えりも町郷土資料館ほろいずみ水産の館のBlogです。

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カラスヘビの正体は

2020年05月30日 10時03分53秒 | 日記
天気が良かったので、町内文化財の草刈り作業へ
その帰り道、道路上でカラスヘビを見つけました。
今年、私にとって初めての爬虫類の確認でした。
道路上にいたので、車に轢かれないように道路わきへ誘導しました。



さて、えりも町内では、一般に「カラスヘビ」と呼ばれる上の写真のヘビですが、爬虫類の図鑑を見ても「カラスヘビ」というヘビは載っていません。一体その正体は・・・。

●北海道に生息するヘビ
 北海道には、「アオダイショウ」、「シマヘビ」、「ジムグリ」、「ニホンマムシ」、「シロマダラ」が生息しています。
 そのうち、えりも町では「シロマダラ」を除く、4種の生息が確認されています。

●では、「カラスヘビ」とは・・・
 えりも町に生息するヘビのうち、「カラスヘビ」と呼ばれるヘビは、「アオダイショウ」、「シマヘビ」、「ニホンマムシ」の3種のいずれかであることが多いです。「カラスヘビ」というのは黒いヘビを呼ぶ「あだ名」ようなものだと思ってください。

 そのうちの大半は、「シマヘビ」であることが多く、「カラスヘビは飛んでくるから危険だ。」という話を聞くことがありますが、これは、神経質な性格の「シマヘビ」を人が怒らせたり、驚かせてしまっていることによるものであることが多いのです。「シマヘビ」は地上性が強く、道路上で日光浴をしているのを見かけることがあります。(日本に生息するヘビは地面から体が離れるようなジャンプはあまりできません。)

 「アオダイショウ」は脱皮前黒っぽくなることがあります。こちらは「シマヘビ」に比べると樹上性(木の上などで生活する)が強く、性格は穏やかなものが多いです。住宅など建物の周辺を住処にすることもあり、家の周りで見つかることもあります。

 「ニホンマムシ」にも全身が黒い個体が現れることがあります。強い毒をもち、危険視されることが多いのですが、その性格は臆病で、刺激しなければ、あまり好戦的になることもありません。頭が三角形、体が短く太いずんぐりむっくりとした体型で、よく日が当たるガレ場(岩場)にいることが多いです。

 しかし、「カラスヘビ」ほとんどは「シマヘビ」だから安全だと侮ってはいけません。ヘビは個体差が大きく、外見でヘビを識別するのは難しいのです。また、いくら毒がないからといっても、ヘビの口内には「破傷風菌」や「サルモネラ菌」などの雑菌が見つかることもあるので、注意が必要です。見つけたら、刺激しないように少し離れて優しく観察してあげてください。

ちなみに、私が見つけた写真のヘビは「シマヘビ」の黒化型でした。

参考:改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑

《髙木大稔》





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