ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

言えなかった ありがとう

2018年12月15日 | Weblog
「こちらへどうぞ」

スーパーのレジに並んでいた時、声がかかりました。

閉まっていたレジに店員さんが来たようです。


よかった、と思い、そちらのレジに移動しました。



もっと空いているレジはあったのです。

セルフレジ。

会計も袋詰めも、全て自分でするレジです。



わたしは、セルフレジは苦手。

なんだか寂しいのです。



買い物をする時、必ず店員さんにお礼を言います。

「ありがとうございました」


そのお礼は、商品に係わった全ての人への感謝のつもりです。



野菜やお肉には、植物や動物たちに、いただく時にお礼を言います。

手をあわせて、「いただきます。」



でも、それらのものが商品となってわたしに届くまでには、たくさんの人が係わっています。

その人たちへの感謝を、まとめて、店員さんにお伝えするのです。

買い物というのは、そういうことだと考えています。




さて、わたしのレジにも、合計金額が表示されました。

袋詰めは、市場かご持参のため、店員さんがしてくれました。


店員さんにお金を差し出そうとしたら、

「会計はあちらでお願いします」

と、隣の機械を指差します。



会計だけは自分で行うシステムになっていました。


わたしは、戸惑いながら、よいこらしょと、かごを移動させました。

会計の機械にお金を入れようとしましたが、初めてなので、どこにどう入れたらいいのかわかりません。


ちょっと試行錯誤の後、やっと会計を済ますことができました。

もともとぼんやりしていますので、こんな時は冷や汗が出ます。



それから、わたしは、いつものようにお礼を言おうとして、はたと、相手が機械であることに気がつきました。

もう次のお客さんが待っていましたので、その場を去らなくてはいけません。


先ほどの店員さんに、お礼を言いたかった・・。

でも、他のお客さんのお相手をされているし、

お店も賑やかだから、ここから言っても届かないだろうな。



わたしは、言いたかった「ありがとう」を、ポケットに仕舞いました。


“またすぐに、あなたの出番を見つけるからね”

心のなかで、そんなふうに詫びながら。

今年さいごの朗読会

2018年12月10日 | Weblog
12日(水)10時半から、うんまんまさんで朗読会です。

今年さいごの、大事な朗読会です。


こんな内容を考えています。

☆しあわせなお母さんになる講座(第五回)
☆シンボルツリーミニ講座 ~最も多い夫婦の組み合わせ~
☆朗読「愛の人」

どうぞ、素敵な時間になりますように。



うんまんまさんには、今年も1年、とってもお世話になりました。

毎年呼んでいただいて、有り難いことでしたし、しあわせでした。



お母さんと小さなお子さんのための居場所は、あちこちにたくさんあります。

それぞれに、雰囲気があり、個性があり、想いがあります。


うんまんまさんの特徴、わたしが感じる特徴は、

スタッフさんたちがいつも素顔。



初めての方は緊張されるかもしれませんが、慣れてしまうと本当に楽な気持ちで過ごせます。

歳の離れたお姉ちゃんの家に、休みに来たような、そんな心地の場所です。



思いきって心を開いて、何もかもをぶちまけてしまっても、

いえ、むしろその方が、うんまんまさんの深くて大きな懐を感じられるかもしれない。

そんな場所だと、わたしは思います。




うんまんまさんは、活動10周年を迎えられ、表彰も受けると聞きました。

スタッフさんは勿論、無報酬、

想いひとつで続けてこられましたが、

そのぶん、しっかりとした絆、友情で繋がっている。



わたしも、朗読者としてですが、関わらせてもらえて幸せです。

毎月毎月、励みになり、また、育てていただきました。



これからも、うんまんまさんの活動が、あたたかく広がっていきますように。


おめでとうございます。

優しい魔法

2018年12月01日 | Weblog
もうすぐ雪が舞いはじめる、という時期になると、

友人知人のみなさんに尋ねられることがあります。


「息子さんは、いま、サンタクロースのこと、どう考えていますか?」



きっと、お子さんたちからサンタクロースのことを尋ねられたり、このままでいいのかな、と悩んだりしているのでしょうね。


ほんと、悩ましいことですよね。



息子は、去年、岐路にさしかかっていました。

サンタクロースはいない、という道を行くか、

サンタクロースは居る、という道を行くか。



わたしにも問いかけてくれました。

でも、わたしは、何のヒントもあげられませんでした。


息子が、自分で、選ぶものだから。



真実というのは、本当に、ひとつしかないものでしょうか?



わたしには、こんな風に感じられます。

真実というのは、人それぞれ、その人が一番しっくりくるもののことで、

それは無数に存在しているのだと。


そして、何を選んでも、何を信じても、いいのだと。



毎年、枕元に贈り物をそっと置いていってくれるのは、誰でしょう?


それは、サンタクロースかもしれないし、

サンタクロースのお手伝いをしている小人たちかもしれないし、

自分こそサンタクロースだと誇りに思う、こどもたちの親かもしれないし、

日本の、新潟県の、○○地区担当の、おじさんかもしれないし。



どの人であっても、同じですものね、

こどもの幸せを願い、夢を叶えたいと願い、喜ばせてあげたいと願う心は。



もし、サンタクロースはお父さんなんでしょ!と、こどもが泣いたら、

そうだよ、お父さんがあなたのサンタクロースなのよ、

お父さんはね、これまでずっとあなたのサンタクローでいさせてもらって、幸せだったのよ、

だから本当にありがとう、


そう言って、しっかりと抱き締めてあげたらいい。




さて、わたしの息子は、今年もサンタクロースに手紙を書きました。


去年たくさん考えて、どうやら、心を決めたようです。

いろんな話を聞くけど、みんながどうあれ、ぼくには、サンタクロースがいる。


素敵な選択だと思いました。



クリスマスまでの日々、また、わくわくドキドキしながら過ごすのね。

ならば、わたしもまた、わくわくドキドキの日々になる。



「サンタクロース」という、優しい魔法をかけあって、

白く美しいこの季節を、よろこびながら生きていく。