ひろの東本西走!?

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楽隊のうさぎ(中沢けい)

2005-03-03 22:54:00 | 本と雑誌
gakutaino-1楽隊のうさぎ(新潮社)
★★★★

中盤くらいまでは今いち気持ち的にのめり込めなかったのですが、次第に引き込まれ、終盤とくに普門館に行ってからは最高でした。
指揮台に上がったベンちゃんのうれしそうな顔、演奏家(生徒達)に勇気と希望と確信をあたえる存在・・・。ベンちゃんの顔を見たとたんに、みんな身体がわくわくした。
私は演奏とかの経験は全くないのですが、かつてクラシックのコンサートによく通っていあたこともあり、素晴らしい指揮者が持つ存在感の凄さ・素晴らしさは何となく分かります。

学校にいる時間をなるべく短くしたいと思い、自己防衛のために心を灰色に塗り固めていた克久。そんな彼が仲間と音楽を作り上げていく喜びを知り、「ブラシなら借りられるけど、カッチンをどこかから借りてくるわけにはいかないからサ」と言われるほどになる。
あまり使いたくはない表現なのですが、”成長物語”とも言えます。
カッチンの出す音・刻むリズム、素晴らしかったんでしょうね。朝比奈御大が元気だった頃によく行った大フィルのコンサートではティンパニの方が毎回実に良い響きを出しておられ、その演奏姿もカッコ良かったので、打楽器もいいなあ・・・と思っていました。

そうそう、田中さんや母の百合子も印象的でしたが、つらい状況の相田守にも「が(ん)ば(れ)よ」という声をかけてやりたいですね。

この本は図書館から借りたのですが、表紙も美しいです。モチーフは”うさぎの嫁入り”? そんな言葉があるのかな?

あーあ、書けばまた長文だ。。。