“描きたいことは沢山あるの。でも、どうしたらそのまま文章にできるんだろう。”
物語を書くのが大好きな息子が、つぶやきました。
息子はこれまで、ノート何冊分も、物語を書いてきました。
描きたい場面はたくさん心にあるのに、いざ表現しようとすると、なかなか言葉にできなくて、苦しくなってしまいます。
どうしたらいいのかしら・・・。
すると、わたしの心に、三冊の本が浮かびました。
それは、わたしが20年近く前に受講していた「立原えりかの童話塾」という通信講座のテキスト。
当時、半分くらい進めたのですが、不意に、“わたしの表現方法は、物語でない、詩なんだわ。”と気づいてしまい、最後まで続けることができませんでした。
処分する機会は幾らでもありました。
転居も、何度も何度もありました。
でも、どうしても、手放す気持ちになれません。
その意味が、ようやくわかりました。
こんなに長く時を越えて。
テキストを持ってきて渡した時、息子がとれほど喜んだことか。
早速始めることになりました。
独学でできるようになっていますが、わたしにも見ていてほしいそうなので、一緒に学ぶことにしました。
毎晩、夕食後に、少しずつ。
やってみて、わかりました。
息子の心の中には、それはそれは広くて豊かな世界が広がっていました。
イメージも、どんどんどんどん溢れてくるのです。
ひとつの課題を受け、幾らでもノートに書いていきます。
気づいたこと、驚いたことを、赤えんぴつで書き込んでいきます。
始めて一週間。
テキスト一冊、終わりました。
最後まで終えられたら、修了証を作ってあげようと思います。
きっと、目を輝かせることでしょう。
心にある物語を、素敵な世界を、前より楽に表現できるようになるといいね。
それがあなたの喜びなら。