ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

友へ

2019年01月29日 | Weblog
たくさんたくさん、想いを綴ってくれたメール、

何度も読みました。



お返事を書こうと、言葉を探したまま、

お日様は何度ものぼり、

お月様も何度も輝きました。


そして、世界は幾度も、

白く、白く、

なだめられ、鎮められていきました。



そんな世界を眺めるうちに、

難しい言葉も、長い文章も、なんにもいらないのだと、

ようやく、わかりました。



これまで、あなたは、

深い谷を越えてきた。


ひとつではなく、いくつもの谷を。



もしかしたら、人によっては、

越えようとは思わないかもしれない、

諦めてしまうかもしれない、

そんな谷を。



またひとつ、深い谷を、

あなたはいま、越えようとしている。




わたしは、ここから、あなたを見守る。

あなたの力と、あなたの挑戦を、信じる。


あなたがわたしに、してくれたように。



いつも、

いつも。



ただ、これだけの言葉が、

今のわたしの、全て。

おばあちゃんの教え

2019年01月18日 | Weblog
3ヶ月も入院して

切ないことも、たくさんあったけどねぇ


でもね

勉強になったこともあった




有り難いことに

私のところにはねぇ

みんながお見舞いに来てくれた


村の人や

息子も

妹もね


毎日みたいにね



嬉しくてね

いっぱい話したり、聞いたりね



そしたらある日

看護婦さんに言われた



あなたはいいけど

他の患者さんはどんな気持ちか

誰も来ない人もいる


みんな何も言わないけど

何か感じてる人もいる


個室じゃないからなおのこと


短めに面会してもらうことは

できませんか・・



私はねぇ

はっとしたの


そんなこと

考えたこともなかった



びっくりもしたけどね


言ってくれた看護婦さんは

偉いなあと思ったの



言いにくいことだよ

言いにくい



でも

本当にそうだからね


私だけよかったけど

隣のベッドの人にはね

ほとんど面会がなかったの


その人は

だいぶ

物忘れが多いみたいだったけど

話すことはできたから・・



私は

考えたこともなかった




90歳になってもね

まだ勉強


人は死ぬまで

勉強だね





雪の降る午後

ストーブで餅を焼きながら

仲良しのおばあちゃんが

話してくれたこと

新しい年を迎え、息子が話してくれたこと

2019年01月11日 | Weblog
ぼくは、川を泳いでいたんだ。

まわりにもたくさん、泳いでいる人がいた。



でも、ぼくは、まわりのみんなとは違っていた。

みんなにはあって、ぼくにはなかったもの、


それは、防水性。


ぼくは、川で生きることができないんだ。




ぼくは、川から上がった。




上がってみたら、そこには、崖があった。

信じられないほど高くて、急な崖が。


それ以外、何もなかったから、

登ることにした。




大変だった。

足場がない。


どこにも、つかまるところが、足をかけるところが、ない。


まったく進めない。




川を振り返った。


みんなを羨ましく思った。

あんな風に生きられたら、どんなに楽だろう。



でも、戻りたいわけではなかった。

川は、ぼくの道ではないから。




ぼくは、再び、崖でもがいた。


長い時間、

長い時間。



そうしていたら、気がついた。


だんだん、見えてくる。

ほんの僅かな足場が。


ぼくは、そこを探して、ゆっくりゆっくり、登っている。




まだ少ししか登っていないけど、

この崖の上には、きれいな景色が広がっていると思う。


ぼくは、それを、見たいなあ。




たぶん、

ぼくの父と母も、この崖を登っている。


難しくて辛い道だけど、

父は、なんだか面白そうだし、

母は、何やら感嘆しているから、

心強い気持ち。


ぼくたちは、家族だけど、仲間なんだ。




だから、登っていく。


今日も、登っていく。