ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

昇華

2018年06月17日 | Weblog
“気分転換なら小さな山がいい。

心に重荷があるならば、大きな山のほうがいい。

それだけ多くの汗を流す必要があるからだ。


そして山は、まるで合わせ鏡みたいに人それぞれの想いを映し出し、昇華してくれる。

ここが旅と登山との違いである。


旅はいろいろな想いを与えてくれるが、山のような充足感や心の澱(おり)のようなものを昇華する力は持っていない。”


“旅から帰る人と違って山から帰る人の、力を出しきったかのような穏やかで満ち足りた表情が、どんな言葉よりも雄弁に物語っている。”



細田弘 著
『山に入る日』より




山登りをしている時の、苦しさと背中合わせの、あの、素晴らしく美しいものは、なんだろう・・

ずっと考えていました。

下山していく人の、ほとんどの人の顔にあらわれている、あの美しさは・・



「昇華」

ひとことであらわせば、この言葉がぴったりだと思いました。


何かが洗われ、何かが祓われ、何かが清められ、何かを越える。

そういうものだと。



図書館で手にした本に、おなじ想いを見つけて、とても嬉しくて、

ここに記しました。