超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

最後の参観?!

2012-07-01 18:11:42 | 出来事
久々に山川日本史に触れ(今も勉強中)、さらにネットを通じて30年ぶりに実物まで拝見でき、歴史だけでなく俄然学習欲が湧いてきた昨今である。そんな時に息子甘辛の授業参観があった。昔のように「●年は何日の何時間目に何の科目」というのではなく、学校開放日というのに近く授業はどこで何を見てもよい。一番保護者が多いのは1年生だ。小学校を卒業して数ヶ月、以前のノリもあるようだが「中学でちゃんとやっているかどうか」見に来る人が多い。上級生になると反抗期に入ったりヤンキーになる生徒もあり(これが見た目かなりイタい)、親の数はぐーっと減ってしまう。「絶対に来ないでくれ」という生徒も結構いるようだ。我が家の息子は私が言っても別に嫌な顔はしないし、私のウルトラアロハに苦笑しているだけだ。(そもそも参観にあんまり興味もないらしく事前に説明すらしない)。
妻は午前中用事があるというので、午前午後交代で見に行くことになった。

1時間目は間に合わなかったので、2時間目から行くことにした(ちょーっと一人じゃ心細いんだけどねー)。妻に渡された教室の場所を書いたメモを片手に校内をうろつきながら3階へ向かう。階段の踊り場に貼ってある高校案内やイベントなどが少し緊張感を醸し出し、通路には数えるほどの保護者しかいない。(「やっぱり最初はオレ一人か・・・廊下から『星明子スタイル』で覗くとするか」)突き当たりにある甘辛達の教室へ歩いて行くと、「あれれっ?誰もいねえ?!」
教室の前に貼ってあった授業予定表を見ると2時間目は音楽!「第2音楽室」と書いてあった。(「まったくアイツ、何にも言わねえじゃんかよ・・・困ったな―、どこなんだ」)まさか他の教室で授業中の先生に場所を聞くわけにもいないから、一度昇降口まで降りて見取り図を見ようと階段へ向かったら、見回りの先生らしき髭の人がちょうど歩いてきたので「あのう、第2音楽室とはどこなんでしょうか?」と恐る恐る聞くと、笑って教室の前まで連れて行ってくれた。礼を言うと「●●組担任のK部と申します」と深々と頭を下げられた。(あの人が担任なのか・・・)

   

中に招かれて入っていくと、授業ではなくめいめいが演奏会?の準備をしている「自習」のようなものだった。女子はギターを片手に(へー、ギターなんて扱うんだ)、男子はパートごとに集まって練習をしている。テープを聞くとどうも曲は「大地讃頌」のようだ。。。高一の時に合唱コンクールで歌った、この分野の定番曲だなー。甘辛は何やらグループでテープを聞きながら練習(半分遊んで)していた。低音パートのようだったので、ニヤニヤしながら「おい甘辛よ、ボーイソプラノじゃねえのかよ」と小声で聞いたら手を振って「んなもんねえよ。」(まだ声変わりしてないからなー)
音楽室に入るのはスーパー久し振りだ。クラシック作曲家の肖像画がずらりと並んでいるのは大昔から変わらないんだな。休み時間に音楽室への移動があるから、面白い張り紙があるぞ。授業自体は練習のみで何やら手持ち無沙汰になったので、教室を抜け出し色々な授業を偵察して回った。

      

休み時間になって校舎で一番東側の端っ子にある元の教室に戻った。1時間目は国語だったらしい。松尾芭蕉についてやっていたのか・・・先日「閑けさや 岩に沁み入る 蝉の声」を読んだ渓谷を訪れたところだったな。3時間目は数学だった。授業が始まると先生はいきなり黒板に計算問題を書き出した。平成20年度の高校入試問題の一部らしい。。。中々そういう気にさせるものだ。
その日やるところは「平方根」らしい。「じゃー、いつものやってみようか、全員立って!」何が始まるのかと思いきや先生がやにわに質問を始める。例えば「ルート100は?」早押しクイズのように何人かが即座に手を挙げ、指名されて正解すると「縦横斜め」のどれか自分の選んだ方向に立っている生徒は座ることができる。これを繰り返して最後に立っている生徒が正答するまでクイズを続けて行く、というものだ。(中々面白いことやるなー)
廊下で星明子スタイルで見ていた私を先生は指差し、どうぞどうぞと室内に手招きしてくれた。「ほらほらー、お父さんお見えなんだから窓を開けるとか招きいれるとか気を使えよ~!」すぐ後にも何人かの保護者がきたので、私は奥の窓側にいる甘辛の真後ろまで入って行った。

      

「なーんか今日、みんなは静かだなあ。お父さんお母さん今日は来ることになってんの?最近はさー『絶対来ないで』とかいうヤツもいるし『必ず見に来てねー』なんて生徒もいるかもしれないしなー。
この先生はかなり話題が脱線するので有名らしい。「先生の時はどうだったんですか?」なんと一番最後部から甘辛が質問を投げた。
「オレの時?先生んちは両親がこういうのにあんまり興味がなくてさー。身に来られた記憶がないんだよねー。そういう磯辺は保護者の方はいらしてんの?」息子は笑って親指だけを真後ろに向けた。私は苦笑いしながら振り返った全員に頭を下げることになる。。。
「これはこれは。。。オイみんなご挨拶しといた方がいいんじゃないか。クラス委員のお父様だぞ」(全然やる気ないのに、罠にハマって委員をさせられているらしい・・・)
「他のみんなもお父さん、お母さん来てらっしゃるんだからイイトコ見せようぜ。今晩のおかずがゴージャスになるかもしれねえぞ。んじゃー、早速磯辺に聞いてあげよう。『明日地球が無くなったら・・・』って使われるだろ?そうだとしたら、今晩何が食べたい?」
「!?」甘辛は想定外の質問に一瞬フリーズ仕掛けた・・・「なんだよ、最後に食べたいモンないのかー?」「いやー、そんなことはない。じゃあ・・・アサリの味噌汁っ!」クラスじゅうがどよめき笑いに沸いた。

「磯辺は渋いなー。いやいやあんまりアサリをバカにしてはいかんよな。アサリ協会から抗議の電話がくるかもしれんがな。」これ以上苦くない顔で笑いながら、(まあ「軟骨の唐揚げ」よりもマシだよな)と思っていた。オレだったら間違いなく「北京亭の中華丼」というだろな。どうもこの先生は一度脱線し出すと止まらなくなるらしいのだが、さすがに授業参観だし辛うじて踏みとどまり、平方根の話しに無理やり戻って来た。ルートと言う記号が初めて登場したはずなのだが、その大小や平方根そのものの値、となると意外にややこしい。一度身体に沁みつくと何と言うことはないが・・・
例えば「16の平方根は?」という問いに、「4」では不正解である。2乗して16になる値を平方根という定義だから、「±4」というのが正解なのだ。では「ルート16は?」という問いに対しての正答は「4」である。ルート記号√(根号)自体がすでに正の値(つまり見えない+がある)を表しているからである。符号のついた平方根や少数も交った数値の大小などに至るともう湯気が出てくるほどだ。
-√(0.16)、-0.3、√((-0.35)の2乗)・・・・・先生は黒板に書いていき次々と生徒をあてるがさすが中学生、頭の回転が速いのかすらすらと答えて行く。
「大小を表す不等号(<)の呼び方を知ってますか?これは『なり』と読むんです。左側が大きい時(●>▲)は「●大なり▲」といいます。じゃー、○<△の時は何と読むんでしょうか?」
実は私もこんな古文みたいな読み方をするとは知らなかった・・・(心の中では首を傾げていた。「クレッシェンド」じゃねえよな・・・)子供達は「なり=である」という意味であること自体ピンと来なかったらしい。

甘辛の前に座っていた学友は自信無さそうに「やすなり・・・かな?」「そりゃー、□木のことだろー!結構面白かったけど、ハンコはやらない」先生は苦笑いだが、たぶん彼はうけ狙いでないことは確かだ・・・(ちなみに答えはもちろん「小なり」)
そしてどんどん授業は進んで行き、√1は1、√0は0、先生は次にこれが分かる人?と黒板に√(-4)と書いた。クラスの生徒たちは顔を見合わせているが、手を挙げたり発言する者がいない・・・
「ちょっと難しいかなー。おーっ、お父さんはお分かりのようだぞー!」んっ?いつの間にか小さく右手を挙げていた。。。当てられるかとドキっとしたが、一番前の男の子と甘辛がほぼ同時に「ない!」と答えた。「正解!そういう数値はないのです。」
へっ?当てられたら自信を持って「2i!」と答えるつもりだった私は凍りついた・・・危ねえ、危ねえ、中学数学に虚数は出てこないんだったなー。(実は後から調べたら本当に「ない」のが正解で、そもそも√(-4)などという記述をしてはいけないそうだ)
次回は「有理数と無理数」に突入するそうだ。これまではちゃんちゃらおかしかったが、さすがに3年生ともなるとだんだんうろ覚えでは説明できなくなるなー。。。
回答はすぐにもらえない「実力テスト」の答え合わせなんて、そのうち親子で問題用紙とにらめっこして凍りつくかもしれない。この教室にくるのももう最後かなー。

   


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10 コメント

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Unknown (小夏)
2012-07-02 15:47:21
天井は高いわ、窓に角度があるわ、校庭も、、、こちらの学校な~にか洒落て見えるのですけども、師匠の街では普通なのでしょうか~?

ウッフッフ、私も30年ぶりに音楽室の偉大な作曲家たち見ちゃいましたー
リストの鼻は高かった・・のを良く覚えています。
でも、どーして音楽室だけこうなんでしょうねぇ~ ぎも~ん

それにしても、師匠の理系っぷりには恐れ入りますー ハハー(ひれ伏しています)
それにも勝るほどの中学生もいるってビックリ!そのお一人が甘辛君~ さっすがー!!
んんっもう3年生?受験生~~~!?

あはは、明子姉さんだったのに、ついに小さく右手を挙げちゃったのですねっ 愉快だなぁ~~
そういえば先日磯辺さんが授業参観に行った時の過去記事が浮かんでいました。「甘辛君のお父さんだろとか子供たちが見た」とかいうところ^^
Unknown (磯辺太郎)
2012-07-03 07:15:25
小夏様

うーむ・・・取り立ててお洒落には見えませんが、師匠の目には何か止まるものがおありでしょうか?(渡り廊下の構造はなにやら凝っているようでしたが)

たはは。。。実は音楽室の作曲家の写真、実は隣りの第一音楽室なのです(インチキ)。1年生の授業に保護者のような顔をして入ってパチリ!息子達の第二音楽室の写真は白黒だったのですよ。
音楽室だけは特殊な防音?構造のような形をしていました。今の音楽ってギター(女子)を弾かせるんですね。

3年生と言っても本人はあまり受験する気はないようですが・・・少しずつ入試の緊張感を取り入れているように感じました。
私は家庭科の時も3大栄養素?と聞かれて手を挙げたことがあるのですよ。(このときはホントに明子姉さん状態)
Unknown (小夏)
2012-07-03 15:51:42
えぇっそうですかぁ?お洒落ですよぉ。。
年代の差なのか、地域差なのかどうなのかな。。
もしかしたら、師匠の中学時代も同じような感じでしたかしら?

黒板の廻り、同じ様なものなのですねー ←これ嬉しい
ただ、厚みがあるようですね!センターのチョーク箱の左右にある取っ手も気になります。
どうにかして開けると中は棚になっていてウルトラ戦士や怪獣がずらっと並んで、、、って師匠の大空間リビングじゃないか・・(爆)

あ゛ぁー、某所で裏拳なるものチラ見してしまい、ググって想像したらお腹痛~~いっ
おかげでお腹すきました。スイカでもたべよっ イヒ
Unknown (KICKPOP)
2012-07-04 00:28:53
生徒も保護者も全員参加型の楽しい授業風景が目に浮かびました♪良い先生に巡り会えるって人生の宝物みたいなもの・・・ですよね。

甘辛くん、最後に食べたいものは「あさりの味噌汁」なんですか・笑!先生のおっしゃる通り、シブいっ・笑!ちなみにブブに聞いてみたところ、揚げモチ、とのことでした・笑♪

磯辺師匠にブブの数学の家庭教師をお願い出来たらなあ、なんて思ってしまいましたああああ。今は中1でまだ教えられますが、中3になったら、平方根ですか、、、忘れちゃってます、、、
Unknown (磯辺太郎)
2012-07-04 10:16:06
小夏様

ははは、そうですかー。校門のある道路沿いに「やしの木」が並んでいるのはいかにも「不自然」だとは思うんです。(そんなに温暖じゃないよ)
私の中学、最近の記事にちょびっとだけ写真が載ってます。

黒板の廻りは同じように見えるのですが、実はあの黒板、大学の講義室のように上下にスライドするんですよ。右下に「日直」の名前も書いてありませんでした。実は内緒で手で触ったりもしたんですが、かなり滑らかで書きやすい素材のようでした。
今、思いついたんですが、次にもしあの教室に行く機会があったら、誰にも分からない秘密の場所にウルトラ怪獣ソフビを隠しておこうと思います。

小夏師匠は「痛み」に対して強い方ですか?ボク全然だめ・・・でもね、あの足指マッサージってホントに信じられないくらい痛いんですよ!30分泣き続けました。(内臓悪かったのかな)
Unknown (磯辺太郎)
2012-07-04 10:17:27
KICKPOP様

昔に比べて緊張感のない「ほっこり」した授業参観でした。(こういうの好きです)
学校の先生って教壇の向こう側に立つと何か特別な存在だと思いますね。何せ私よりもはるかに年下でも「先生はえらい」という思いがなぜかありますから。
はははー。お嬢様は「揚げモチ」ですかー。これまた渋いですねー。お母様特製かな。最後に食べたいものは「誰か」が作ってくれるものでしょうね。
ふはは。ワタクシ、学生時代に家庭教師やっておりましたぁ。しかし今となっては逆にこちらからお願いして「一緒に勉強することによって思い出させていただきたいなー」なんて。

師匠、実は昨日「日向屋」というラーメン屋に行って感激しました。レポート請うご期待!
Unknown (小夏)
2012-07-04 23:59:46
アジアでの足ツボマッサージは長年の憧れです~
多分私の場合は、裏拳ではなく布団キックで鍛えた重量級の足蹴りになると思います
夏布団は軽くていけませんな・・毎朝足が冷えています・・。

30分も泣き続けるなんて・・(滝汗)
そういえば最近師匠の「夜一人の部屋が怖い」発言が無くなったような。。
もう頭の中は『北関東から長距離通勤へ』と次のステージへいっていると書かれていましたものね^^

Unknown (磯辺太郎)
2012-07-05 10:01:59
小夏様

足裏のツボはそこそこ痛気持ちいいところもあったんですが、主に親指の腹を人差し指を折った第2関節をとんがらせ、「ぐりりーっ」とやるんですよ。目玉が飛び出るほどでした。。。

重量級の足蹴り・・・これは危険だ。布団キックだけにマッサージ師さんが「ふっとんで」壁に人型の穴がぁ。。。
今でも怖いですよお、異動時期の送別会、歓迎会の嵐で正体不明の夜が多かっただけかなー。
長距離通勤はもう少し先のことになりそうです。
ちーっす!! (つぶやき)
2012-07-20 00:40:55
久しぶりにお邪魔しますよ!

超人的理系、磯辺兄さんとの懐かしい思い出。。。

BAR MORINTIでの出来事です。
「どんな数字でも0乗が1になるのはおぼえているが、なぜ1になるのかを思い出せない」という私の問いに、磯辺兄さん速攻回答!
しかも分かりやすかった。ただの飲んだくれではないと改めて尊敬いたしました。
以上

追伸:最近、真さんと私Facebook始めました。
Unknown (磯辺太郎)
2012-07-20 08:05:35
つぶやき様

チョーお久しぶりです。その後富士山の見えるお住まいは快適ですか?
食洗器、アダプターが合わないとかで、ぐずぐずと「水切り器」化していましたが、先月くらいにようやく稼働開始。「男の洗い物程度」というのがよくわかりました。

BAR NEO MORITIは開業しないのかなー。

どんな数字も0乗が1になるとかけて、料理の調味料ととく。そのココロは・・・「さー、しすー(で)せ(い)、そーいう問題は」
うーむ。。。超人的だー。

お友達になりましょうねー。

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