ひろの東本西走!?

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関西洋風建築めぐり・長楽館

2009-02-11 00:49:53 | 近代建築

2月度の「関西洋風建築めぐり」講座は、円山公園(京都)にある長楽館でした。

長楽館はJ.M.ガーディナーが設計した煙草王・村井吉兵衛の京都別邸で、明治42年(1909年)に建てられ、今年が百周年の記念すべき年です。

****************** 講師の川島先生の資料より ******************

長楽館の建築特徴は格調高いルネッサンスをベースとして、煌びやかな装飾が嵌る内部空間が展開されている点にある。室内意匠は各室ともに微妙に異なったスタイルとなる。輸入された洋家具が数多く残されている。その三階は大広間もある和室となる。構造は煉瓦造で、一階は石積み、二階・三階はタイルが貼られる。小屋組は木造のトラス構造である。施工は清水組(現在の清水建設)京都支店が担った。

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外観は一見すると比較的シンプルで、内部に豊饒の空間が広がっているとはなかなか想像できません。まあ、凄い洋風建築では往々にしてこのようなことがありますね。また、素晴らしい洋風建築は階段回りが凄いとよく言われるのですが、この長楽館もそれはそれは見事でした。ダイナミックでドラマチックな配置、立派な柱、親柱や手すり子の細部装飾の見事さ、手すりの優美な曲線など惚れ惚れします。

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ただし、階段部分は比較的コンパクトな空間に様々な要素が凝縮され、あまり引きがとれないため、写真的にはきつかったです。また、私たちのグループ自体の人数も多かったので、なかなか人がいない写真を撮るのも難しかったですね。

当然のことながら喫茶室やレストラ ンに利用される各部屋も素晴らしく、ロココ様式ほか様々な様式で彩られ、シャンデリアや照明、ステンドグラス(新旧様々のものあり)、タイル、家具や調度品など、あまりにも見所が多すぎて、あっちへウロウロこっちへウロウロと際限がありませんでした。私たちが休憩&カフェとして利用させて頂いたのは「貴婦人の間」と「接遇の間」でした。どちらも美しいのですが、前者は明るく清楚な感じで、後者の方がより華やかで豪華な雰囲気があると思いました。

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喫茶室やレストランに利用される部屋は幾つあったのか確認できずじまいでしたが、長楽館のホームページを見て全て分かりました。

なお、現在の玄関は東面にあるのですが、元々の(本来の)正面は円山公園や背後のお寺を望む北面だそうです。なるほど。

三階は元々洋室であったものを後に和室に改装されたそうで(全て?)、御成の間(通常は非公開)は折上格天井や床の間・華頭窓などが見事でした。ただし、格天井などがとてもきれいなことから、これは修復されているのではないかとのことでした。螺鈿細工?の箱も美しかったです。茶室・長楽庵(通常は非公開)では、そこの窓から要石を普段撮れないようなアングルで写真におさめようとアクロバティックな撮影にチャレンジされた方もおられ、喝采を浴びました。

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この日、私たちのグループは総勢で30名以上だったと思います。最初は他のお客様に迷惑がかからないように静かに回り、写真もそっと撮っていたのですが、次第に騒々しくなってしまったようです。うるさく感じられた皆様、申し訳ありませんでした。でも、みんな興奮状態に陥ったので致し方なかったかもしれません。

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長楽館は実に素晴らしかったです。超一級品でしょうね。
なお、講座はもう少し続きがあったのですが、いったんここまでにします。