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そういえば子供の頃、江戸川乱歩の名前をぱくった憎い奴だと、エドガー・アラン・ポーのことを思っていた。
米国ボルチモア、1849年の秋。密室で惨殺された母娘の遺体が発見され、現場に駆けつけた刑事フィールズは、数年前に発表された推理小説「モルグ街の殺人」を模した事件である事を見抜く。作者であるエドガー・アラン・ポーは数々の詩や小説で成功を収めたものの今では創作の筆は折れ、酒に溺れる日々を送っていた。ポーの作品を模倣した殺人事件がさらに連続して発生し、最愛の恋人エミリーが誘拐されてしまう…。

この映画は「憧れと嫉妬はファン心理の裏表だ。新作を発表しない作家を挑発する小説模倣犯は殺人に取り憑かれ、自らの優位性を誇示し、憧れの作家を屈服させようとする。」という、かなり今っぽいかもしれない問題を舞台は19世紀にした映画。
というかこの映画の解説を先に読んでいたら、この映画に入り込んで観られただろうに。
しかしながら予備知識を持たないで観ていると、まったく推理に参加できないままに物語が進んでいく、取り残された感が強い映画だった。

推理小説の創始者であり、詩人、批評家としても活躍した天才作家エドガー・アラン・ポーが40歳で謎の死を遂げるまでの最期の日々を、史実とフィクションを織り交ぜて極上のサスペンスに仕立てたという映画。
子供の頃に自分もポーの作品は何冊か読んだはずだけど、ちっとも覚えていない、その記憶があれば、また違った意味でこの映画を楽しめたのかも。
映像が衝撃的で斬新だし、物語もよく出来ているが、いかんせん取り残され感がありすぎたので、自分にとっての評価はかなり低くなってしまった。
今年中にあと3本、TOHOシネマズで鑑賞すれば、3度目の「1か月フリーパスポート」をゲットできる予定、12月になる前後くらいにこの権利を行使するぞ。
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