の腱鞘炎を起こしていた。
最悪の時は、字が書けなかったし、印鑑も押せず本業にまで影響が出た。
その本によると、職業障害率というデータがあって、
フットボール選手が65%なのにたいし、音楽家は75%だそうだ。

私の腱鞘炎は右手で、エプロンおばさんにいわせると
「普通チェロ奏者は左手なのに、、、変ねぇ」となる。
私の考えでは、私の左手は以前書いたように指をパラパラ動かし、
きちんとポジションを取ったりしていなかった。従って音程もバラバラ。
だから逆に無理がかからなかったのだと思う。
したがって、今、その矯正が主で今度は左手を壊しそうだ。
でも、その本を読んで、また、笛子先生の指導で、克服できそう。
要するに、左手全体を自由にし、肘を大きく動かせば負担は減るのだ。
もうひとつ、体重移動を加え。
プロが、身体を大きく動かしながら弾くのは格好付けだと思っていたが、
じつはあの動きがないとうまく弾けないのだ。

右手をやってしまった原因は、力まかせに
大きな音「ホールの後ろの席まで届くような」を出そうとしていたからだ。
力を抜き、手首を楽に動かすエクササイズをするようになって、右手の心配もなくなった。
簡単に言えば、コーヒーをスプーンでかき回す感じだ。
ぎゅっと持って手首を使わずかき混ぜる人はいない。
でもね、問題は本番なのよ!

コンサートも近づき

2006年07月20日 | チェロ
 たとえ列車が運休するほどの豪雨が降っていても、
2週連続水曜レッスンをとばしてしまうと、エプロンおばさんのご機嫌を損なう。
たまたま小降りにもなってくれたし、いろいろ担いで出かけた。
考えてみれば、「お盆興業」まで3週間ちょっと。
エプロンおばさんの基本姿勢は「どうせプロになるわけじゃなし」だが、
本番が近づくとさすがにそうも言ってられない事態に気づき、
あれやこれは細かいことを指導し始める。
「ちょっと、もっとビブラート入れて」「そこはダウンでしょう」
「そこ、この指でとった方がいいんじゃない」、、、
「そんな、今更そんなことを言われても」という感じで、
弟子はあわてて結果惨敗ということが続いた。
で、今回は様々なオプションを事前に練習してきたから、
さっと対応する。と「ま、それでいいわ」と不服そう。
ソロはブラームスの「メロディのように」に決定。
短い曲だけど、結構難しいんだ、これが。

オフー2

2006年07月18日 | 読書
 博多から下関に移動、レトロな美容室を発見したが、
是非訪れたかった金子みすず詩碑は観光案内地図上に示されている場所に行っても見つからず、
地元のお兄さんに聞いても???
我が町にも、いろいろ史跡、観光施設はあるが、実情は同じ、
よそから来られた方の身になった案内図はない。というより、
十分整備されていないからがっかり落胆してかえられる方も多いと思う。
反省しきり。
旅の途中はもっぱら読書。
今回は直木賞作家、篠田節子の「マエストロ」を読んだ。
美貌バイオリニストを巡って、パトロン、楽器商、ライバル、楽器職人などが織りなすサスペンスドラマ。
特に楽器の製造、販売、贋作のことなど、へ~という知識も得られます。
作者は、たしか趣味がチェロ演奏だったと思いますが、
音楽小説(こういう分野があるとすれば)を多く手がけておられます。
最近作は「讃歌」。

http://www.cyumo.com/seto/index.html

オフー1

2006年07月18日 | 旅行
 仕事柄、盆、暮れ、正月には休みが取れない。
したがって、オフは中途半端な連休にとることにしている。
が、以前お話しした理由で、チェロを同伴することはできない。
霧降る高原や、せせらぎの音をバックに、
ひんやりとした空気のなかで弾けたらそれはもう最高だろうけど、
それには、まだまだ修行が足りない。ということで、
残念ながらしばしお別れ。
 プロの世界では3日休んだら自分でわかり1週間さぼったら
聴衆にもわかってしまうと言うデイリーレッスンだが、
幸い帰ってきて弾いてみたら、少し上達した気がした。
博多で食べたぴちぴちのヤリイカのおかげか、、、
食べながらも、これだけ柔軟な指があればどんなに楽に弾けるだろうとか、
かえってこんがらがるかしらとか、頭はチェロから離れていなかったのだが、
どうも心はリフレッシュされたみたい。

猛暑、連休

2006年07月15日 | 旅行
 ということで、本業もひま、明日から熱中症覚悟の旅行にでます。
で、残念ながら修行できません。

 ちょっと書きすぎ、と思って、かの長谷川陽子プロのブログを覗いていました。
某大学の「スキルサイエンス研究会」で、講義をしてきたそうです。
そこで「音楽をする、楽器を弾くという行為は私たち演奏家にとって、
息をするように、あまりにも身近なことで、それを改めて再確認しながら
言葉に置き換えて説明する、というのはちゃんと伝えられるか
ドキドキでしたが、とても面白い作業でした」という文章を見つけました。
何ともうらやましいお言葉ですが、前回、僕が言っていたことの裏返し?
スキルがサイエンスで解決できるかはともかく、
あまりに当たり前のことを教えるのは逆に難しいようです。
でも、他の箇所に、「さて、明日は久しぶりのオフ!!
今週末のリサイタルに向けて、明日は一日練習三昧デーです」という言葉も見つけました。
そうか、演奏家は演奏が本業、でも、オフには、一日練習しているのだ!!ほっ

悪い癖2 はい、泳げません

2006年07月15日 | チェロ
 「はい、泳げません」
急に厳しい暑さに見舞われたからといって、水泳の話をするつもりはない。
最近のベストセラー小説の題名だ。大人になって、たまたま美人(?)インストラクターに
水泳を習い始めた主人公が、頭で考えることと身体の動きの間に生じるギャップをコミカルに描いた笑いと涙の傑作。
わからない人、できない人には、たかが水泳と言っても、身につけることは至難の業。
身体が水平になっているとき、手足はどうなっているのか、
息継ぎのタイミング、言葉や文字ではなかなか伝えられない。
何度も沈んで、いっぱい水を飲んで、むせて、身体が覚えていく。
そもそも、そうした技を文章にすること自体不可能かもしれない。
「お稽古ごと」すべからく、見よう見まね、習うより慣れろの世界だが、
結局、手取り足取り、してもらわないと。

 弓の動き、ボーイングについても笛子先生は厳しい。
基本的に弦と直角になっていなくてはならないが、
そもそもチェロは身体の左側において構えるから、
身体に対して前後左右にすでに角度がついている。
さらに、4本の弦は、軽いカーブのついた駒の上に乗っているから、
それぞれ微妙に刻々と角度を変えなくてはならない。三次元の世界で、
右手をどうコントロールするか、鏡を見てもどうなっているかわからないし、
教則本の写真などをじっと見つめても解決しない。

結局、笛子先生が正面に座り、
「弓先があがっている、下がった、もっと右手を遠くに、左肩を後ろに引く感じで、、、、、」などと
チェックしてもらいながら矯正するしかないのだ。
悪い癖は片っ端から忘れる、振り返っていては前には進まない、
そもそも、人間なんて、いやな記憶を忘れていかなくては生きていけません。

悪い癖1

2006年07月14日 | チェロ
 癖というのはそう簡単に治るものではない。爪かみにしろ、貧乏揺すりにしろ、、、。

 ゴルフは、最初の一週間でその人の一生が決まるとか。
セットアップというか、アドレスというか、まず身体とチェロの位置関係。
その辺から無理な手の動きをせざるを得なくなる。
ゴルフでいえば大きく振れない構えをしているから飛ばない、結果、力が入る、
事実、昨年の今頃は腰痛、手の腱鞘炎に悩んでいたのです。

 笛子先生は、まず「エンドピンをもっと長くして、背を伸ばし、胸を張って構えましょう」と言われた。
要するに、ちまちました弾き方になっていていたのだ。
数センチのことだけど、なんだか背が伸びた感じ。
かなり致命的だったのは、左の指使い。小指(4)である音を出していたとすると、
人差し指(1)、中指(2)、薬指(3)が宙に浮いていた。
また、隣の弦に移るときには、4を押さえたまま1をとってから音が出てくるべきところが、
4はすでに離れかつまだ1もとれていないという極めて曲芸的動きをしていたのだ。
つまり、平均台の上をピョンピョン走っている状態ですね。

 笛子先生は「音がちゃきちゃきになる」といわれます。
大股で歩くとしましょう、当然、後ろ足かかとは早めにあがりますよね、
それを前足が着地して後ろ足をあげるということ。
とてもきついけど音程も確実で音もつながるわけです。
つまり、、、人生によくあること、、、「楽をしていた」わけです。
この矯正は、加齢の進んだ手関節には極めてつらい。股さきの刑を受けているみたい。

 笛子先生は、なかなか治らないこの癖を辛抱強く、何度も何度も、
ひつこく注意してくださいます。
けっして切れず、「繰り返しやれば治りますよ」と涼しい顔でおっしゃいます。


笛子先生

2006年07月13日 | クラシック音楽
 新しい先生の名前(仮名:純情きらりのお姉さん役)。私がつけました。NHKの宣伝をするわけではありませんが、
いま、朝ドラで、「純情きらり」という番組をやっています。
ピアニストを目指し、紆余曲折している少女の話です。
朝ドラなんて長く見ていませんでしたが、たまたまオープニングテーマが耳に入り、
おっと思って画面を見たらテーマ曲を我らが長谷川陽子様が弾いているではありませんか。

http://yoko-hasegawa.com/index.html

以来、はまってしまってみているのですがそのヒロインのお姉さんです。
やや古風な、気の強い、そして、まじめで頑固で、それが笛子。
昨日、水曜日は「梅雨明け?」と思わせる猛暑のなか、高速をぶっ飛ばして
六回目のレッスンに行ってきました。

シュレーダーは古典的チェロの教則本ですが、三巻からなり、全170曲。
これを終えれば「十分通用します」とおっしゃいます。今、やっと30番。
計算上、1年半でいけそうですが、最初の20曲くらいは以前いい加減ながら弾いていたし、
まぁ、初歩。これからどんどん難しくなっていきます。
「練習曲こそきちっと仕上げて」と笛子先生はおっしゃいます。
何せ、悪い癖がついていますから、、、、、。



修行1

2006年07月11日 | クラシック音楽
 遊びではなく本気になったきっかけは、3月19日行われた発表会でのたる結果を踏まえて、
真摯な反省に基づいてのことだ。
人前で弾くのは4回目、それまでも思いっきり悔しい思いをしてきたが、
そろそろ慣れてきたし、と意気込んでいた。
ソロはメンデルスゾーンの無言歌作品109、
多くの無言歌のなかで唯一のチェロのためのオリジナル作品。
美しい子守歌と表したチェロ奏者もいたが、
中間で転調して激しく早いパッセージが現れる。
充分練習したつもりだったが、ここで転んだ。
正確には、汗で左手が滑ってしまったのです。
トレーナーでもある伴奏者の竹子さん(仮名:竹を割ったような性格)は、
所詮練習不足ですと一言。
さらに、
今回は、なんとプロと、私にとっては大曲を演奏したのだ。
第一バイオリンは横浜で活躍中の現役、
ピアノは、ウィーンに留学もされていた先生、ビオラがエプロンおばさん、
もちろんバイオリン教室を主宰しているのだからプロだ。
皆さんご幼少から音楽一筋、音大を出ているのはもちろん。
そのチェロを任された。MOZART PIANO QUARTET NO.2 1st Mov Allegro
フラットが3つもついている。ターンが頻出し楽譜をもらったときは不可能と思ったが、
今回ばかりはエプロンおばさんも本気のようだった。
およそ半年間、必死で取り組み、前夜初めて合わせて、
本番も何とか大過なく終えることができた。が、打ち上げの席で、
第一バイオリンのおばさまから鋭い指摘を受けた。
もっと音程を正確に!音の出だしはきちっと弦を噛んで!!
噛む?噛むんですか??そう、あなたのは撫でているだけ、、、、、。
でも楽しかったよ、またやろうね。プロにそういわれれば、
よし!
今度こそ鼻をあかしてやろうじゃないかと思うじゃないですか。