【=60 -10-】 前売り券を買っていたのに、先週は唯一の鑑賞のチャンスを強引に飲みに連れて行かれて潰してしまい、今週も観に行ける日がない、と困っていたが、昨日、波乗りから帰ってきた時間が、ちょうどTOHOシネマズ伊丹の上映時間とぴったんこかんかんっ!
初めてイオンモール伊丹、そしてTOHOシネマズ伊丹に行ったけど、オープンした頃は周辺に大渋滞を勃発させていたことが思い出せない程に落ち込んでいる(映画館も土曜の夜やのにがらがら)・・・もっとがんばってくれ!
清朝末期の中国。ホノルル留学中に近代思想を学んだ孫文は、衰退する祖国の現状を憂い、革命を志すが、武装蜂起に失敗して日本に亡命。そこで義に厚く実直な黄興や張振武と出会い、同志の絆を結ぶ。1908年に溥儀が宣統帝として即位すると、1911年に張振武らの指導によって武昌で武装蜂起が発生。やがて各地に飛び火し、全土規模の辛亥革命へと発展してゆく。黄興は、米国から帰国した孫文に合流。援軍として奮闘、軍司令官として孫文を支える。しかし、総督府の占拠に失敗すると、大勢の部下を失った上に黄興自身も負傷。悲しみに打ちのめされるが、献身的に彼を看病する女性、徐宗漢や同志たちの勇気ある行動に励まされ、再び立ち上がるのだった……。一方、滅び行く清朝内部でも虎視眈々と権力の座を狙う軍人の袁世凱や、隆裕皇太后がそれぞれの思惑を持って動いていた……。
原題は「辛亥革命」、清朝が打倒され、古代より続いて来た君主政治を終わらせ、アジアでも初の共和制国家である中華民国が樹立した、あの中国の歴史には画期的な1911年の革命を描いている。
その革命から今年はちょうど100年、中東やアフリカで民主化を求めて独裁政権を倒すということが頻発していて、また「たった1パーセントの富裕層が残りの99パーセントを搾取している」と叫ぶ人々による抗議行動「ウォール街を占拠せよ」が展開され、その運動が世界的に拡大しているような今に、この映画だ。
歴史の時間に学習した程度の知識しかない「辛亥革命」だが、本編上映前に日本語で背景を説明してくれるというご親切があったので、映画導入部への気合いを削がれてしまったが、しかし学生時代の歴史での学習をすっかり忘れている身としては助かった。
なんせこの革命で覚えている名前は「孫文」「袁世凱」「隆裕皇太后」「愛新覺羅溥儀」、といいながらラストエンペラーのイメージによる「満洲国皇帝時代の溥儀」とごっちゃになっていて自分の中では時代が錯綜していたことを確認、1911年のお話なのだとあらためて納得。
孫文役のウィンストン・チャオ、袁世凱のスン・チュンが歴史の教科書に出てくる写真そのもの、最近、こういうリアリティって皆さん追求しはるのね。
戦闘のシーンは、凄まじくてものすごく痛そう、こっちもリアルすぎて(いや、誇張しすぎかな)・・・。
2時間の尺で、革命の端緒となる1911年10月10日夜に発生した武昌起義から、1912年2月12日の宣統帝(溥儀)の退位までの期間をすっぽりと納めてしまうのは無理があるようで、人物の掘り下げが浅く、感情移入がし辛いし、おそらくジャッキー演じる張振武をもっともクローズアップしたいというのがねらいのはずだったのにそれがボケボケになっていた。
しかし、テンポの早い展開で、時々、チェンジアップも織り交ぜながらというのは逆に見やすかったとは言える。
ジャッキー・チェンはこの映画が出演100本目だという(でも本人は正確かどうかわからないと言っていたそうだが)、ジャッキー・チェンって最近、自分の今までのキャラを封印するような役に積極的に取り組んでいるのかな?
でもどうもぎこちない、嫌いではないけど、もう少し自然にすればいいのに、1回だけくすっと笑えるジャッキーがいたし、1回だけジャッキーらしいアクションがあった、でもあとは至ってまじめで見ている方としてなんかジャッキーがかわいそう(笑)
ジャッキーらしいジャッキーはもうすぐ公開の少林寺の方で楽しむか。
辛亥革命のスローガンは「駆除韃虜、恢復中華、建立民国、平均地権(打倒清朝、回復中華、樹立民国、地権平等)」。
100年たった今、孫文が、あの革命の同志たちが目指したのは、まさか今の中国ではないだろうなと思う。
同感です。
わざとだと思いますが、この映画では孫文と日本の関係が描かれてませんでした。