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NHKの受信料、今の時代にあったものなの?

2017-12-06 18:44:01 | 徒然

ご存じの通り、今日最高裁で「NHK受信契約」についての判決があった。
朝日新聞:NHK受信契約、テレビあれば「義務」最高裁が初判断

NHKの受信料の徴収の仕方について、常々疑問に思うところがあった。
理由は「テレビ受信機が設置していれば、受信契約がされているとみなされ、受信料を支払う必要がある」という、趣旨の「放送法」に疑問があったからだ。

今回の最高裁での判断の基になったのは、この「放送法」なのだが、「放送法」そのものができた時と今とでは、「テレビ」を取り巻く環境が全く違う。
「放送法」ができた当時は、テレビそのものを持っている家庭は少なく、民放も放送時間が極端に短かった頃だ。
今のように、民放局がほぼ1日中テレビ放映をしている時代の話ではない。
それどころか、先日元SMAPのメンバー稲垣さん、草彅さん、香取さんがabeamTVで「72時間ホンネテレビ」という番組が登場し、ネットテレビの持つ「双方向番組の魅力」と旧来のテレビ番組の違いを知らしめた(というと大げさな気がするが)ばかりだ。
民放各社が一つになってTverという「見逃し放送」を、ネットで配信しているのもネット視聴者を取り込みたい、という考えがあるからだろう。
旧来のテレビ局そのものが、ネットテレビという新し媒体とどう向き合う必要があるのか?ということが、問われている、というのが今だと思う。
そのような大きな社会変化の中で、1950年代にできた「放送法」という法律だけを基に、この問題を考えても意味がないような気がするのだ。

確かに「放送法」の基では、今回の判断は正しかったのかもしれない。
しかし、上述したように「今」という時代に、そぐわないのが「放送法」でもある。
まず、そこから考え直す必要があるはずだ。
ところが、この「放送法」に関しては、憲法改正に意欲を見せる安倍さんをはじめ、政治家の皆さんは誰も手を付けようとはしない。
もちろん、NHKの予算が国会で審議対象となっているという点も含めて、考える必要があると思う。
何故なら、国会という国の機関で予算が認められるNHKが、報道の中立性が守られているのか?という、疑問が出てもおかしくはないからだ。

E-テレの「バリバラ」のような、社会の問題を掘り起こすような番組は、NHKならではだと思う。
反面NHKじゃなくても製作できるのでは?と、思われる番組が無いわけではない。
NHK側からすれば「みなさまのNHK」なので、「幅広くみなさまのご希望にそえる番組制作を心掛けている」ということになるのかもしれないし、「民放のようにスポンサーがいないので、視聴率などを考えずに質の高い番組制作ができる」という話なのかもしれない。
本当に、そうだろうか?
朝日新聞:NHK、無縁でなくなった視聴率競争「低いと肩身が」

と同時に考える必要があると思うのは、NHKが行っている「オンデマンド」の料金や、NHKエンタープライズなどのNHK子会社が発売をしている、過去に放送された番組のDVDなどの販売だ。
番組そのものは、受信料で製作されているのだから「オンデマンド」やDVD化された放送の販売は、2次使用になるのでは?
NHKの子会社からNHKへ著作権などが支払われているのだと思うのだが、受信料を払いながら「オンデマンド契約」をしている人やDVDを購入する人からすれば、二重取りされているようなところがあるようにも思える。
もちろん、「オンデマンド放送」にかかる設備投資やDVD化するための費用は掛かると思うのだが、それらの価格は適正なのだろうか?という疑問だ。
そう考えると、今現在のNHKの受信料は適正価格なのだろうか?

インターネットという新しいメディア媒体の登場で、現在・過去の映像が自由に楽しめる時代になってきた。
「放送法」ができた時代とは、まったく違う時代になっていることをNHK自身が考える必要があると思う。