超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

滝を巡る

2012-03-31 15:14:25 | 旅行お出かけ
「これから外出の際には最寄の『滝』を巡りませんか?」八兵衛の送別会でスティーブが言い出した。八兵衛と「色んなところへ行ったよねえ。」と話していた時だ。むろんスティーブも保全系の責任者として、八兵衛と同様私を連れて県内くまなく走り回っている。何となくではあるが、スティーブの方が飲食店、名勝など行くところが高尚のような気がする(八兵衛ごめん!)。本県には大きな山が3つあり、豊富な水流を作り出している。考えてみれば我が家は海岸近くなのでこう言った滝とは縁が薄いので、ここで勤務している間に温泉と共にくまなく制覇するというのはまたとない機会だ。滝というのは街中にあるものではなく、ずっと山奥にあることが多いから自然が豊富でかなりのパワースポットだと思う。マイナスイオンの宝庫とも聞く。小さく趣きのある滝は好きなのだが、大瀑布と言われるようなところは上から見ても下から見ても「吸い込まれそう」で少し恐怖を感じてしまうのだが。

ネットで下調べしてみると「日本の滝100選」なるシリーズがあった。広い北海道を除くと大体どの県も3つ4つ「100選」の滝があるようだ。ちなみに故郷、神奈川県は「早戸大滝」と「洒水の滝」の二つしかない。洒水の滝は小学校の頃、子供会(ってあったよね)で遊びに行ったことがある。もう一つの早戸大滝というのは「幻の大滝」と呼ばれてるほど、辿り着くまでがとんでもなく大変らしい。。。両親の故郷である富山には立山の「称名滝」というのが一つしかないが、350メートルという日本一の落差を誇る。これまた子供の時に連れて行ってもらい4段に分かれていて豪快な瀑布ではないが素晴らしい眺めだった。実は見たことがないのだが、雪解け水が増える春先限定で「ハンノキ滝」という幻の滝がすぐ隣りに現れるそうだ。この滝は落差が500メートルもあるらしいが、いつもあるわけではないので、日本一に認定されていない。

家の近くで滝というものがあまり馴染みがないためか、日本の滝100選をざっと見渡すと訪れたことがあるのは他に修学旅行で行った「華厳の滝」、仙台にプチ研修していた時に訪れた「秋保大滝」、そして「天城越え」で登場する「浄蓮の滝」である。写真は息子甘辛が修学旅行で撮ってきた「華厳の滝」しかないので、プチ番外編でカナダ米国出張した際にゲリラ的に訪れた「ナイアガラ滝」を載せておくつもりだったが、7年前くらいの話でどうも見失ってしまった。。。トロントに2泊してからボストン、ニューヨーク、アトランタ、ダラス、サンディエゴを経てサンフランシスコから帰国するというアメリカ横断ウルトラクイズ顔負けの超強行軍だった。トロント以外は夕方到着して1泊だけし、翌日の午前中に企業訪問して午後は空港から次の宿泊地へ向かった。ナイアガラ滝はトロントからチャータータクシーで1時間半くらい、次のフライト時刻を考えると現地にいられる時間がわずか45分という大統領並みのせわしさだった。。。

  

さて、本県にある100選の滝であるが、標準的に?3つある。最も有名なのが「東洋のナイアガラ」(本物に比べると「ちょっと待てぃ!怒られるぞ」と言いたくなるが)と言われる滝だ。だいぶ前に初めて訪れ、岩のくぼみに水が流れ落ちる不思議な姿に感心しここでも掲載した。かなり観光地化されていて訪れる観光客もかなり多い。川沿いを滝のすぐ近くまで歩いて行けるがやはり吸い込まれそうな気がして少し恐ろしかった。マイナスイオンはすごいものがあったように思う。パワースポットだと感じた。

  

八兵衛の退職に際し、大送別会の翌日に我々「お出掛け衆」は最後のパトロールに出向くことにした。雪に埋もれて改装工事がぎりぎり間に合わなかった施設の点検、さらに整備したばかりの箇所の点検などである。最近は急に気温が上がり、いきなり春爛漫なのだが県北エリアは未だに1メートル近くの積雪が残っている。天気がよいので眩しくて雪焼けしそうだ。。。
ひと通りの点検・パトロールを終えて、社用車は少し奥地にある結構有名と聞く名所に向かっている。八兵衛が言うには「日本の滝100選」ではないが「うらみの滝」という珍しいものだそうだ。
「来週から新天地だってぇのにそんなところ行って大丈夫なの・・・・?」ずばり「怨みの滝」だと思っていた私は自分は取り憑かれない自信はあったが、彼は生活がガラッと変わるときだから「悪いことが起きはしないか」と少し心配になった。八兵衛はきょとんとして「あー、裏から見る『裏見の滝』なんですよ」滝の裏側にも通路があって後ろから眺めることができるというのである。(実はナイアガラもそうだった)

幹線道路から少し細めの道に入って「裏見の滝4km」という看板を過ぎってしばらくすると突如ゆきが深くなって「この先通行不可」・・・・あっ、あれれ?こんなに雪残ってんのか・・・?!
足を踏み入れるとズボっと膝までめり込みそうな雪がはるか続いている。「さすがにここから4キロは無理だなー」残念ながら車をUターンさせざるを得なかった。気温はかなりあって気持ちいいんだけどねー。そろそろ昼食の時間になりつつあった。「昨日はしこたま飲んでスパークしたから、最後くらいゲテモノやめて全うなモノを食おうぜ」
我々は(毒)きのこ採りの名人、てらぴーに教わった彼曰く「絶品」というカツ丼(またか?!)を出す精肉店に向かった。駅の近くでJR職員ご用達というその店は「飲食店」としての看板はなく、あくまで表側は精肉店でしかない。言われなければ誰もわからない裏側の扉を開けると小さな飲食店になっていて、メニューがちゃんと置いてあるから裏家業ではないことがわかる。店内には芸能人の色紙なども結構貼ってあった。片岡鶴太郎さんのもあるぞ、この前の「タルタル・・・」でもあったよな。彼は何かこの地に由縁があるのかな。
ちなみに精肉店で出すカツ丼だからか肉は分厚くてジューシー、その上柔らかく、てらぴーの「絶品」というのもうなづけた。

      

さて、もう一つ現場を回って帰路に着く予定だったが、せっかく3人衆最後のお出掛けなのに、このまま帰ってはどうも悔しい。。。ニカウさんに続く新お出掛け衆最若手の「いっけい」が何やらスマホでサーチし始め、県に3つある100選滝の一つが比較的帰り道沿いにあることを発見した。
八兵衛が遠足で行ったことがある、というが運転手の地元デカさんも場所はよくわからぬらしい。社用車に付いているあてにならない古いカーナビと「いっけい」のスマホだけでは中々到達ルートが分からず、とうとう農家の前に車を停めて道を教えてもらうことにした。

「棚下不動滝というのはどのように行けばよろしいのでしょうか?」いきなり車から男が降りてきて道を尋ねたからおばさんは少し驚いたろうな。なるほど、大きな幹線道路が川の向こう側を走っているからこちら側の道路はほとんど通ることがない。デカさんもわからなかったはずだ。
教えてもらった通りの道を行くと、看板が現れて駐車場に到着したが、場内には巨大な落石があり「落石の危険がありますから、この先の展望スペースからご覧ください」というたて看板があった。。。ここは雄滝と雌滝があるが、雌滝は落石で近寄ることはできないらしい。雄滝に向かう前方の狭く険しい道は「入るな」とは書いてないが、「落石の危険があるので●●からご覧ください」という看板がまたしても置いてあった。デカさんは果敢にも構わず4WDの車を進めた。
「大丈夫?」「なーに、あんな大きな電柱が立っているということはかなりの重機が入ったはずですよ」
確かに険しい崖っぷちのカーブを越えると前方に普通トラックと作業用のショベルカーが動いていた。

     

滝よりもはるか麓に神社があり、長い階段で二つの赤い鳥居をくぐって上るとここも滝の裏に辿り着けるようだ。岩の切れ目から湧き水が流れ落ちている不思議な光景だ。あの滝は神に祀られていて打たれて身を清めることもできたそうだ。
ところが昨年の大地震の際に巨大な落石があって、階段を完全に塞いでしまい、滝裏まで行くことはできなくなってしまった。確かに我が家に新設したシェッドくらいの岩が二つの鳥居の間にドカドカーっときて階段を遮断してしまっている。
「あの岩は撤去不能ですね。もしもう一度滝裏へ行かせるとしたら、反対側から新たに開拓しないと・・・」

    

3.11の大地震ではほとんど被害らしいものは無かったこの県だが、こんなところに爪痕があったとは知らなかった。。。駐車場まで降りて雌滝を見るとほとんど水は流れず寂しい状態だ。
スティーブも地元の人間だから100選にはないがたくさんの滝を知っている。この県はホントに滝の宝庫のようだ。また調べてみると普通耳にするよりも妙な名前の滝が多いようだ。「うつぼの滝」「うらみの滝」「霧降の滝」「小中大滝」「殺人の滝」「線が滝」・・・・・滝というのは落差があるものだから、道路わきでちょっと見学というわけにもいかず、大体は歩いていかなければならないから、外出の合間にどこまで制覇できるか分からぬが滝巡りレポートというのもまた楽しそうだ。
ただし私はヘリなどの飛翔体は問題ないが「吊り橋」とか崖とか中途半端に高いところは全くダメだ。スティーブは逆にヘリは嫌いだが、妙に高いところは全然平気らしい・・・ぼちぼち察知されているから「いじわる」されないように気をつけなきゃなー。



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