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千里の道も一歩から

心が動けば納得する -交渉心理学入門-

2019-12-21 23:47:19 | Books
説得の戦略 交渉心理学入門 荘司 雅彦 (著)
交渉というと仕事をメインに思い浮かべてしまいますが私生活でもそして育児においても説得させることが必要になるシチュエーションは多いように思います。特に男性がやってしまいがちなのがたくさんの言葉を重ねて、理詰めで説き伏せてしまうこと。そういったやり方ではその場しのぎの一時的な説得にすぎず、相手は決して「納得」していないはずで相手の立ち場から考えるとそういった割り方ではわだかまりが残ってしまう可能性が高くなってしまいます。相手の「心を動かす」ためにはどうするのが良いのか?を筆者の弁護士としての経験を基に心理学の観点からまとめた本です。 人間というのは基本的に理屈よりは感情で動く生き物だと思ったほうがよさそうです・・・が交渉というと理屈だけに走ってしまうのが危険な要素です。感情的に心を動かすことが基本と思います。

●基本的要素
・相手の立場に合わせた環境・材料を用意:晴れた日とかソファーとか物理的な環境
・プレゼン時の視覚的、聴覚的要素に注目:色の活用やBodyLanguage
・相手に選択肢を選ばせる
・思考よりもまず行動を先行させる。人間は行動の理由付けで感情、思考が起こる傾向あるため、つまりはいったん取り込んでもらえれば有利になる(お試しとかは有効な手段)
・人間は基本的に保守的、容易に想像できる材料を用意する、CMのように使っている環境を想起させることで親しみを感じさせる
・明確に意思表示された行動を守ろうとする、目標を宣言することで実現しやすい環境が整う
・心遣い、貸しを多く作っておく
●その他の特別要素
スキーマ:その人の常識のこと、生まれた環境によって決定され鵜ことが多いので食い違う可能性も高い、無理に距離を縮めるのでなく違いを理解することが重要。
具体的事例で食い違うことが多いので抽象化、普遍化で対応。
自己都合バイアス; 専門家、魅力、自己ひいきバイアスが存在、無理に気づつけないようにしてうまく利用すること必要
集団、文化バイアス: まずは否定せずに相手の話をよく聞くことから、郷に従うのが基本。
現状維持バイアス: 基本的に何かを変更するというのは受け入れられがたい、他社/他者もやってますというのは殺し文句、客観的メリット、デメリットを整理するところから。
代表性ヒューリスティックス:その人なりの経験則、 実証や論理で崩すしかない
係留ヒューリスティックス:初めに示された点に縛られやすい、初めに示した条件をベースに落としどころを探るような交渉する。印象的な事実に印象が縛られてしまう傾向あることからうまく利用する、もしくは誤解を具体的数字などで解いていく必要あり
●その他の雑テクニック
・選択肢を増やしすぎない
・希少なものは欲しくなる
・一回所有したものは手放しにくくなる
・無料に弱いがおまけの価値は低く見積もる
 (無料お試しなどには要注意)
・対処方法なく恐怖が強調されると情報を遮断したくなる
・あえて欠点を示す
・ストーリー仕立てにする

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