ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

絵本の家「ゆきぼうし」*日々のつれづれ*

2015年07月17日 | Weblog

わたしの故郷、新潟県魚沼市の山奥に、絵本の家「ゆきぼうし」はあります。

木造の、大きなあたたかい雰囲気の家には、たくさんの絵本。

9000冊ほど、と聞きました。



窓から見えるのは、森。

深く豊かな、森。



その森には、入り込み、遊ぶことができます。

心地のいい日だまり、

木のテーブルと椅子、

ブランコ、

迷路のような道。





絵本の家を開き、長い間守ってこられたのは、みんなが親しみをこめて「絵本のおばさん」と呼ぶ、ひとりのおばあさま。

いつもゆったりと、来る人を待っていてくれました。

その大きさと優しさに包まれると、

子育て中のお母さんは疲れを忘れ、安心し、

子どもたちは嬉しくて生き生きし、

一人訪ねる人は、ゆっくりと休み、深呼吸できます。





わたしが訪ねる時は、いつもたまたま、他にどなたもいらしていなくて、

静かに絵本を読んでいたり、

おばさんとお話ししていたり、

窓から森を眺めることができました。



息子を連れていく時は、

森で遊んでいたり、

絵本の家の階段の上り降りを繰り返してみたり、

一緒に絵本を読んでいたり。




いつもにこにこ、おばさんが見守っていてくれました。






去年の暮れに、おばさんは病気になり、入院しました。

絵本の家館長の退任も決まっていましたので、新体制のみなさんが、頑張って後を継いでおられます。

開館日は、ぐんと減りましたけれど。




行きたい気持ちはいつもありましたが、おばさんの居ない「ゆきぼうし」に行くのは、あまりにも寂しくて、行くことができませんでした。


ですが、先日、里帰りした時に、

朝、急に、「今日行こう」と思ったのです。

息子を連れて、懐かしい田舎道を。






着いてみたら、

ああ、なにも変わらない。

ゆきぼうしは、変わらずにいてくれました。





スタッフさんに、恐る恐る、尋ねてみました。

おばさんのお加減は、いかがでしょうか?




そしたら、

「退院されたんですよ。

今日、こちらにおられますよ。」

とのこと。




まあ!






お忙しいかもしれないから、絵本をみて、あとでおばさんを訪ねてみましょう。

そう決めて、息子と絵本の家に行きました。

(おばさんの家は、絵本の家の隣にあります。)





しばらくすると、聴こえてくるではありませんか、懐かしい声が。


“まあ、まあ、おひさしぶりだったわねえー、ひろみさんでしょう?”



おばさんが、絵本の家にみえました。






懐かしい懐かしいおばさん。

みんなの大好きなおばさん。




わたしの名前を忘れずにいてくれました。



でも・・・

少し、小さくなられました。

それに、少し、遠い人に、感じられました。

ときおり、さまようような目をしています。



それが、寂しくて、尊くて、

わたしは、おばさんを抱きしめたいような気持ちになりました。






常に、おばさんが居なくても、

絵本の家には、おばさんのぬくもりが満ちていました。

これからもずっと、そうでしょう。







8月8日9日と、イベントを開催するそうです。

絵本を囲む、ちいさなあたたかいお祭りです。





イベントではない時に、一人静かに来てみることも、おすすめします。



その時に、おばさんに、お会いできるといいです。

でも、いらっしゃらないとしても、包まれていますからね。

おばさんの想いに。










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